今朝、仕事に向かう道で小さな男の子とそのお父さんが手をつないで歩いていた。
子供の歩調に合わせてゆっくりゆっくり。まだ言葉もおぼつかないその子は、
「こりぇ、こりぇ」
と指をさしながら声を弾ませる。
その先にあったのは無人野菜販売の大根。店に並んでいるようなまっすぐのものではなく、ちょっと短足、ちょっと不格好な大根だ。
その子はすかさず手を伸ばす。
「触ったらダメだよ~」
触りたいよね…目の前に手の届く所にあるんだもの。
ふたりを追い越しながら、あんな風に娘と手をつないでゆっくりゆっくり歩いていた頃を思い出す。
そう、今は私よりもずっと早足で歩く彼女とのことを…。
☆無人販売を切り盛りしているのは90歳越えの女性(ひと)!☆