いわゆる海外ブランドものにはあまり興味がないわたしだけれど、
ひとつだけ、これだけは身に着けていたい…というものがある。「シャネルNo．19」の香りだ。
ココ・シャネルが、住まいとしていたパリ・ホテルリッツで亡くなる１年前、
彼女の誕生日である8/19にちなんで創られたという香り…。
初めてこの香りを知ったのはいつだったのか…、
その経緯も時も忘れてしまっているし、
友人からは、「え？5番じゃなくて、19番なの？」と
不思議がられたこともある。
でも、他の香りを手にしたとしても、やはりこれに戻ってしまう。
甘くエレガントな香りではない。
かといって、さっぱりという形容が似合うような爽やかな香りでもない。
しばらく乾いた日が続いた後、
まだ芽吹いたばかりの葉をたくさんつけた樹に雨が降りそそぎ、
その水分を一気に吸い、それがパッと空中に放たれたような…。
少しだけ、ちょっとだけ薬っぽいような、いやヘアトニックのような
匂いも含み、誰もが一様に「好き」とは思わないだろう独特の香り。
ちなみに、通販でのシャネルNo.19のＰＲコピーは…、
「グリーンノートのエレガントな爽やかさにアイリス、ヒヤシンス、
ローズの気高さを加え、清々しい上品な大人の女性を思わせる
フレッシュグリーンの香り」
あら…わたしってこんな素敵な女性だったのかしら？
（いえいえ、商品のコピーですよ）
朝自宅を出る前、お昼休みの後、ちょっと疲れたかな…と思った時、
手首と首筋に、少しだけ…ほのかに香る程度につけると、
気分はリフレッシュされる。そんな、なくてはならない香りです。
☆フェルトでできたツリーと一緒に…☆
少し前、偶然にも会社で「におい」とか「香り」に相当する英単語は何があるか？などという話になりました。
perfume,fregrance,aroma,smell,scent,stink,stench…。
ふーむ、こんなにもたくさんあるんだ…と改めて思ったものです。
でも、forge-onさんのおっしゃっている「におい」は、このどれにもあてはまらない、何か長い年月をかけて大切にしてきた「思い出」だとか、「想像」とか「空想」とか…、また「安心感」とかいろいろなものを包みこんでいるのでしょう。
さらに、意識して表現しようとしても、表現できない「何か」がある…。いわゆる五感と言われるもののなかで、その人だけが抱えていて何とも伝えがたいもの…。言葉にできずもどかしい…と感じてしまうもの。それが、においの感覚＝嗅覚のような気がします。
だから、たくさんのことをズルズルと引いてしまうのかもしれません。
そういえば、私を含む多くの友人は、ある場面やあるモノを前にしたとき、「ス～ッ」と鼻で息を吸うことがよくあります。それは、敢えてそうしているのではなく、人間の本能から「におい」を通して何かを感じたい…と無意識のうちに思っているのでしょう。
何やらまとまりのないコメントになってしまいました。
例えば、家の【におい】...というのもありますね..。
その方の住んでいる 屋敷の【におい】....
住んでいる方が、選び・そこにある様々が醸成している【におい】
又は、建物に染み付いている【におい】があったりします。
貸家の場合は、そこに以前に住んでいらした方々の
生活の【におい】、加えてその方々の「生き様」みたいなもの.....
云ってしまえば..「魂のにおい」みたいなもの....を感じたりします。
匂いではなく、臭いではなく、ニオイでもなく、
ここでは、【におい】です。
例えば...、見たり・観たり・聞いたり・聴いたり・触ったり、味わったりの記憶.に残っていることに比べ..【におい】の記憶の
なんとなんと含みの多いことでしょう...
【におい】は、..いろいろの沢山をズルズルと引くのでしょうか？
男性用の香りの七割以上は「fougere（フゼア）」タイプだそうで、これはシダのことだそうです。
ん？シダに香り？と思って読み進めていくと…、
やはりシダにはにおいはなく、「もしシダに香りがあったなら」と想像して創られた香り。
それは、ラベンダーと柑橘類、カシの樹の苔に、
クマリンと呼ばれる合成香料が配合されているそう。
この後、へえ！の内容なのですが、かなり長くなってしまいそうなので、また折りをみて…。
そういえば…女性も男性の香りには敏感です。
時に、苦しい…と思ってしまうことさえあります。
夏、取引先の方が、汗の匂いを消そうとして香りを過剰につけていらしたのには、ちょっと参りました。
でも、個人的には男の人は、わざわざつけることはない…と思っています。ま、前出のように気になって…という場合はさておき、その人が醸し出す雰囲気から漂ってくる香り…それだけでいいのです。
その昔…のくだり、なるほど～と思ってしまいました。
ポアゾン…は、その当時、何とわたしの弟が海外旅行のお土産に買ってきてくれた香りです。
パッケージは、濃いめの緑色でわたし好みの色だったので、
わ、素敵！と嬉しかったものの…、申し訳なかったけれど、その一度きりしか香りを嗅ぐことはできませんでした。
弟は何を間違ったのか…。
時間がなくて、多量に陳列された商品を掴んでしまったのか。
一緒にいった友人（彼女？）のアドバイスか。
はたまた、姉貴、もっと色っぽくなれよ…。という想いからだったのか。
とはいうものの、異国の地で、姉貴へ…と思い浮かべて選んでくれた…それはとても嬉しいことでした。
というより...元来、男の嗅覚は女に比べ敏感なのかもしれない。
なにしろ その昔、男は猟りに出て、動物を求めていたから...。
農耕民族だった我々の祖先も、稲穂の開花に においを感じ...
大きな収穫を目論んでいた筈。
甘くエレガントな香り は知る限り、フローラル系、と呼ばれ、
そうでなければ、19番はシトラス系かもしれない...。
バブル時代の頃、ポアゾン（毒）というフレグランスが世に出て...、
あの香りは一体...........
「誰が調合し、売ることを目論んだ」のだろう..？
いまでも、ごく稀に
街なか やら電車の中 でこの香りに遭遇し、瞬時にあの時代にトランスファ。
「香りの記憶」 は なかなか消えることなく....、だから....00000000。
※そういえば「香道」なんてのもありますね。