私が学生時代(高校生)に買ってたLaLaという雑誌に連載されて以来、大好きな漫画です。毎巻コミックスが出るごとに集めてたんですが、あれから十年あまり、最近はめんどくさくて買ってなかったら・・・終わってました。ついこの週末最終巻2巻を無事買って、改めて1巻より読み直してみました。
このお話かなりスケールが大きくて、これは少女漫画か?と思うほど、難しいテーマを扱ってたりするんですよ。(まるで鋼の錬金術師だね)だから、1巻1巻買ってたときは、ちょっと何ヶ月か空くと話が見えなくなってしまったりするのですが、久々に一気に読むと面白かったです。改めてコレを書こうとした作者はすごいなぁと思ってしまった。
もともと作者の清水玲子が大好きで、前作「月の子」も今でもめっちゃ好きです。
月の子がファンタジー系なのに対し、「輝夜姫」は更にダイナミックに、スケールの大きいお話でした。
設定は子供時代に奄美諸島のある島に集められた子供たちがかぐや姫の生贄だったというところから始まり、大人になり実は自分たちは世界の要人達の臓器移植ドナーだったとか、最後にかぐや姫の呪いを解くため、月の石を月へシャトルで飛んで返すというSFは出てくるわ、、、なんでもありでした。
主人公はボーイッシュな女の子=晶なんですが、彼女の美しさに後半はドナー達がお互いライバル関係になるというなんともおいしい話。
晶にいたっては男女関係なく、養母・養父から近親相姦(血がつながってないから性的な関係かな?)をされるわ、一緒に育ったまゆはレズっぽいし、とにかくありとあらゆる人間から愛され(襲われ)まくります。
生贄メンバー(ドナーメンバー?)のミラーとサットンはゲイ的展開があるし、恋愛事情もこの漫画はちょっと少女漫画の枠から超えてます。ま、そういう基準で考えられないほどのお話なんですけど。
でも、ラストはちょっと衝撃。晶がかわいそう。
たしかに人生の最後はミラーに愛されて幸せなんだろうけど、私は由と晶のカップルが大好きだったんで、この二人と碧も一緒に幸せになってほしかった。
中盤あたりから晶が由をどうしようもなく好きでたまらないのが切なくて、碧に嫉妬してるのがわかる気がしました。
いつも由と会う晶は泣いてるしね。
それに比べてミラーは晶が望む欲してる言葉をいつも与えてて、晶が自分で「私は言葉に飢えてたんだ。。。」って気がつくとこが、女だなぁと思いました。
女っていつも言葉に飢えてますよね。
けれど、常に動物的に動く由は晶のその気持ちには気がつかない(っていうか、理解できないかも)。
それでも私は由がやっぱりこのお話の中では一番好き。
人間じゃないからでしょうかね。
かぐや姫と人間の間に生まれた子供で、空を飛ぶことができて、超人的な肉体を持って、自由で何者にも縛られない。
素直でいつも人のいうことを聞く由。
親友の碧が大好きで、碧のことを思うと泣いたり落ち込んだり、言葉も発しなくなってしまう。でも晶もやっぱり好きで本能のまま晶を抱きしめたりしてしまう。
見栄とか、嘘とか、人間の持つ建前やごまかしが一切無くて、とてもシンプルで好きです。
誰も倒せない由のクローンYUIを由が倒す、みんながその美しさに見とれる場面。「由ほど美しい獣を私たちは知らない」という台詞。ゾクゾクしましたね。
でも最後に碧が死んでしまって、由も死んでしまう。
千年も生きたかぐや姫の子供(人間とのハーフ)なのに、同じ天人の倭に殺されるなんて、ええっ!って思ったけど、碧亡き後、生きてる由というのもはっきりいって想像できないので、この結末はやっぱり悲しいけどありなのかなぁと思いました。
なんだかんだいって、由と碧の友情が一番感動しました。初めの頃は恋愛でもないし、なんかなぁ、、、と思ってたんだけど、碧が植物状態になって何も言葉を交わさなくても見詰め合ってるだけでお互いを分かり合える二人の場面を見て、晶ではないけど、割り込むとか二人の中に入るとかそういうレベルのもんじゃないよなぁと思いました。
まゆを救った碧の行動にも感動したし、晶と由との関係、碧と由との関係、そして晶との思いに阻まれて、喘息があるわ、胃がんにもなるし、植物人間にもなるし、一番苦労人はこの人かなぁと思ったりする。
だから碧が死んだ時はほんとに残念でした。まさか死ぬとは思ってなかった。
主要キャラの話はここまでで、ドナーのメンバーもみんな魅力的です。
中でも面白かったのが、ミラーとサットン。
サットンの片思い?でしたが、この二人のやり取りは面白かった・・・!!
