BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
読んだ本や見た映画、食べた料理、旅先、育児や日常のことなど、趣味をつらつら語ります

雨天炎天

2011-02-13 16:48:20 | 読書感想文
また村上春樹の旅モノエッセイを読みました。
今回はギリシャのアトス半島&トルコ1周。
異色の旅行エッセイでした。
前に読んだ「遠い太鼓」(ギリシャ・イタリア滞在記)の続きみたいな感じです。
何が異色ってかなり内容がハードだからか。
取材旅行みたい。
まずギリシャのアトス半島はキリスト教の巡礼地。
なんで独立した国のような場所。
ギリシャ政府も容認する宗教自治都市なのだ。
村上春樹はここの修道院めぐりをしている。
女人禁制の島・・・もちろん私は一生行けない場所だろうし、とても興味深い。
島の中は歩いて修道院をめぐる。
これがまた雨が降ったりしてきついのだ。
巡礼とは本来そういうものだろうから辛くて当たり前。
修道院によって僧の雰囲気や態度も違ってて、なるほど面白いなぁと思った。
またもう一つのトルコ。
こっちは私も一昨年行っているのでそれを思い出しながら読んだが、村上春樹は私の旅行してない東トルコ、主にイラクやシリアなどと接している地域を車で旅している。
また私が魅力に感じた大都市イースタンブールは嫌いと見てて、ボロクソ書いているし。
それに比べガイドブックにはあまり書かれていない黒海地方をべたほめしている。
私も黒海地方は気になってたので(紅茶がメッチャうまいらしい)この部分は読んでて面白かった。
しかし東トルコのあたりはとにかく危険極まりない。
山賊みたいな反政府組織に尋問されるし、よく誘拐されなかったなぁと思ったり、その辺のドキドキ感が感じられた。
かなり昔の時代のトルコなんで今はおそらくこんなんじゃないだろうなとは思いつつ、もしかしたら今もグルド人問題などはあるのでこうかもしれないと思ったり。
ちょっと暗めの異色エッセイだと思います。

〇雨天炎天 村上春樹 新潮文庫