ユングが日が昇り日が沈む、1日を一生に見立てている。
私は早朝に生まれた。
あたりは薄暗く寒く、まだ世界がよく見えない。
午前中、あざやかな光の中で
様々な新しいものが見える、体は温かくなり、よく動き、やる気で満ちている。
正午に太陽はのぼりつめ、午後から傾きはじめる。
午前中と変わらない風景のように見えるが
太陽が背後に回ると、やがて足元から私の影が伸びはじめる。
そして、私は影と向き合う。
自分の死であったり、老後の不安であったり、喪失感や
無意識の中に追いやって、無いものにしてきたものや未解決の問題を
残りの人生でなんとかしたいと望んでいる
夕方 だんだんあたりはくれてきて、
見えるものの輪郭が、赤く眩しく光り始める
その頃には、疲れて腰をおろしている
夕日が海や山の向こうに沈んであたりが闇に包まれる頃
自分の影は見えなくなり、私は死ぬ。