BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
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萩を揺らす雨

2012-02-24 23:18:30 | 読書感想文
電車通勤のおともになんか本を読みたいなーと久々本屋で物色して、
なんとなく表紙のほのぼのした雰囲気に惹かれて買った小説。
コーヒー試飲サービスを行う器屋「小倉屋」の店主である、お草さんが推理するおばあちゃん探偵推理小説でした。
こういうおばあちゃんが主役っていうのもなかなかないよね。
目線が高齢者なんで、年代の友達が認知症になったり、自分の過去をいろいろ振り返ったり。
やはり長く生きてる分だけ人生経験が豊富というかなんというか、
最後の解説にも会ったんだけど、
お草さんのすごく気になったセリフがあって、
「昔自分を強いと思っていたけど、若いうちに戦争が起きる。兄も妹も亡くす。離婚する、息子も逝ってしまう。家族が病気になる。両親をみとる。歳を重ねても、生きてるとそうしてか大変なことが多くて。」
「弱いと認めちゃったほうが楽なの。力を抜いて少しは人に頼ったり、頼られたり。そうしたら行き止まりじゃなくなる。自然にいろんな道が見えてくるのよ」
という言葉が好きですね。
ほんと長く生きてる人の経験からくる言葉ですね。
若者はそうしても独りよがりで強がったりするけれど、最初から自分を弱いと決めつケチャえば、楽なんですよね。
人生つらいことのほうが多い気がするので、楽なほうにできるだけシフトして考えたほうがいいかも、、、なんて思ってしまった。
この草さんが経営する小倉屋の雰囲気がよくて、私もここにコーヒーの見に行きたい。
そして色々な器を眺めたり、買ったりしたい。
弘前にもこのお店とよく似た店があるので、行きたくなった(そこはコーヒーも販売してて試飲サービスもある)。
●萩を揺らす雨 吉永南央 文春文庫