バークレー友子のテニスアカデミー日誌

オーストラリア、シドニーで30年目になるテニスアカデミーでの様子を書いています。よろしくお願いします。

ローチ氏直伝

2005-10-19 13:37:41 | ノンジャンル
 今月の初めに初めてアカデミーに訪れたトニー・ローチ氏だが、最近、ちょくちょく見かけるようになった。今日もファーガソンを連れて半日練習をして行った。
 横のコートでレッスンをしていると、否が応でも気になる。目は自然とローチ氏のコートのいってしまう。そこはやはり、アカデミーの生徒も気になっているようで、何となく見てしまう感じだった。
 そんな生徒のなかでカツがいつの間にか、ローチ氏とファーガソンの練習コートに入ってニコニコ球拾いなぞをしているではないか。あいつ、何やてんだ?と不思議に思って見ていると、友子さんが「カツ君がフェデラーのバックハンドのグリップを知りたいって、そしたら、ビンスがボール拾いをしながら休憩の時にでも聞いて来いって言ったのよ。」と説明してくれた。またまた、ビンスは気を回してくれたらしい。
 なるほど、そいうことか。納得している間に、ついにカツがコートサイドで休憩中のローチ氏に接近。おー何やら、話をしている。遠目にグリップの持ち方を教えられているのが見える。正に直伝。最近、フェデラーの使っているラケットと同じプロスタッフを5本も手に入れ、バックハンドも片手に変え、更にウェアはナイキ。こんなカツにとってこの瞬間、間違いなく今年の重大ニュースNo.1だろう。
 そして、コートを出てきたカツいわく「もう、顔が雪崩れ状態です。どうやっても力が入りません。」そう、彼の顔はコントロール不能の笑顔に支配されていた。相好を崩すというのはことのだ。
 それで、肝心のフェデラーのバックハンドグリップだが、少し厚めのバックハンドイースタンくらいだろうか、人差し指のナックルがグリップの一番上に上に乗る感じ、わからないかな。まあ、そんなところで。
 ところで、ローチ氏について興味深いのは、何というか、その人となりが意外とあっさりして質素なことだ。身につけている物もそうだが、特に持ってくるボールカゴの古さは目を疑う。
 ローチ氏自身の味で十分で、余計な味付けはしないという感じ。その味にフェデラーは魅せられ、自分のゲームに必要な味だと思ったのかも知れない。