教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

(笑)日韓単一通貨構想 (下巻)

2009-12-20 00:31:32 | 経済/経済/社会
(・・・前回からのつづき)



これまでデメリットばかりあげてきた。
ではメリットはどれほどあるのだろうか?

ない。
断言する。

ユーロ導入で一番損をしているのは恐らくドイツだ。
国内の景気が悪くて失業率も高いからといって公定歩合を下げようとしても下げられない。
ユーロ圏を鑑みて途上国よりの高めの公定歩合にならざるを得ない。
日韓も同様に、日本だけより景気が悪くてより失業率も高いことになるに違いあるまい。

まだドイツにはユーロ導入するメリットはある。
フランスやイタリアの存在だ。
ドイツマルク・フランスフラン・イタリアリラはもともとハードカレンシー(基軸通貨)だった。
それにドイツ・フランス・イタリアは経済規模が大きい。
ドイツにとっては貿易面でも莫大なメリットがある。

対して日本。
貿易面でメリットがあるか?

ない。
相手の韓国ウォンはハードカレンシーではない。
貿易において韓国ウォンで決済することなどありえない。
日本は対韓国で大きな貿易黒字になっているのだから、そもそも韓国ウォンなど用意する必要性がかなり薄い。

対して韓国。
ハードカレンシーである日本円での決済において非常に大きなメリットがある。
韓国にとって日本とは最大の貿易赤字国であり、どっかから日本円を調達してこないことには貿易できない間柄なのだから。

他に良く言われるメリットとして為替変動リスクというものもあがる。

これも日本にはメリットがない。
韓国ウォンに比べれば日本円のボラティリティー(値の変動の激しさ)はかなり低い。
というか、そもそも日本円はボラティリティーがかなり低いほうだし、韓国ウォンは10年で2度も経済危機になりかけるだけあってボラティリティーはメチャメチャ高い。

日本円の為替変動リスクを抑えるためには、ドルと円が統合するか、円をドルペッグにするしか改善方法はない。韓国ウォンなど意味がない。
逆に考えれば韓国にばかりメリットがあるのも明白である。



あと、EU圏内でのパワーバランスとの差についても語っておかねばなるまい。

歴史的にヨーロッパは大国のみが政治の舵取りを行っているようなところがあり、小国は隣の大国に発言をお願いするような立場にある。
この構造は今でも引きずっていて、EU圏内の小国は自分の発言がほとんど無視される現状に不満タラタラである。
アイルランドでEU大統領新設の国民投票が否決されたのも、これらの言いようのない不満によるところが大きいとされている。

ヨーロッパはずーっとそうやってパワーバランスを保ってきた。
問題はあるにせよ、それでそこそこうまくやっている。

対して日韓。
韓国は「日本を上回る」発言権を持っていないと気がすまない。
これは「日本と同等の」ではなく「日本を上回る」で正しい。
韓国に蔓延する不治の病「日本コンプレックス」によるものが政治にまで影響を及ぼすのだ。

韓国は日本の足をひっぱるためなら自分が損をすることも省みない。
今の大統領は実利主義でだいぶマシだが、前の大統領だったノムヒョンはマジで酷かった。
韓国の国益やお互いの利益というものを考えず、ただ日本を陥れるためだけの外交を行った。
これは国家破綻スレスレに陥った原因の一端をも担っている。

日本人の感覚では
「お互いに仲良くやっていきましょう」
とか
「お互いにメリットがある方法を考えましょう」
とかいうのがフツーだ。

しかし韓国の政治は違う。
日本人の感覚では考えられない外交を行うのが韓国だ。

日韓通貨統合においてEUにおけるドイツのようなイニシアチブを日本が取れると思ったら大間違いなことに注意しなければならない。
場合によっては、韓国は自分で落とし穴を掘って日本の足をつかんでワザと一緒に落ちることを選択する可能性すらあり得るのだ。
そして中国に大きな対価を支払って自分だけ引き揚げてもらい、そして上から日本を足蹴にするところまでやってのけるだろう。



たとえばどう韓国は日本の足をひっぱるか考えてみる。

韓国の行動は常に我々の想像の遥かななめ上を行くので有名だ。
だから予想をあてることはかなり難しい。
とはいえ、現時点で日韓通貨統合後のことを予想するとすれば、たとえば次のような行動が考えられる。

通貨統合後は恐らく造幣局は日韓の両方にそなえることになるだろう。
これはEUでもたぶん同じだと思う。
しかし、まずしょっぱなからして、国民の人数割りとか経済規模とかを考慮せず、1万円札の増刷枚数とかを日本と韓国で折半する格好にさせられるはずだ。
韓国は日本を上回る状況でないと絶対に満足しないからだ。
すでにこれだけでかなりのマイナスになっている。

さらに。
その後になって、韓国は何だかんだ理由をつけて、日本の警告も聞かず、独自の判断で勝手に1万円札の増刷を繰り返すだろう。
一般的には自国通貨を増刷して配りすぎると悪性のインフレになる。
国内にある資産の総量は変わらないのに1万円札だけが増えるからだ。
経済がダメージを負うので、結果的には大した得にはならないどころの騒ぎではなく、マイナスの影響の発生のほうが強くなる。

しかし通貨統合後は状況が違う。
韓国が勝手に増刷したところで、日本経済というバッファがあるおかげで、増刷に見合う悪性のインフレは発生しない。
韓国が勝手に増刷しすぎると、日本と韓国の合計では損するのだが、韓国単体では少し得をするかもしれない。
日本だけが大損こく。

もし韓国がそこまで勝手なことをするようなら、日本は戦争してでも止めさせなければならなくなる。
しかし韓国ならやりかねないと、わたしはそう思うのだ。



ここまで、日韓単一通貨構想は百害あって一利なしだと断言できるだけの説明をしたつもりだ。
百害のうち四捨五入して一利くらいになりそうなメリットを挙げられる人がいたとしたら、ぜひともご意見を伺いたいと思う。