アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ベゴニアと「蛾」

2024-06-02 20:10:00 | みんなの花図鑑
最初に ベゴニアの雄花と雌花はなぜよく似ているのか?
について考えてみます (^^ゞ

ベゴニア(雄花)

これはベゴニアの雄花です。



ベゴニアは雌雄異花と言って、一つの株に(ときに八重咲きの)雄花と一重咲きの雌花を咲かせます。




通常、豪華な雄花が咲き、その隣に一回り小さな雌花が咲きます。雄花は花弁の中に黄色い雄しべだけがついています。




雄花と雌花は咲く時期が違うようで、雄花が目立つ株は雌花が見当たりません。




逆に、雌花が目立つ株では、雄花は花後といった具合です。



花弁が八重咲きの雄花もあります。花弁が八重の雄花は 雄しべが花弁化したものです。





ベゴニア(雌花)

雌花のほうはおしべがないので、八重になることがありません。




他の雌雄異花の花では 雄花と雌花が大きく違っていることが多いですが、ベゴニアの雄花と雌花は近寄って黄色いシベを観察するまでは雄花か雌花か見分けがつきません。どちらのシベもこのように黄色い色をしています。




ただ、横から見れば、雄花と雌花は容易に区別ができます。雌花には 雄花に無い子房が花弁の下に付いているからです。



ベゴニアの雄花と雌花は似ています。理由は 雄花の雄しべと 雌花の雌しべの柱頭が、両方とも黄色で似ているからです。
なぜこんなに似ているのでしょうか?



その理由について、以前、少し考えたことがあります。
虫媒花はふつう花粉と蜜を提供して、花粉をめしべに運んでもらいます。
ところが、ベゴニアは蜜腺を持たない花で、花粉を媒介してくれる虫たちには「花粉のみを報酬とする花(花粉花)」だったのです。




その帰結として、雄花は花粉を与えることで虫を呼ぶことができるが、雌花は花粉をもたないので、そのままでは虫を呼べません。ベゴニアは雌花に虫を呼ぶためにあれこれ対応策を考えました。その結果、めしべの柱頭を雄しべに似せた形に(擬態)することで虫たちがおしべと勘違いして柱頭に止まってもらうことを考えたのです (´∀`)
(このあたりのことは Web site of FUKUHARA, T. (Fukuoka Univ. of Education) 「6-5-1. 報酬としての花粉」を参考にしました。ただ、セキュリティーの関係で今は Chromeから接続ができません)




ここから先は 蛾の画像なので、お嫌いな方はスルーしてください。







Google Lens で検索した中では ヒロヘリアオイラガというイラガ科の蛾が一番近いような気がしましたが・・・























.


4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ma_kun)
2024-06-02 20:21:16
マクロの世界、凄いですね。(^_^)v
返信する
Unknown (アブリル)
2024-06-02 20:32:19
コメントありがとうございます
ブログタイトルどおり、どこにでもあるものを、どこにもないアングルで捉えようとしています(^-^)
蛾は動くから苦手なのですが、この蛾はじっとして動かなかったのでこころ行くまで接写出来ました✌️
返信する
お久し振りです! (noko)
2024-06-02 23:15:13
アブリルさん  こんばんは!
ベコニアの雄しべ・雌しべは肉眼では見えるのですか?
ベコニアがいつの間にか角のある牛になっていました。いつの間にかミニチュアの角のある牛になっていました。あれェ…複眼のある昆虫になっていました。
凄いマクロです。何を見ても本物が見られて良いですね。今日の複眼と角・足などの部位には驚きました。

一寸この機会にお尋ねします。ナガミヒナゲシの時の実・種のことですが、以前何かのこの実と種の関係で、思案したことがあります。サイトを見て種と実が同じものだと知り
実から種が取れるように書いたと思います。
ナガミヒナゲシは全部抜きましたがアイスランドポピーが今、咲いていましたので、撮影しましたが、筋が20本ぐらいありました。(まだ、数えていません)アイスランドポピーの種は落としておきますので抜きませんが、あれは実ではないのですか?
いつも、トンチンカンですいません。
返信する
Re: nokoさん^^ (アブリル)
2024-06-03 00:33:35
こんばんは~
ベゴニアに蛾が止まっていたものだから、一緒に撮影してあげました(笑)
なので名前の分からない蛾だけ別に投稿するほどのものでもないので、一緒にアップしちゃいました。
> ナガミヒナゲシ
のところで話題にしたのは 子房と果実が別物だと思っている人がいらっしゃったので、
たとえばキュウリの子房が受粉して成長して食べるキュウリになり、リンゴの子房が大きくなって食べるリンゴの果実になるように
「同じものですよ」
と言いたかっただけです(^^ゞ
「実」というのは果実全体を言うときと種子を指すときと、2通りの使われ方をしますね
返信する

コメントを投稿