けっこう難しいテーマが絡んでる漫画の中で唯一の息抜きみたいでした。
ミラーのイギリス王室の戴冠式の場面はすごかったね。
あの背景といい、すごいアシスタントもがんばったんだろうな、、、みたいな。
ミラーもおいしいキャラでした。
始めはハリウッドスターですごい柄が悪く無口だったのに(顔は良かった)、その次が没落貴族で、実はイギリスの皇太子で最後に英国国王だったし、晶と結婚しちゃうし。後半からますます美しさに磨きがかかって、春蘭ではないけど見とれるよね。
最後に晶のお目付け役「高力士」が好きでした。まさかマギーにあんなふうに殺されるなんて、あんまりだぁ。。。と思ったけど。
清水先生の作品ってどうもハッピーエンドがあんまりないのよね。
まるでアンデルセンの人魚姫のように、悲しくてそして美しいって話が多い。
でもって、「輝夜姫」にいたっては人は殺しまくるし、主要登場人物もだいぶ死んじゃうし、ひでぇ・・・と思ったけど、やっぱり面白くて、すごい話だと思ってしまった。
読み終わった後も引きずってしまい、なかなか「輝夜姫」ワールドから抜け出せません(笑)
絵がきれい。まるで絵画を見てるような漫画です。
このお話かなりスケールが大きくて、これは少女漫画か?と思うほど、難しいテーマを扱ってたりするんですよ。(まるで鋼の錬金術師だね)だから、1巻1巻買ってたときは、ちょっと何ヶ月か空くと話が見えなくなってしまったりするのですが、久々に一気に読むと面白かったです。改めてコレを書こうとした作者はすごいなぁと思ってしまった。
もともと作者の清水玲子が大好きで、前作「月の子」も今でもめっちゃ好きです。
月の子がファンタジー系なのに対し、「輝夜姫」は更にダイナミックに、スケールの大きいお話でした。
設定は子供時代に奄美諸島のある島に集められた子供たちがかぐや姫の生贄だったというところから始まり、大人になり実は自分たちは世界の要人達の臓器移植ドナーだったとか、最後にかぐや姫の呪いを解くため、月の石を月へシャトルで飛んで返すというSFは出てくるわ、、、なんでもありでした。
主人公はボーイッシュな女の子=晶なんですが、彼女の美しさに後半はドナー達がお互いライバル関係になるというなんともおいしい話。
晶にいたっては男女関係なく、養母・養父から近親相姦(血がつながってないから性的な関係かな?)をされるわ、一緒に育ったまゆはレズっぽいし、とにかくありとあらゆる人間から愛され(襲われ)まくります。
生贄メンバー(ドナーメンバー?)のミラーとサットンはゲイ的展開があるし、恋愛事情もこの漫画はちょっと少女漫画の枠から超えてます。ま、そういう基準で考えられないほどのお話なんですけど。
でも、ラストはちょっと衝撃。晶がかわいそう。
たしかに人生の最後はミラーに愛されて幸せなんだろうけど、私は由と晶のカップルが大好きだったんで、この二人と碧も一緒に幸せになってほしかった。
中盤あたりから晶が由をどうしようもなく好きでたまらないのが切なくて、碧に嫉妬してるのがわかる気がしました。
いつも由と会う晶は泣いてるしね。
それに比べてミラーは晶が望む欲してる言葉をいつも与えてて、晶が自分で「私は言葉に飢えてたんだ。。。」って気がつくとこが、女だなぁと思いました。
