アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

アジサイの実 - 東山植物園 (3)

2023-06-18 16:00:00 | みんなの花図鑑
アジサイにも実がなります。そりゃ、花が咲くから実もなるだろさ?!
いえいえ、花は咲いても実はならない花もあるんですよ

でも、そのまえに・・・
ヤマアジサイ ’七段花’

ヤマアジサイの変種「七段花」は、装飾花が八重咲きで、各萼片が剣状に尖りきれいに重なって星状に見えるのが特徴。



ヤマアジサイだから、装飾花(花弁のように見える萼片が肥大化した小花)群の中心に両性花があるはずですが、時期が過ぎたようです。




解説板がありました。そのテキストを抽出しますと、
「アジサイ '七段花(しちだんか)'
 Hydrangea serrata f. prolifera
アジサイ科 花びらのように見えるのは装飾花の萼片の部分。装飾花が八重で、星形をしている品種。 名前は、花が重なって段になっていることによるとされる。
シーボルトの『日本植物誌』だけに掲載され、国内では絶滅したと言われたが、 昭和34年に、神戸の六甲山系の山で発見された。」
Hydrangea serrata はヤマアジサイの学名です。





ヤマアジサイ ’美方八重’

もうひとつ、ヤマアジサイ。やはり花弁のように見える萼片が八重の装飾花です。



「七段花」に良く似ていますがこちらの方が少し花弁が丸くなります。
学名は Hydrangea serrata Ser. ’Mikata-yae’ とか
Hydrangea serrata var. serrata ’Mikata-yae’ のようです。
(学名中の Ser. は seriesの略で「亜種」、var. は英: variety、ラテン語: varietas の略で「変種」を表します)



さて本日のトピック「アジサイの実」に入ります。


ツルアジサイ

ツルアジサイは ツル性のアジサイです。
学名: Hydrangea petiolaris



ツルアジサイはヤマアジサイ、ガクアジサイ同様、周囲の装飾花の部分とその内側の両性花の部分とありますが、装飾花には雌しべがないかあっても不完全なので、実が付きません。



実が付くのは 両性花の部分だけです。
駒のような形をしています。



アジサイ ’花笠’

アジサイ ’花笠’ は ウツギのような姿から「コガクウツギ」の名があります。
ガクウツギよりも葉や装飾花が小さめであることが特徴です。
学名: Hydrangea luteovenosa 'Hanagasa'



このアジサイ(コガクウツギ)にも両性花部分が見当たりませんが、もし果実をつけたらどんな形の実か?ある程度想像がつきます。名前に「ウツギ」が付くからです。




コガクウツギ (果実)

この花には 装飾花の部分と青いシベの両性花の部分があります。



両性花の部分は受粉すると、雄しべと花弁が落ち、子房が徐々に膨らんでいきます。



そして上のような実になります。子房の上には花柱がしっかり残っています。





〔参考〕ウツギ (果実)

これはアジサイではなく 正真正銘のウツギ(卯の花)の果実です。



ツルアジサイやコガクウツギの果実と形がよく似ていると思いませんか (´∀`)
以上、すべて6月14日 東山植物園で撮影した画像でした。



参考までに、ウツギの花が受粉して花弁と雄しべが脱落した様子です。(過年度 愛知県緑化センターにて撮影)




.




コメントを投稿