夢のあと

釣りには夢があります。夢を釣っていると言っても過言ではありません。よって、ここに掲載する総ては僕の夢のあとです。

後世に

2013年12月18日 09時54分33秒 | タナゴ釣り
ここのところ子供との釣り楽しんでいる管理人です。
子供はこれからの世代を担う僕らの宝物です。釣りをしていると悲しい釣り師を目にすることがあります。ですから、これからの時代を担う子供たちに『釣り』という娯楽の精神を伝えて行く事も僕らに課せられた使命であると思えてならないのです。

 日本人は諸外国に比べて魚を食べることが多い国民です。僕自身も沢山の魚を食べて来ましたし、皆様も同じなのではないかと思います。ですから日本人は魚を捕ると、それは食材としての認識が外人に比べて強いのだと思われます。加えて敗戦後の食料難を経験したような年の人は『もったいない』の精神が強いようです。
 釣りをしていると“えっ?そんなの持って行くの?”とか“そんなに持って帰ってどうするの?”って思ってしまう事が多々あります。そういう人を見るとえげつなさを感じてしまうのですが、上記のようなお国柄ですからこれもまた仕方ないのかもしれません。このように日本人独特な過去を背負った上、貧しい環境下に育っていたりすると、たとえ釣れた魚が毒をもっていなければ食材としか見えない人になってしまっているのです。決してそれが悪いことだとは思わないのですが、不恰好であり、少なくともスマートには見えません。そういう時代は終わったと思います。戦後の食糧難の時代ならまだしも、これだけモノに溢れた現代では魚が食べたければ築地へ行った方がどれだけ楽で安上がりか。自分で獲って来た方が新鮮だから・・・なんていう人はかなり魚の味を知らない人です。我々のような素人が釣って持ち帰った魚より、プロが釣って鮮度を保つ方法で〆られ、梱包されて運ばれた方が鮮度がいいに決まっているではありませんか。しかも、買うだけだからボーズもないです。
 また、魚釣りがフィッシングと名を換えてスポーツに分類したりする人がいますが、釣りはスポーツとは到底思えません。ただの趣味です。敢えて言えば娯楽とかそういう範疇だと思っております。要は“楽しみ”です。ですから純粋な釣りは魚との勝負を楽しむことであり、食べる事は含まれません。要はゲームフィッシングってやつです。獲ることを目的としない、つまりは純粋に釣る事だけを楽しむ世界です。要は魚に遊んでもらうのが釣りです。で、釣れたらまた釣れるようにキャッチ&リリース(以下『C&R』)が前提となります。C&Rは賛否両論あると思いますが、究極の世界では多分否定されるべき行為と思っております。しかしながら必要以上の魚を持ち帰るよりはスマートです。C&Rなんていうと外国カブレだという人も居ますが、そんな人は認識に乏しい人だと思います。何せわが国でも江戸時代という昔から『タナゴ釣り』という江戸の文化の一つに数えられるほどの立派なC&Rの釣りがあるのですから。
 で今回はその世界最古のゲームフィッシングであろうタナゴ釣りをして来ました。今回は二人の女の子を連れて行きました。我が『Fishing Team “釣り天狗”』のメンバーの一人であるたつや氏の娘さんとそのお友達です。先日、たつや氏のお嬢さんがメダカを飼育したくて捕りに来ました。その際に釣れたタナゴも2匹持ち帰って自宅で飼育しているのですが、それを見た彼女のお友達が『私も飼いたい』ってことになったそうです。で、そのお手伝いをしたのですが、タナゴですからそこそこの数は釣れます。しかし釣ったタナゴを総て持ち帰ることはせず、たつや氏から『何匹必要なの?』と聞かれ、結局6匹を持ち帰り、その他はリリースしました。お友達の彼女は生まれて初めて釣りをしました。当然釣った魚は総て持ち帰る経験はありません。よって、現在の彼女の釣りにはC&Rしかないのです。でも、もしかしたらそのうちえげつない釣りをするようになるかもしれません。でも、この時のC&Rの意味、そしてその素晴らしさが理解できたその時には再びC&Rの世界に戻って来てくれることでしょう。

 魚がどんどん減っている現在、その原因の一つに釣り師が挙げられています。僕はそう思っていないのですが、俗に“有識者”と言われる人たちはそう考えているようです。僕は魚にとって良い環境があればどんなに釣ったって、持ち帰ったって、総ての魚を捕らない限り魚は自然にまた元に戻ると考えています。よって、魚を減らしているのは自然環境の悪化であって、釣り師はその原因にはなっていないと思っているのです。ただ、一匹の魚を持ち帰れば確実にその場所から一匹の魚が減っているわけです。これが重なれば魚は減って来るのは当然です。勿論総ての魚を釣る事など無理ですから、放置しておけばまた残った魚たちが子孫を作ってくれるのですが、放置して置くって事は釣りをしないということであって、釣りが大好きな僕にはとても無理な話です。ですからこれからも総ての釣り人が夢と希望が持てるよう、不必要な魚はリリースするのが今の僕の釣りです。
 夢や希望があるから釣りをするのですから・・・。