アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

「らんまんロス」を吹っ飛ばせ!- アオイ科のシベ

2023-10-01 17:10:00 | みんなの花図鑑
いつまでも「らんまんロス」に陥っていてもしかたがない。
きのうにつづき、アオイ科のシベを観て 元気出そう!

ムクゲ

自宅のムクゲ

このブログにはもう何度も登場しています。



ムクゲ(木槿、学名: Hibiscus syriacus
属名 Hibiscus(ヒビスクス、英 ハイビスカス) の名の由来には2つあって
(1) エジプトの美を象徴とする女神ヒビス(Hibis)と、ギリシャ語の「似ている(Icos)」を合わせてできたことが由来
(2) ハイビスカスは、「タチアオイ」を表す古代ギリシャ語「ibískos」に由来



種小名の syriacus は 「シリアの」を意味するギリシャ語「syriakos」から。
ムクゲの現在の学名は「Hibiscus syriacus」ですが、昔は「Althaea frutex(低木のタチアオイ)」とされていました。タチアオイは十字軍がヨーロッパに持ち込んだと言われている植物です。タチアオイにしろ、ムクゲにしろ、アオイ科の花が地中海南岸地方から持ち込まれたことは意味深いですね。



「白の一重花に中心が赤い底紅種は、千宗旦が好んだことから、「宗丹木槿(そうたんむくげ)」とも呼ばれる。」(wiki 「ムクゲ」より)



安城デンパーク・花木園のムクゲ


雄しべ筒の中をめしべが貫通し、抜け出た先で柱頭を展開しています。








フヨウ

フヨウ(芙蓉、Hibiscus mutabilis
種小名の mutabilis は「変化しやすい」という意味のラテン語で、白からピンクに花色のグラデーションを見せる様子に由来します。(花言葉.net「フヨウの花言葉と由来」)


ただし、白から赤に色が変わるのは 酔芙蓉のほうで、フヨウは白やピンクがありますが色移りはしません。










雄しべ筒の中をめしべが貫通し、抜け出た先で柱頭を展開しています。
フヨウの場合は柱頭が上を向いています。







モミジアオイ

モミジアオイ(紅葉葵、学名:Hibiscus coccineus


種小名の coccineus は 「紅色の,緋紅色の」という意味です。
花弁の付け根が細くなっており、花弁の間に隙間があるのが特徴です。



シベは長く突き出しています。


雌しべの柱頭は 雄しべ筒から出てそのまま真っすぐ展開しています。






タイタンビカス

タイタンビカス(学名 Hibiscus x Titanbicus)は、アメリカフヨウ(H. moscheutos)とモミジアオイ(H. coccineus)の交配種。
三重県津市の赤塚植物園が開発した交配、選抜種。


花はアメリカフヨウに似ていて、葉はモミジアオイに似ています。


シベも雌しべの柱頭がやや上を向くところは フヨウの性質を受け継いだ証拠です。






ヤノネボンテンカ

ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花、学名 Pavonia hastata
属名の Pavonia(パボニア、ヤノネボンテンカ属) はスペインの植物学者Jose Antonio Pavon Jimenez(1754-1844)の名前に因みます。
種小名の hastata は ラテン語で「鉾形の」という意味です。 葉の形に由来します。和名の「ヤノネ」も同様です。



ヤノネボンテンカは花弁裏の模様がきれいです。














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