女っていつも言葉に飢えてますよね。
けれど、常に動物的に動く由は晶のその気持ちには気がつかない(っていうか、理解できないかも)。
それでも私は由がやっぱりこのお話の中では一番好き。
人間じゃないからでしょうかね。
かぐや姫と人間の間に生まれた子供で、空を飛ぶことができて、超人的な肉体を持って、自由で何者にも縛られない。
素直でいつも人のいうことを聞く由。
親友の碧が大好きで、碧のことを思うと泣いたり落ち込んだり、言葉も発しなくなってしまう。でも晶もやっぱり好きで本能のまま晶を抱きしめたりしてしまう。
見栄とか、嘘とか、人間の持つ建前やごまかしが一切無くて、とてもシンプルで好きです。
誰も倒せない由のクローンYUIを由が倒す、みんながその美しさに見とれる場面。「由ほど美しい獣を私たちは知らない」という台詞。ゾクゾクしましたね。
でも最後に碧が死んでしまって、由も死んでしまう。
千年も生きたかぐや姫の子供(人間とのハーフ)なのに、同じ天人の倭に殺されるなんて、ええっ!って思ったけど、碧亡き後、生きてる由というのもはっきりいって想像できないので、この結末はやっぱり悲しいけどありなのかなぁと思いました。
なんだかんだいって、由と碧の友情が一番感動しました。初めの頃は恋愛でもないし、なんかなぁ、、、と思ってたんだけど、碧が植物状態になって何も言葉を交わさなくても見詰め合ってるだけでお互いを分かり合える二人の場面を見て、晶ではないけど、割り込むとか二人の中に入るとかそういうレベルのもんじゃないよなぁと思いました。
まゆを救った碧の行動にも感動したし、晶と由との関係、碧と由との関係、そして晶との思いに阻まれて、喘息があるわ、胃がんにもなるし、植物人間にもなるし、一番苦労人はこの人かなぁと思ったりする。
だから碧が死んだ時はほんとに残念でした。まさか死ぬとは思ってなかった。
主要キャラの話はここまでで、ドナーのメンバーもみんな魅力的です。
中でも面白かったのが、ミラーとサットン。
サットンの片思い?でしたが、この二人のやり取りは面白かった・・・!!
けっこう難しいテーマが絡んでる漫画の中で唯一の息抜きみたいでした。
ミラーのイギリス王室の戴冠式の場面はすごかったね。
あの背景といい、すごいアシスタントもがんばったんだろうな、、、みたいな。
ミラーもおいしいキャラでした。
始めはハリウッドスターですごい柄が悪く無口だったのに(顔は良かった)、その次が没落貴族で、実はイギリスの皇太子で最後に英国国王だったし、晶と結婚しちゃうし。後半からますます美しさに磨きがかかって、春蘭ではないけど見とれるよね。
最後に晶のお目付け役「高力士」が好きでした。まさかマギーにあんなふうに殺されるなんて、あんまりだぁ。。。と思ったけど。
清水先生の作品ってどうもハッピーエンドがあんまりないのよね。
まるでアンデルセンの人魚姫のように、悲しくてそして美しいって話が多い。
でもって、「輝夜姫」にいたっては人は殺しまくるし、主要登場人物もだいぶ死んじゃうし、ひでぇ・・・と思ったけど、やっぱり面白くて、すごい話だと思ってしまった。
読み終わった後も引きずってしまい、なかなか「輝夜姫」ワールドから抜け出せません(笑)
絵がきれい。まるで絵画を見てるような漫画です。