夏至も過ぎて 教室では 冷房温度で もめてます。
「温度を下げて!」と声がすると「寒い~!」とどこかで返事がして、
冷房のスイッチのところに 暑がりさんと寒がりさんが 交替で通うわけで・・・。
どちらの勢力も均衡しているがゆえに、もめるわけです。
とうとう・・・
「先生、勉強できんから温度を下げて」
「あなには暑いの、今、設定は何度?」
「25度 暑すぎ」
「何度にしたいの?」
「20度」
「皆さん、どうしますか?」
「もう~。決まらんから、先生が決めるんよ」
「私が決めていいの? ほんとうに? なんか 特権だなあ~!
では、私には適温なので、このままにしま-す」
「なん でよ~!」
「私は、Cくんの水鼻が止まらないのが心配です。
夏風邪だと思うけど、ほら 今は半袖のTシャツ1枚で居眠りしてるし。
さっき、タオルを肩にかけたけど体調悪そうでしょ」
「AくんもBくんも そのかっこいい上着を脱いだら 涼しくなるかも~」
「寒がりさんは、短パンやミニスカートの上にタオルをかけよう
ジャケットも貸してあげてください~」
「これ使って~」とあちこちで女の子の声がしました。
「先輩がいうには、座席にクールスポットとホットスポットがあるそうですよ。
A君の席はクーラーの風が届きにくくてお気の毒かも。
私の時間は席を変わってみませんか、皆さんで昼休みに調査してみてください。
それから、エコ設定は27~28度が目安。
今年は伊方原発3号機の運転再開の許可を まだ知事が出さないってニュースを聞きました。
節電協力の意識だけは持っていましょうね」
「せんせいは、かわすんがうまいのう」と A君は一言だけ言うと
上着を脱いで 黙ってプリントワークを仕上げました。
置かれた状況は さっきとまったく変わらないのに自己主張を止めたのは
希望が叶わないアンハッピーな気持ちのままでも、
今日のところは、私の提案を受け入れることに折り合いをつけたのでしょう。
サンキュ!