(↑この絵はガンガンJOKER公式サイトより)
http://www.square-enix.com/jp/magazine/joker/
わたしはジャケ買いが好きだ。
わたしはマンガのジャケ買いが大好きだ。
ジャケ買いとは、作者や作品を全く知らないにもかかわらず外側(ジャケット)のデザインだけで買う行為のことを指す。
マンガでいうと、直感を信じて表紙絵だけで買うことを意味する。
これはどうなのか?
ある意味オススメしかねる。
いいモノを引き当てられるかどうかは確率論でしか語れない。
カネ払うからには確実におもしろいマンガを買いたい。
ジャケ買いはハズレを引く確率があまりにも高すぎる。
しかし!
ジャケ買いはすばらしい。
ある意味、絶対の自信を持ってオススメできる買いかたである。
だれも知らない良作を引き当てたときの感動は他の何にも変え難い。
これはリスクを負って良作発掘にいどむ命知らずの冒険者のみの知る栄光ある世界だ。
最近ジャケ買いで引いた当たりを紹介したい。
ガンガンコミックスJOKERの「黄昏乙女アムネジア」(※1)。
これは言うまでもなく、わたしがジャケ買いしてクソをたくさん引いてしまった中に引き当てたダイヤの魂の灯る作品である。
この作品は中学生の主人公と幽霊の女の子の話である。
幽霊が見えるのは主人公だけ。
それが出会いの始まりだった。
この幽霊の女の子はかわいい。
憑りつかれてもかまわないほど、いや喜んで憑りつかれたいほどかわいい。
かわいいのは人物描写だけではない。
作画も注目に値する。
特にふくらはぎや鎖骨がいい。
この作者のこだわりよう、あなたはそれを感じるだけの眼力があるだろうか。
これを見て思うことがある。
「こんな可愛い子が生きているはずがない」
まさにそう言いたいほどかわいいのだ。
多くの場合、主人公は一般には独占的な立場にある特別な存在として描かれる。
たとえば勇者や王子様のような特別な環境に生まれたとか。
いつのまにかアームズやナノマシンを埋め込まれているとか。
剣技や体術や拳法でだれよりも強いとか。
これはヒーローでありあこがれでもある。
それに対してこの黄昏乙女アムネジア。
この作品では主人公だけが幽霊の女の子を見ることができ、主人公だけが知っている。
これは新しいかもしれない。
これは恋の独占欲を満たす究極の方法かもしれない。
これは萌えの新しいアプローチだろう。
自分だけしか存在を感じられない人というのはどれほどのものなのか、それを想像することすら難しい。
それを垣間見てみようと思う者はこれを買って読んでみるほか手立てはない。
そしてあなたも幽霊に呪われるあこがれをそこで体感してはどうだろう。
【※1 黄昏乙女アムネジア】
ISBN978-4-7575-2655-6
ガンガンコミックスJOKER
めいびい