アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

マリーでなくマリゴールド - 安城デンパーク

2023-11-12 14:00:00 | みんなの花図鑑

Wikipedia(日本語版)には「マリーゴールド(英語: marigold、学名:Tagetes)」とあります。
きょうはこの英語名「マリーゴールド」について考えてみます。



私たち日本人は 「マリーゴールド」と発音していますが、英語 marigold の発音を聞くと[mærəgòʊld] つまり「リゴウルド」と言っているように聞こえます。
じっさい 綴りも marygold でなく marigold なのだから 「マリーゴールド」や「メアリーゴールド」でなく「リゴールド」のほうが 英単語としての marigold に忠実といえます。



さらに不思議なことがあります。
英語名 marigold の由来を尋ねると 判で押したように
「聖母マリアの祝日にいつも咲いていることから、「マリア様の黄金の花=マリーゴールド」と呼ばれるようになった。」と由来が返ってきます。



英語でorigin をたずねても同様です:

(親から、おそらく聖処女マリアにちなんでつけられた)名前の Mary + 古語英語の golde (原義は「黄色のもの」)

まとめると・・・
marigold は聖母マリアのMaryを語源とし、聖母マリアを祝うすべての祭りの時期に開花する黄金色の花という意味で初期のキリスト教徒によって名付けられたとされています。(日本メディカルハーブ協会「カレンデュラの植物学と栽培」)




でも。。。それならなぜ marygold でなく marigold なのでしょうか??



英語では Mary でも 仏語では Marie ですから、そちらが多少影響しているのかもしれません。
でも marigold を仏語に直すと souci で、縁もゆかりもない発音になってしまいます。

(↑ 一度書いた後で、もう一度考え直してみたのですが ↓ )
y が i に変わったのは yで終わる名詞 の複数形をつくるときにy をi に替えるように、後ろに gold(e) をつけた影響ではないでしょうか?
Try → Tries
Study → Studies
Mary → Marigold ?




もうひとつ、marigold を スペイン語になおすと caléndula(カレンデュラ←キンセンカのこと)と言ってきますが、これには理由があります。

元々"マリーゴールド"と呼ばれたのは、カレンデュラが先と言われているようです。
キリスト教において、年に何度もある聖母マリアの祭日。
開花時期の長いカレンデュラは、そのすべての時期に黄金色(Gold)に輝く花を咲かせ、これを見た初期のキリスト教徒たちが、聖母マリア(Mary)の名をとってMarigoldと呼ぶようになったそうです。
しかし、その後は、カレンデュラに似た花をも、"マリーゴールド"と呼ぶように。
そして16世紀、観賞用としてフレンチマリーゴールドが広まったことで、フレンチマリーゴールドの方を単に"マリーゴールド"と呼ぶようになり、現在までの混乱を招いています。
(以上、Natural Island「「カレンデュラ」ってどんな植物?」)






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6 コメント

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mari というつづり (flowerconnection)
2023-11-13 10:34:08
信頼の置けるとされる英語の語源辞典からの情報を、わたし自身の知識でモミモミすると、
https://www.etymonline.com/search?q=marigold

古英語で golde(現代英語の golden)であったものに、virgin を意味して Mary をくっつけたのが、marygolde。これが、最終的に marigold というつづりになっただけだと思います。

英語の女性の名前に、Mary と Lynn をくっつけたものがあります。
https://en.wikipedia.org/wiki/Marilyn_(given_name)

つづりはいろいろあります。
Marilyn, Maralyn, Marelyn, Marilynn, Marlyn, Marylyn, Marrilyn, Marillyn, Merilyn, Merrelyn, Merrilyn
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Unknown (t71127aichan)
2023-11-13 10:36:52
アブリルさん こんにちは~
トップのお写真 とっても素敵です。
説明を聞いていて頭がこんがらかってしまいました。(笑) ピエロ
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Re: flowerconnectionさん^^ (アブリル)
2023-11-13 14:07:40
いろいろ情報有り難うございます。
そうすると Mary + goldが Marigold になったのは偶然で Marygold でも良かったということでしょうか?

それと、
いただいたリンク先の説明には
「この花の古英語名は単に「 golde 」でした。オランダ語では「 goudbloom 」、ドイツ語では「 Goldblume 」となります。」
と、あります。
そうしますと 「元々 "マリーゴールド" はカレンデュラのことだった」という説明にも反古が出て来るような気がしますし、、、
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Re: ピエロさん^^ (アブリル)
2023-11-13 14:12:12
こんにちは~
ありがとうございます!
この日は望遠マクロで撮ってみました(^^♪
レンズの筒が長いと、手持ちでぶれやすいので、せっかく買ったのにあまり使ってなかったんです。
私もお気に入りの一枚となりました\(^o^)/
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キンセンカ (flowerconnection)
2023-11-13 17:47:42
marigold という語は、最初、キンセンカ(Calendula officinalis)のことを指していて、そのうち、何らかの理由(似ている、とか)で、現在いうところのマリーゴールドのことを指すようになった、ということではないでしょうか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89
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Re2: flowerconnectionさん^^ (アブリル)
2023-11-13 19:52:14
英語の marigoldは、はじめカレンデュラに対して使われていました。
現在marigoldと呼んでいる花の古英語名は 単に「 golde 」でした。
ということのようです。
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