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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

エキナセア - キク科のシベ 4

2023-07-26 16:30:00 | みんなの花図鑑
<キク科のシベ>特集、きょうはエキナセアを取り上げます。


キク亜科の花の中でもエキナセアはちょっと変わっています。
エキナセア(Echinacea)というのは属名ですが、これは「ハリネズミ」を意味するギリシャ語の εχινος (エキノース)から来ているのです。



この花の中央に盛り上がった筒状花部分を見れば、だれもがハリネズミを連想するだろうことは容易に想像できます !(^^)!
ところで・・・
このハリネズミの針のような部分は 筒状花の何なんでしょうか?
通常の筒状花はおしべ、めしべ、花冠、萼片があります。
でも、ハリネズミの針はこのどれでもないようです。
とすると、このサボテンみたいな部分は筒状花の何なんでしょうか?




別の花を覗いてみると・・・

今度は雌しべのほかに 黄色い花粉をのっけた雄しべもあります。
筒状花の集団は外周から中心に向かって順に開花していくものですが、上の花を見ると、雌しべの柱頭が十分開いている一帯にハリネズミの針もまたあります。






この花などその典型で、筒状花の中心点近くまで咲きあがって見えるシベはめしべばかりなのに、ハリネズミの針の山が丘を作っています。







同じような画像ばかり続きますが、こちらは 花粉を持ち上げている雄しべ筒のエリアにも 柱頭を展開した雌しべの一帯にも、いずれのエリアにもそれとは別にハリネズミの針がそそり立っています。





いろいろ見てみましたが、ハリネズミの正体がまだよく分かりません。

それどころか、この花が「ハリネズミ」と呼ばれるのは 筒状花の剣山のような姿からだと思っていましたが、実は別の説があったのです。
それは「花の下にある(ほう:つぼみを包んでいた葉っぱ)の先端とがっていて、それがたくさん付いた姿」からハリネズミのようだとした説があり、図鑑などではこちらの説の方が優勢だというのです。
にわかには信じがたいですが・・・
とすると、筒状花の針の部分は苞ではないから別の器官ということになります。
これ以上はもう少し検索してみないと分からないですが、いずれにしてもこの針の部分は萼のような部分で、小花の数だけあるが、小花が開き終わったのちも(ホオズキの宿存萼のように)宿存するのではないか?
(だとすると小花とは別に針のように尖った先を持って伸びている理由が分かりませんが・・・)
そのため、ドライフラーとして使われるほど全体として永く花の形が保たれるのではないでしょうか?




その後さらに検索を進めたところ、鱗片というタームで説明されていることが分かってきました。
以下、いくつかの記事の抜粋です:

「花の中心で咲いている極小の筒状花(とうじょうか)には、尖った鱗片があります。
この筒状花が密集してできた頭状花序は、硬くトゲトゲしていて針山のような印象を受けます。」(design earth「エキナセアの特徴」)

「筒状花は暗赤褐色で,鱗片は橙赤色.」(熊本大学薬学部 薬草園 植物データベース「ムラサキバレンギク」)

「属名の「エキナセア、またはエキナケア(Echinacea)」は、ギリシア語の『echinos「エキノース(ハリネズミ)」』に由来し、一つひとつの筒状花の先に、尖った鱗片が棘のようについている様子からといわれます。」


「学名のEchinaceaはechinos(ハリネズミ)より、花床に付いている鱗片が刺状であることから名づけられています。」(髙橋園芸株式会社「Vol.30 エキナケア」)

「花床には堅い橙赤色の鱗片が着き、この鱗片が筒状花より長く、先端が尖って刺状になるのも特徴です。」(エキナセア - 美瑛町(びえい)でバラづくり)

「属名は「ハリネズミ」の意で、花床にかたい刺状の鱗片があることに因む。」(gooブログ・peaの植物図鑑「岩手県立花きセンターのエキナセア/ムラサキバレンギク」)

「属名のエキナセアは ギリシア語の echinos(ハリネズミ)に由来、
 一つひとつの筒状花の先に、尖った鱗片が棘のようについている様子からといわれます。」(楽天ブログ「だい」のひとりごと「載せ遅れた花はエキナセア、モミジアオイ (10)」)




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