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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ウツギいろいろ - デンパーク再開

2020-05-23 18:13:36 | みんなの花図鑑
デンパーク再開記念3回目は デンパークで再開当日咲いていた「ウツギ」と名の付く花木特集です。
「~ウツギ」という名の木は 科を跨いでいろいろあるので、科名(学名) で大きく3つに分けてみました。


まず最初は 「アジサイ(ユキノシタ)科」。 学名でいうと Deutzia で始まる グループです。
1 ■ Deutzia scabra (マルバウツギ) アジサイ(ユキノシタ)科

その最初はマルバウツギです。(見出し画像も)
Deutziaのグループの代表は もちろん ウツギ(卯の花) (学名: Deutzia crenata )なのですが、今咲いているのは マルバウツギ(学名: Deutzia scabra) のほうでした。
さて、 アジサイ科の ウツギ、 マルバウツギ、ヒメウツギ(Deutzia gracilis) は 共通した特徴があります。
雄しべの 葯を捧げ持つ花糸の部分が「きしめん」のように幅広なのです。(「翼」がついている)
しかも、「花糸の翼の形がウツギ、ヒメウツギ、マルバウツギでそれぞれ違う。
ヒメウツギでは、翼の上端が角(ツノ)のように突き出している。
ウツギはほぼ四角であり、マルバウツギではなで肩になっている。」

ヒメウツギのおしべは5月初め ここ で観察したことがあります。

ウツギのおしべは6月になって 愛知県緑化センターで観察したことがあります ⇒ ここ





2■Deutzia x elegantissima (デウィツィア 'ロザリンド') アジサイ(ユキノシタ)科

樹名板には 和名がなく 「デウィツィア 'ロザリンド' Deutzia x elegantissima 'Rosealind'」と書いてあります。ウツギの仲間ということは 名前の Deutzia(デウィツィア) から分かりますが、 それが念頭になければ、見過ごしてしまうくらい小さな花です。



では、このウツギの仲間、おしべはどうなっているのかというと、 写真ではよく分からないのですが、 ウツギ、ヒメウツギ、ミツバウツギによく似た翼が カンムリのように基部で合着して筒になっているのが分かります。その内側におしべが接して伸びているようです。






3■ Deutzia x hybrida (ウツギ 'ストロベリー フィールズ') アジサイ(ユキノシタ)科

ピンクが入ってるので、 ベニウツギかと思ったら、 ベニウツギは スイカズラ科で タニウツギの園芸品種(ベニウツギはあとで出ます)。



これは 「Deutzia x hybrida」 なので ウツギ(アジサイ科) の園芸品種ということですね。



「ウツギ・マギシェン(魔術師)」という名で流通しているものと同じに見えます。



きれいなので何枚も載せちゃいます (^^)/



上の画像の一部クローズアップですが、 おしべに翼があるのがよく分かります。ただし、 一つ前の 「デウィツィア 'ロザリンド' 」に見たように、雄しべ本体と独立しているようにも見え、詳細は不明です。
いずれにせよ、タニウツギやベニウツギとは 異なる系統のものということは分かりました。





4■ Deutzia crenata  f. plenta (サラサウツギ) アジサイ(ユキノシタ)科

サラサウツギは八重咲のウツギであり、古くから栽培されている。(岡山理大 植物雑学事典「サラサウツギ」)


単体の花としては美しく、もっと栽培されてもよさそうなものであるが、お目にかかることは少ない。(同上)


ウツギはたくさんの花をつけるので、重弁であっても単弁であっても遠目に見ると違いがわかりにくいので、重弁にこだわる必要がないのかもしれない。(同上)





5 ■ Deutzia elegantissima 'Maggicien' (ウツギ・マギシェン) アジサイ(ユキノシタ)科

これは 2番目に出てきたDeutzia x elegantissima (デウィツィア 'ロザリンド') と同種と思われます(植えてあった場所と樹名板の表示が違うので 独立しました)
別名「ベニバナバイカウツギ」の名がありますが、 バイカウツギの仲間ではなく、ウツギ属のロンギフォリア(Deutzia longifolia)とディスコロール(Deutzia discolor)の交雑種とされています。


蕾は紅色で、開花すると白地に薄ピンクの色合いが入ります。


可愛い小輪の花を房状につけてくれます。


アジサイ科に属するためか、水は好きです。






アジサイ科以外の~ウツギに移ります。
6 ■Weigela florida (オオベニウツギ) スイカズラ科

オオベニウツギは、タニウツギ属の花木で、タニウツギの仲間です。


タニウツギは、北海道、本州に自生しますが、こちらは中国原産です。


筒形(ラッパ型)の花弁で、アジサイ科のウツギたちとは かなり違った装いになります。
ハコネウツギと 花も葉もよく似ていますね





7 ■Kolkwitzia amabilis (ショウキウツギ) スイカズラ科

花が終わって こんなモフモフがいっぱい。


「ショウキ」の名の由来は、花後に果実に密生する毛を鍾馗(玄宗皇帝のマラリアの病中の夢の中に現れた悪鬼を追い払う神で端午の節句に飾る)のアゴヒゲに見立てたといいます。


今にも落ちそうな花。 下弁の模様も 「ショウキさん」になってます。





8 ■ Euscaphis_chinensis (エウスカフィス・シネンシス) ミツバウツギ科

樹名板からは ミツバウツギ科ということしか分からず、 Euscaphis chinensis で検索しても Euscaphis japonica という英文でない(翻訳不可な)wiki が出て来てしまいます。


花は これまでのウツギの花と全然違います。 でも ミツバウツギの花には少し似ていますか?





・・・
ずいぶん長いスレッドになってしまいました。 もしここまで読んでくださったのなら、本当にありがとうございます。少し調べて時間があれば、もう少しまとめてみようと思います m(_ _)m





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