外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

価格破壊

2010-08-03 21:54:56 | 社会全般
我等がオフ会の相談役であるNさんが、お仕事で上海に出張されています。

私も先月出張いたしましたし、今やあらゆる業種において、上海は身近なビジネス・センターとなりました。

ところで、出張で上海に行く場合、航空券は会社で手配してくれるので、あまり運賃の水準を考えたことがありませんでした。

『東洋経済』の今週号が『格安航空が来襲!』と題して、LCC(格安航空会社、ロー・コスト・キャリアー)の特集を組んでいまして、その中に春秋航空という中国の航空会社に関する記事を読んで、本当にビックリしました。
茨城空港から上海に飛ぶ春秋航空の路線が、キャンペーン価格で座席数限定とは言いながらも、往復で4,000円!

もっとも、私がアメリカ旅行中に日本国内のメディアが大々的に報道したらしく、殆どの同僚たちが既に知っていましたので、私1人が浦島太郎となっていた感じのようです。
このブログをお読みの皆様の多くも、既にご存知なのでしょう。

ちょっと調べてみると、東京都心から茨城空港へのアクセスは、電車で行く場合は、東京駅から1時間40分程度要する常磐線石岡駅から、バスで30-40分で合計2時間20分。

東京駅からの普通列車の電車賃が上野経由で片道1,450円、特急電車を利用すると片道3,060円です。

このように計算すると、東京駅から片道約7,000円で上海に行くことができることになります。

前回の出張で私が利用した成田エクスプレス+全日空の場合には、空港までは約1時間で到着しますが、早めに予約した場合でも片道29,840円が必要となりますから、LCCの航空運賃の破格の安さが分かります。

会社の出張のように、指示があってから直ちに出発するようなケースにLCCを使うのは難しいように思います。
でも、個人旅行においては、LCCを上手に利用して、手軽に海外旅行を楽しむ人が確実に増えていくでしょうね。

国内のプレイヤーたちだけで競っていると、ややもするとムラの論理が働いて、お互いに共存共栄を図るために、価格・料金は高止まりしがちです。
すると、せっかく完成した橋を渡るよりもフェリー利用の方が安上がりであったり、高速道路無料化の試みを鉄道各社が潰しにかかったりします。

でも、春秋航空のような海外のプレイヤーには、ムラの論理が通じません。
そのようなプレイヤーが登場してくれると、多くの国民が「あれ?空港までの特急電車の方が、上海までの航空券より高いじゃないか」と、日本の高コスト体質を初めて実感することになります。

労働人口が減少し、個人所得も減少を続けている状況において、LCCのインパクトは大きいと思いますね。
そして茨城空港以外にも、格安航空会社を誘致したいと考えている地方空港が全国各地に数多く存在しているはずです。

もし、青森や鹿児島、あるいは金沢などの空港からも、片道2,000円で上海や香港に行くことができるようになったら、どうなるか。
そう考えると、例えば新幹線を全国各地に延伸しようという従来型の発想が、いかに無謀であるか、良く理解できると思うのですが。。

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