(・・・前回はネオ三種の神器その①についての予想)
[その②] ソーラーパネル
のっけから少し話が変わるが・・・
15年くらい前の頃だと思う。
とあるファミリーマンションのどっかの1部屋に、BSだかCSだかのパラボラアンテナがついたとする。
その時代、そうなるとどうなったか?
すごい勢いでパラボラアンテナが増えていくのだ。
そして数ヶ月のうちに、あっという間に3割~5割くらいの部屋にパラボラアンテナがつくことになる。
NHKのアンテナチェッカーの方々(という職業名ではないけど(笑))は当時きっと笑いが止まらんかっただろうと思う。
車もそうだが、見栄っ張りなヤツらにとっては家というのはリッパな見栄をはりたいという自尊心を満たす役目を果たす極めて重要な存在なのだ。
たかがパラボラアンテナで見栄を張れるという笑っちゃうくらい愚かな時代はあっという間に過ぎた。
さてさて、次は何がくるだろうか?
わたしはそれはソーラーパネル(太陽光発電)だとふんでいる。
その①のハイブリッドカーにつづき、エコ関係でもてはやされそうなモノといったら、何と言ってもソーラーパネルしかないだろう。
あのデカいソーラーパネルが屋根の上にあったらそれこそイヤでもご近所さんの目に留まる。
「オレ様は環境意識の高い道徳的な人物なんだぜ、へへっ!」
と自慢するには、プリウス以上にまたとないステータスアイテムだ。
だが、今の時点ではまだまだ高額な買い物だ。
一戸建て用サイズのものでは目ん玉ひんむくような値段がつけられている。
発電した直流を交流100Vに変換する装置や保護機能もバカにならないので、小型化しても生涯収支がトントン以上になるものはそう簡単にできはしない。
あくまでも理想論としての目標になるが・・・
できればマンションのベランダに取り付けられるくらいのサイズでも、20年くらいでペイするくらいの初期投資金額に収まるのが望ましい。
そうすれば
「オレ様は環境意識の高い道徳的な人物なんだぜ、へへっ!」
と自慢したいヤツらのマンションに一気に普及することになるだろう。
それこそさっきのパラボラアンテナの例じゃないが、マンションのだれか1人がつけたら癌細胞の転移のごとく不気味な勢いで普及していくに違いない。
余談だが・・・
ソーラーパネルというのはハイテク産業のように報道されている。
半導体ではあるからハイテク産業に見えるのも当然だし、国内各社そろって技術開発に力を入れて成果を大々的に発表しているからハイテク産業と言うのは必ずしも間違ってはいない。
しかし!
単に太陽電池を作るだけなら誰でも作れる。
製品としてのコスト競争力はともかく、カネさえあればタダのアニオタのわたしでさえ作ってみせる。
これは決して大げさな話ではない。
単に太陽電池を作るだけならハイテク産業でもなんでもないのだ。
とりあえず日本だけ見ていみよう。
太陽電池は一戸建ての屋根にのせるのがメインターゲットだというように見える。
一戸建ての屋根というのは大した面積ではない。
だから日本用のものはそれなりに高効率な太陽電池を必要とする。
高効率な太陽電池を作るとしたら、特別な材料または高度な技術がいる。
特別な材料はたいてい高額(たとえばSiでなくてGaAs使えば高効率なものがカンタンにできるが値段がべらぼうに高い)だし、高度な技術がいるものは製造工程が複雑(たとえば波長ごとに反応する層を別々に設けた多層構造を作るとか)になっていくからコスト競争力が高くはない。
だから日本で商売になる太陽電池は高い。
その代わり、かなりイイモノが手に入りはするが。
対して外国。
日本以外の世間では、ソーラーパネルというと事業用の大面積のものがふつうである。
そもそも日本ほど土地に不自由していない。
だから広大な敷地を用意できる。
さっき書いた発電した直流を交流100Vに変換する装置や保護機能、これも広大な敷地のなかに全部で1個デカいのを設置すれば良いので、コストをかなり下げられる。
太陽電池そのものの要求も、効率は二の次でいいからとにかく発電量あたりのコストが安いものをよこせということになる。
コストを下げるには、カンタンな生産ラインでジャンジャン大量生産するのが王道だが、それではメイドインジャパンの太陽電池ほど効率の良いものはできない。
けどそんなことはどーでもいい。
砂漠の真ん中では土地代なんてタダに等しいのだから。
ここまで読んだ人のなかで気付いた人がいるかもしれない。
某家電メーカーでは
「設置面積あたりの発電量世界No.1」
だと宣伝しているが、このメーカーのシステム一式は他社よりかなり割高である。
発電量あたりのコストで計算してもまだ割高である。
そんなものが輸出できるか?
