駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

コーエン兄弟の作風

2022年10月04日 | 映画

          

 

 この数か月、ネットで映画とテレビ映画を見ている。外国のテレビ映画は映画に負けず面白い。刑事モースを全部見てしまったので、今度はファーゴを見た。映画のファーゴを見ていたので、テレビ映画のファーゴはどうだろうかと思って見始めた。思いがけぬ展開に次はどうなると固唾を飲まされて面白いのだがどうも微かに後味が悪い。コーエン兄弟の映画はバートンフィンク、ファーゴ、ノーカントリーの三本しか見ていないが、面白く惹きつけられるけれどもどこかに不協和音というか嫌な感じがある。それは不条理ですよなどと解説されるのかもしれないが、残虐不気味で底知れぬ悪者と石頭の愚かな上司が出てきてやり切れない。こんな人達を相手にしたらとても勝てないと感じた。刑事モースやミレニアムなどにも残酷な場面出てくるのだが、ファーゴほどの軋むような不快感はない。ファーゴの残酷さは執拗で救いがなく異様に感じた。

 ミネソタがコーエン兄弟の作品を歓迎しているかどうか知らないが、ミネソタの風土と季節(特に冬)が作品と分かちがたく結びついている。雪の一本道が脳裏に焼き付けられてしまう。抜群に面白いが楽しかったとは簡単には言えない作品だと書いておこう。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋の日曜日 | トップ | 施政方針演説を読んで »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画」カテゴリの最新記事