駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

アンパンは美味しいが

2020年09月20日 | 診療

         

 

 アンパンは美味しい。今では素朴なものから皮をブリオッシュからフランスパン風まで生地に工夫を凝らしたものまで色々あるが、昔からの平凡なアンパンの人気は根強い。

 糖尿病は食べ過ぎが大敵で中でも甘い物の摂取を減らさなければならないのだが、甘い物が好きな人が多く実行は中々難しい。実行する前に理解が届かない患者さんも多い。甘い物の中に饅頭や羊羹は入っていてもなぜかアンパンは入っていない爺さんがおられた。急に糖尿病のコントロールが不良になり、検査指標のヘモグロビンA1cが8.0%と高値になってきた。あれどうしたのかと色々聞いてゆくと、先月からアンパンのおいしさに目覚め、毎日二個食べているという。本当は三個食べたいのだが我慢して二個にしているという。我慢していると言うことは本当は良くないと知っていたのではないかと推測されるが、注意してもあっはと笑っておられる。笑って誤魔化している?。

 頭では分かっていても好きなものを食べたいという欲には勝てないわけだ。おまけに食べても一週間やそこらではなんの変化もない。家族が注意すれば俺の好きだ何が悪いと怒り出す。研究して積み上げた糖尿病治療の知恵がないがしろにされている。医者に注意されるとあっそうかあっはと頭を掻く、医療現場に限らずなんだか似たようなことは世の中に一杯溢れているような気がする。

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大家の心境

2020年09月19日 | 身辺記

              

 

 暑さ寒さも彼岸までというが、秋分まで三日、朝夕めっきり涼しくなった。今の家に住んで二十年、庭も落ち着き、我が家という風情が出てきたが、どうも私専用の家のつもりがそうでもないようだ。涼しくなったら大きな蜘蛛が時々顔を見せるようになった。我が物顔で壁をあちこち動き回っている。主人の足音で一応隠れるが、自分の家と思っている様子だ。蜘蛛だけでなく、長細いげじげじのような節足動物も畳を這っている。百足ではないようで見逃してやった。どうも歓迎していない同居人がいつの間にか多数住み着いているようだ。びた一文の家賃も払わないが大目に見ている。奴らも厳しい女主人の目の前には出ないようにしているようで、それなりに考えているらしい。私も大目に見ていると言ってもゴキブリだけは退治している、逃げられてしまうことも多い。

 田舎の家には蛇やネズミが居たが、今のところこの家には居なさそうでその点はほっとしている。どちらも歓迎しない。残飯は各家庭できちんと処理するようになっているのでネズミは住みにくくなり、蛇もやってこないようだ。

 なぜ秋になると昆虫が出歩くなるようになるのかよく知らないが、勝手な同居人が出没するようになった。実害もないようで、無料で住処を提供し大家の心境になっている。

 

 芝生を親子が歩いてるだけのシンプルな構図だが、何か伝わってくるものがあるとシャッターを切った。絵を描き始めて十五年、どんなものか。

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厳しい世の中

2020年09月18日 | 医療

                 

 

 ゴーツートラベルに続きゴーツーイート、なんでカタカナか分からないが経済振興策が押し進められている。露骨な苦肉の策の感じがするが速効性はありそうだ。

   観光業、飲食業ほどではないかもしれないが、実は医療機関も減収に悩んでいる。次にゴーツードクターの用意はありますかと聞きたくなる。正直なところ、医者は何とか減収には耐えられても、医療機関で働く医療従事者には非常に厳しい現実が待ち構えている。内科系の患者が増加する冬期に受診抑制があると、従業員を減らす医療機関が出てくるのは確実だ。財務省は医療機関が淘汰され医療費が減って好都合と考えているのではないかと危惧している。

 新型コロナ対策には疾病だけでなく疾病と同じように経済対策が必要で、たとえ新型コロナがある程度抑えられたとしても既に国民の懐具合は待ったなしの状態にある。それを強く訴えてもらうために、ワイドショーの出演者の報酬を下げることを提案したい。テレビ局だっておそらく減収になっていると思う。ワイドショーの出演者も自分の懐に響けば切実に考えるだろう。

 菅首相は国民のために働くと言っておられる。菅内閣は手堅い布陣で精一杯の仕事をされると思う。どうぞ沖縄県民も野党支持の人もすべて国民なのを忘れないでいただきたい。目を引く即効性の政策だけではなく、地道に立て直す政策を打てるかどうかが問われている。上滑りの言葉でまやかす安倍さんに比べて菅さんは地道な実行力がありそうで国民は期待している。野党との開かれた論戦でより良い政策を見出し実行していただきたい。

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飼い犬を考える

2020年09月17日 | 身辺記

         

 

 夫婦二人暮らしになってもう二十年を過ぎた。特に寂しいと感じているわけではないが、犬を飼ってもいいなと思うことがある。ただ、犬を飼えばあと十年元気で居られる自信もなく最後まで面倒みられるか怪しい。そこでロボット犬、アイボはどうか調べてみた。中々面白そうなのだが、二時間くらいしか動かないというのがどうもしっくり来ず、二の足を踏んでいる。

 そうかといって猫というのはどうも性に合わない。ネットには結構猫派が多いようだが、子供の時から自分は犬派なのだ。

 犬種の特徴を調べて面白かったのは犬種によりかなり性質が違うことだ。大きさ外見性質など、飼うとなれば熟慮が必要なのがよく分かった。以前コ-ギ-を飼っていたことがあり、犬を飼う楽しさ大変さはかなりわかっているので自分達の年齢を考えると踏ん切りがつかない。コ-ギ-は素晴らしい犬種なのだが吠え声が大きい、かなり運動が必要、毛が抜けるという問題があったのでもう一度は難しそうだ。

 どうするか考え中。

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中村喜四郎を見た

2020年09月16日 | 人物、男

           

 

  昨夜BS放送で中村喜四郎を見た。名前は知っていたがまとまった話をするのを初めて聞いた。信念の男という印象は変わらなかったが、理路整然と話をするのに驚いた。異論を排除せず人の話を聞く自由闊達な議論を失ってはならないと強権的な安倍政治を批判し、与野党を伯仲させ隠蔽ごり押しを許さない政治を実現したいと立憲民主党に加わったと言う。熱い権力志向の男という先入観とは違い頭脳明晰で理念を掲げ粘り強く実現に動く男の印象を受けた。寄らば大樹と勝ち馬になびく政治家ではないようだ。

 喜四郎氏が説くように与野党が伯仲していれば、ごり押しが通ると諦めてしまう政治に誤魔化しがきかない緊張感が生まれ、自由闊達切磋琢磨の政治が再生されると同感した。

 中村喜四郎氏の加入で頭を下げるのが嫌いで組織に頼ろうとする野党政治家が変われるだろうか、変わらなければ存在価値が失われる。

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