咲とその夫

 思いもよらず認知症になった「咲」の介護、その合間にグラウンド・ゴルフを。
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鎌倉河岸捕物控・・・「橘花の仇」

2015-09-24 23:00:55 | レビュー
 
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 これまで、NHKが制作した時代劇シリーズに「居眠り磐音 江戸双紙」、「酔いどれ小籐次留書」、「吉原裏同心」、そして先ごろから読み始めている「鎌倉河岸捕物控」などがある。
 いずれも、時代小説を描いている人気作家・佐伯泰英氏の小説が題材となっている。

 池波小説の大ファンの当方、池波正太郎狂と思っている一人でもある。
 かの小説は、何度でも、何度でも読み返したくなる魅力が満載。
 その中には、天空の星空のごとく人生訓がちりばめられており、そのようなところが池波小説の魅力でもある。

 先ごろ、池波小説に一区切りついたもので、関西在住の娘が贈ってくれた佐伯泰英著「鎌倉河岸捕物控」シリーズの第1巻をやっと手に取った。

 「時代小説好きのお父さんへ、たまには、違った作家の小説もいいのではないかと思い誕生日プレゼントとして贈ります」
 と、今春の誕生日にメッセージ付きの手紙が同封されていた。
 さらに一言。
 「第3巻くらいまで面白くないかも、でも第4巻あたりから時代劇らしくなるから、我慢して読んでね」
 と、あった。

 何しろ、物語の中に引き込まれつつ、人生訓が得られる文体・文脈の小説は、池波小説が一番と思っている。
 今回の佐伯小説はご多分に漏れず、文章が固い、分かりづらい、長文があるなどとっつきにくい部分がある。
 それでも、我慢して読んでいるうちに、この場面は以前NHKでドラマ化されたあのシーン・・と、思いつつ読めるようになった。

 第1巻も最終章の「火付泥棒」のクライマックスに差し掛かっている。
 次は、第2巻だね。
 全17巻のうち、新装版の10巻までが送られてきている。
 先は長い・・・。

 大手酒問屋「豊島屋」に奉公する“しほ”は、今ではすっかり看板娘となっている。
 物語が進むうちに“しほ”の本当の名は、「志穂」ということが分かる。
 「志穂」の父は、武州川越藩の松平大和守直恒(まつだいらやまとのかみなおつね)の家来であった村上田之助である。
 母は、久保田早希と言う。

 その許嫁の早希とともに田之助は、あることが発端で藩を出奔する。
 そして、江戸のさる長屋の片隅で名前を替えてひっそりと暮らしていた。
 ところが、「志穂」の幼いころ両親が亡くなる。
 
 成長して町娘となった「志穂」は、「しほ」と名前を替えて「豊島屋」に奉公している。
 ここは鎌倉河岸と呼ばれる地。
 「しほ」を取り巻く「政次、亮吉、彦四郎」それに金座裏の岡っ引き宗五郎親分。

 次々と起きる事件を紐解く、金座裏の岡っ引きの親分・宗五郎と手先の亮吉。
 さらに呉服屋「松坂屋」の手代の政次、船頭の彦四郎らの活躍が横糸に・・・。

 第1巻では、「しほ」の両親と武州川越藩の過去の出来事が縦糸に、鎌倉河岸界隈の物語が次々と展開する。
 この小説を読み始めている当方、少しずつ江戸鎌倉河岸界隈の出来事に引き込まれつつある。(夫)



[追 記]~解説~
 江戸鎌倉河岸にある酒問屋の看板娘・しほ。ある日、武州浪人であり唯一の肉親である父が斬殺されるという事件が起きる。相手の御家人は特にお咎めなしとなった上、事件の原因となった橘の鉢を売り物に商売を始めると聞いたしほは、無念の思いを募らせるのだった・・・。
しほを慕う政次、亮吉、彦四郎や、金座裏の岡っ引き宗五郎親分との人情味あふれる交流を通じて、江戸の町に繰り広げられる事件の数々を描く連作時代長篇
(出典:「橘花の仇」・解説 細谷正充)



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コメント (6)
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