教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

ヒューミントJリートオープンの不思議

2009-12-16 00:00:50 | 経済/経済/社会
ヒューミントJリートオープン
http://www.capital-am.co.jp/products/pdf/j-r-o_getuji.pdf

↑ヒューミントJリートオープンという投資信託がある。

一見なんの変哲もないフツーの投資信託である。
ところがこれが、なかなか不思議なところがある。

月次報告書をよくよく読んでみよう。
変なところがあるのに気がつく。

> ファンドの現状(2009/11/30)
> 純資産総額 209万円

純資産総額が異常に少ない。
209「億円」ではなくて209「万円」なのだ。

現時点で400~500種類もファンドをあつかっている野村證券のファンドをいくつか見てみればその異常さに気がつく。
野村證券のほうはいくら集まりが悪いファンドでも数10億円くらいの規模はある。
人気があるものなら1000億円くらい売り出しと同時に一瞬で集まる。

それに比べたら、いくら集まりが悪いとはいえ3ケタくらいケタが間違ってるんじゃないかと思うほど集まりが悪い。
209万円だと、お客さん10人もいないんじゃなかろうか。



基本的には投資信託というものは手数料ビジネスになっている。
必ず信託報酬がいくらだと書いてある。
ヒューミントJリートオープンはというと、税別で年率1.65%。
ファンドを買う立場で言えば、アクティブ型で1.65%というのは別段変な値ではない。

ただし、運用者側の受け取る報酬を計算してみると、なんと月額2900円弱にしかならない。
はっきり言って1月あたり30分も仕事していたら人件費だけで赤字になるくらい報酬が少ない。
月次報告書を書いているだけでも絶対に赤字になっている。

ついでに言うと、純資産のうちの30%弱は単に現金で持っているだけになっている。
この30%弱の分はお金を預かっているだけで投資としては機能しておらずムダになっている。
そのプールしているカネの分からも信託報酬を取られてしまうので、実際問題としては投資として機能していない以上に弊害がある。
恐らくあまりにもお客さんの頭数が少ないから、そうやって現金をプールして解約にそなえるしかないのだろう。



> マザーファンド組入上位5銘柄<2009年11月30日現在>

↑ここの項目を見てみよう。
上位5銘柄とか言いながら4銘柄しか書いてない。
時価総額が少なすぎて4銘柄しか分散投資できないのだ。

この4銘柄を1株づつの今日の値段で足し算して純資産比の合計で割り算すると168万円になる。
全体で209万円なので、全部ではないにしろほぼ全部の銘柄で1株づつしか買えていない。
そもそも時価総額の最も高い銘柄を組み込んだとすると1株だけで全体の1/3を上回る額になるため、そもそも1株すら買うことも難しい。
これでは分散投資も何もあったもんじゃない。



ついでにいうと、同じJリートのアクティブファンドでももっと時価総額の低いものも存在する。

三井住友・Jリート・アクティブ・ファンド
http://www.smam-jp.com/fund/pdf/147909m.pdf

↑こちらは純資産総額がさらに少なく、なんと100万円しか入っていない。
しかし構成銘柄を見たら不思議なことにちゃんと分散投資されているし、現金のプールもほとんど持っていない。
これは別にこのファンドに限らず、100万円しか入っていない他のファンドでもほぼ似たような傾向を示す。
為替ヘッジ違いでいろんな種類があって、特定のコースだけ集まりが悪いというファンドもあるかもしれない。それなら分散投資も可能な可能性もある。

たぶんこの三井住友・Jリート・アクティブ・ファンドは本当に100万円しか入っていないのではなくて書きまちがいか何かなのだろうと思う。
もしこれが本当なら、こちらは運用報酬が安いこともあり、運用者側は月額790円しか受け取れないという悲惨な結果になっている(笑)。
実は中身は全部ETFだったというオチだったらイヤすぎるのだが(笑々)。



ジャスダック上場の株には変なのはよくある。
しかし投資信託で変なのはめずらしいんじゃないかと思う。