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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

イロハモミジ、ノムラモミジ、ヤマモミジ - 翼果の観察

2020-12-01 12:06:40 | みんなの花図鑑

前回、愛知県緑化センターにおいて、太平洋岸に多いイロハモミジとオオモミジの判別は 葉を見るより 果実(翼果)を調べたほうが分かりやすいことを確認しました(「イロハモミジとオオモミジ - どう見分ける?」)。
きょうは 安城デンパークのもみじ系カエデを対象に 葉と翼果の観察をしてみたいと思います。



最初は この モミジです。うまい具合に 紅葉した葉の前に翼果がぶら下がっています。翼果を見ると 左右にほぼ水平に翼が伸びています。翼が水平に出ているのは イロハモミジ ということでした。



イロハモミジの葉の鋸歯(縁のギザギザ)は重鋸歯といい 切れ込みの大きさが大小入り混じっているそうですが・・・
また、イロハモミジの葉はオオモミジの葉に比べて小さめと言われていますが、2つ並べて較べてみなければ そんなの分かりませんよね



翼果は竹とんぼみたいに翼が水平に出ているといいましたが、同じ個体でも 水平の度合いはいろいろあります。この手前の翼果はかなり下に垂れています。(奥の翼果は水平)



イロハモミジと判定したこの木の木肌です。




つぎは、応用問題です。

こんな形をしているモミジの葉がありました。これは イロハモミジでしょうか、オオモミジでしょうか?



葉を見ても分からないので、果実を調べます。翼果はこんな風で、プロペラ(翼)は 若干 垂れ下がっているように見えます。



実は これは 愛知県緑化センターでも観た イロハモミジの園芸品種で「赤の七五三」という品種なのです。この園芸品種の翼果は 判別者泣かせで、きれいな水平の翼が出ている翼果もあれば 上に見たように かなり垂れ下がっているものもあるようなのです。



もうひとつ「赤の七五三」の特徴ですが、(一枚目のように)通常の「もみじ葉」の中に こんな枝垂れモミジの葉のような葉が必ずあるのです。
結論として、「赤の七五三」のばあいは 2種類の葉がついていることで判別したほうがよさそうです。




また別の株です。

こんな濃い大きめの葉のカエデがありました。(モミジ科というのはありませんので、すべてカエデ科です)



伸びている枝の半分が 黒紫色をしています。さて、これは何というモミジでしょうか。



うまい具合に 飛散寸前の? 翼果が付いていました。解体業者の重機の先についているハサミのように 左右の翼が向かい合っています。これまで見た中で一番 U字型をしています。



樹名板がありました! ヤマモミジの園芸品種のようです。


イロハモミジ、(オオモミジは 愛知県緑化センターで見ました)、ヤマモミジと出てきましたので、ここで 整理しておきましょう。




すっきり整理したところで、最後に、もうひとつ、応用編です。


真っ赤に紅葉したもみじがありました。葉では 分からないですね



その気になって探したら、葉の陰に翼果がありました。
これは プロペラがやや下がり気味ですね? オオモミジでしょうか?



それとも ヤマモミジの園芸品種でしょうか?


樹名板がありました。

庭木図鑑によると「ノムラモミジはイロハモミジの園芸品種(オオモミジの変種という説もある)」
ということで、翼果も イロハモミジ風のこともあれば オオモミジ風のこともある、ということでしょうか "(-""-)"





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