できるわけがない。
日本のような土地に困っている狭い国でかつ多少カネを持っている国にしか売れるはずがない。
しかし残念ながら、既にもうシェア奪還はあきらめてしまい、日本国内のスキマ産業で細々と食いつなごうとしている太陽電池メーカーもかなりの多数にのぼる。
仮にまあ世界に売れそうなものを挙げるとすれば、例えばシャープくらいだろう。
シャープは製造ラインのスケールメリットでコストを下げて世界に勝負を挑もうとしている。
世界ではそういうものしか売れはしないのだ。
もしあなたが環境銘柄ということで太陽電池関連株に投資しようかどうしようか迷っていたとする。
わたしなら
「スケールメリットでコストを下げるのを重視しない太陽電池メーカーに投資するなら、世界市場で敗退するリスクを覚悟しなさい」
と忠告する。
まだアルバックのような太陽電池製造装置メーカーのほうが、現に世界を相手に戦っているわけだから、そっちのほうが何倍も有望だ。
そもそも、iシェアーズのETF「S&P グローバル・クリーンエネルギー・インデックス・ファンド(ICLN)」の構成銘柄には、たったの1%も日本は含まれていないのだ。
これを見たら、いかに日本の太陽電池メーカーが世界からハブられているか、げんなりするほど解るだろう。
(次回、ネオ三種の神器その③について・・・)
[その②] ソーラーパネル
のっけから少し話が変わるが・・・
15年くらい前の頃だと思う。
とあるファミリーマンションのどっかの1部屋に、BSだかCSだかのパラボラアンテナがついたとする。
その時代、そうなるとどうなったか?
すごい勢いでパラボラアンテナが増えていくのだ。
そして数ヶ月のうちに、あっという間に3割~5割くらいの部屋にパラボラアンテナがつくことになる。
NHKのアンテナチェッカーの方々(という職業名ではないけど(笑))は当時きっと笑いが止まらんかっただろうと思う。
車もそうだが、見栄っ張りなヤツらにとっては家というのはリッパな見栄をはりたいという自尊心を満たす役目を果たす極めて重要な存在なのだ。
たかがパラボラアンテナで見栄を張れるという笑っちゃうくらい愚かな時代はあっという間に過ぎた。
さてさて、次は何がくるだろうか?
わたしはそれはソーラーパネル(太陽光発電)だとふんでいる。
その①のハイブリッドカーにつづき、エコ関係でもてはやされそうなモノといったら、何と言ってもソーラーパネルしかないだろう。
あのデカいソーラーパネルが屋根の上にあったらそれこそイヤでもご近所さんの目に留まる。
「オレ様は環境意識の高い道徳的な人物なんだぜ、へへっ!」
と自慢するには、プリウス以上にまたとないステータスアイテムだ。
だが、今の時点ではまだまだ高額な買い物だ。
一戸建て用サイズのものでは目ん玉ひんむくような値段がつけられている。
発電した直流を交流100Vに変換する装置や保護機能もバカにならないので、小型化しても生涯収支がトントン以上になるものはそう簡単にできはしない。
あくまでも理想論としての目標になるが・・・
できればマンションのベランダに取り付けられるくらいのサイズでも、20年くらいでペイするくらいの初期投資金額に収まるのが望ましい。
そうすれば
「オレ様は環境意識の高い道徳的な人物なんだぜ、へへっ!」
と自慢したいヤツらのマンションに一気に普及することになるだろう。
それこそさっきのパラボラアンテナの例じゃないが、マンションのだれか1人がつけたら癌細胞の転移のごとく不気味な勢いで普及していくに違いない。
余談だが・・・
ソーラーパネルというのはハイテク産業のように報道されている。
半導体ではあるからハイテク産業に見えるのも当然だし、国内各社そろって技術開発に力を入れて成果を大々的に発表しているからハイテク産業と言うのは必ずしも間違ってはいない。
しかし!
