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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

受難の相

2020年02月13日 | 研究
1月中旬からいろいろ実験計画を立ててきたハンターズ。
桜咲く4月を待たないで、いよいよ新しい実験をスタートすることになりました。
ところが今年の環境班は従来のビジネス系だけでなく工業系のメンバーも入っています。
新実験は工業系の二人が主になって行う計画ですが
ビジネス系と工業系はまったく違う時間割なので、
なかなか一緒に机につく機会はありません。
また今週末にも工業系の資格試験があるため放課後も補習。
なかなかハンターズの計画通りに行きません。
そこでさすがに、もう時間がなくなってきたので
彼らがスムーズに実験できるようにビジネス系のメンバーが準備を始めました。
内容は土壌の実験。二人の作ったレシピを見ながら、
土や砂などいろいろな材料を混ぜるのですが
分量をはかって作るので時間がかかり、待たされます。
まるでタピオカ店の新人アルバイトのようです。
おかげで準備だけでたっぷり1時間半もかかってしまいました。
それでもなんとか準備完了。いざ明日から開始と覚悟を決めたのになぜか短縮授業。
スケジュールを見落としてしまいました。
とんでもない時間がかかるから昼休みからやろうと思っていたので、これにはショックです。
理由は避難訓練。それも実験予定の課題研究の時間が該当しています。
実験を途中で放り出して、避難訓練などできません。
かといって明日からハンターズは日曜日まで大阪遠征。実験の延期もできません。
おそらく授業では段取りの確認だけをして、
いざ実験は放課後から夜にかけて行うことになりそうです。
ハンターズ。受難の相が出ています。
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幻のテキスト

2020年02月13日 | 
ここに「食農科学」というテキストがあります。
でも文科省にはこのような科目はありません。つまりこれは学校設定科目。
2000年、今から20年前に前任校で仲間と手作りした科目でありテキストなのです。
この科目は昭和初期ごろまで続いていたこの地域の食や風習を体験することで
その背景にある地域の暮らしや文化を学ぼうという
かなりチャレンジした内容でした。ところが生徒には大評判。
手植えの田植えはもちろん、大根を栽培しては寒い中、洗って干したり。
さらにその食材を使ってさまざまな郷土料理を再現して行く学習は
自然の移り変わりを肌で感じられとてもダイナミックでした。
人気の秘密はまだあります。郷土料理を指導してくれるのは、なんと地元のおばあさん。
なべっこだんご、豆しとぎ、そばもち、漬物などの作り方を
手取り足取り教えてくれるのです。学習は秋になるとさらに展開します。
現在の地域特産の食材を使って新しい創作郷土料理を作り
たくさんの先生方を審査員として招き、コンテストを開催するのです。
確か、その時使ったお皿も地元の陶芸家の協力で自分たちで作ったもの。
選択した食材の理由、料理の名前などを女子ならではの
明るく楽しいプレゼンテーションが大会を盛り上げたものです。
そして最後は1年間、郷土料理を指導された地域の皆さんを招き
教わった料理を自力で披露する「披露宴」を開催し、食や文化の伝承を誓ったものでした。
最近は家におばあさんがいない家庭も多いので、この食と農を通したふれあいは
生徒もおばあさんにとっても、とても楽しいものだったようです。
農業経営シミュレーション、起業チャレンジなど
いろいろな学校設定科目を作ってきましたが、この科目は地元メディアはもちろん
全国版の雑誌でも紹介されるなど大きな反響を呼びました。
しかしこの学科はすでに閉科。したがってこの科目も消えてしまいました。
数年前、当時の教科書がないかと家庭科の先生から問い合わせがありましたが
なぜか現物もデータもみつからず、要望に応えられずにいました。
そころが先日、なんときれいな状態の幻のテキストが2冊も発見されました。
あれから20年、地域の風習が消えかけている今こそ、復活させたい科目です。
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