単に太陽電池を作るだけなら誰でも作れる。
製品としてのコスト競争力はともかく、カネさえあればタダのアニオタのわたしでさえ作ってみせる。
これは決して大げさな話ではない。
単に太陽電池を作るだけならハイテク産業でもなんでもないのだ。
とりあえず日本だけ見ていみよう。
太陽電池は一戸建ての屋根にのせるのがメインターゲットだというように見える。
一戸建ての屋根というのは大した面積ではない。
だから日本用のものはそれなりに高効率な太陽電池を必要とする。
高効率な太陽電池を作るとしたら、特別な材料または高度な技術がいる。
特別な材料はたいてい高額(たとえばSiでなくてGaAs使えば高効率なものがカンタンにできるが値段がべらぼうに高い)だし、高度な技術がいるものは製造工程が複雑(たとえば波長ごとに反応する層を別々に設けた多層構造を作るとか)になっていくからコスト競争力が高くはない。
だから日本で商売になる太陽電池は高い。
その代わり、かなりイイモノが手に入りはするが。
対して外国。
日本以外の世間では、ソーラーパネルというと事業用の大面積のものがふつうである。
そもそも日本ほど土地に不自由していない。
だから広大な敷地を用意できる。
さっき書いた発電した直流を交流100Vに変換する装置や保護機能、これも広大な敷地のなかに全部で1個デカいのを設置すれば良いので、コストをかなり下げられる。
太陽電池そのものの要求も、効率は二の次でいいからとにかく発電量あたりのコストが安いものをよこせということになる。
コストを下げるには、カンタンな生産ラインでジャンジャン大量生産するのが王道だが、それではメイドインジャパンの太陽電池ほど効率の良いものはできない。
けどそんなことはどーでもいい。
砂漠の真ん中では土地代なんてタダに等しいのだから。
ここまで読んだ人のなかで気付いた人がいるかもしれない。
某家電メーカーでは
「設置面積あたりの発電量世界No.1」
だと宣伝しているが、このメーカーのシステム一式は他社よりかなり割高である。
発電量あたりのコストで計算してもまだ割高である。
そんなものが輸出できるか?
できるわけがない。
日本のような土地に困っている狭い国でかつ多少カネを持っている国にしか売れるはずがない。
しかし残念ながら、既にもうシェア奪還はあきらめてしまい、日本国内のスキマ産業で細々と食いつなごうとしている太陽電池メーカーもかなりの多数にのぼる。
仮にまあ世界に売れそうなものを挙げるとすれば、例えばシャープくらいだろう。
シャープは製造ラインのスケールメリットでコストを下げて世界に勝負を挑もうとしている。
世界ではそういうものしか売れはしないのだ。
もしあなたが環境銘柄ということで太陽電池関連株に投資しようかどうしようか迷っていたとする。
わたしなら
「スケールメリットでコストを下げるのを重視しない太陽電池メーカーに投資するなら、世界市場で敗退するリスクを覚悟しなさい」
と忠告する。
まだアルバックのような太陽電池製造装置メーカーのほうが、現に世界を相手に戦っているわけだから、そっちのほうが何倍も有望だ。
そもそも、iシェアーズのETF「S&P グローバル・クリーンエネルギー・インデックス・ファンド(ICLN)」の構成銘柄には、たったの1%も日本は含まれていないのだ。
これを見たら、いかに日本の太陽電池メーカーが世界からハブられているか、げんなりするほど解るだろう。
(次回、ネオ三種の神器その③について・・・)