温かくなったので、94歳の伯母を訪ねました。
久しぶりの老人施設からの外出なので、
伯母の好物のバラ寿司を食べに行きました。
施設では、転倒しないように職員さんが見守ってくださり、
動くたびに手伝ってくださるのですが
忙しいスタッフさんの仕事の手を止めて
迷惑をかけてはいけないと考えているのでしょう
「見張ってるから廊下も歩けん」そうですので
おすし屋さんのトイレに立つ時に、ついて行きませんでした。
注文して、お膳が運ばれて、御汁がぬるくなるまで待ちました、
良くない妄想で 「もう、待てない」と探しに行くと
伯母は「トイレの水を流すのが、わからない」と困っていました
「視力が衰えたから文字がよめない」のもあるでしょうが、
自動感知で流れるタイプだったから、経験がなかった!
私がスマホを形として認識しても、使えないのと一緒です。
眼から入った情報が、脳で意味あるものとして認識されているという
当たり前のことを、体感した日でした。
平たく言うと、猫に小判 馬の耳に念仏
何十年も自宅でお茶の教室を続けた伯母に
久しぶりにお抹茶を愉しんでもらいたくて案内した店の
ショーウインドウをみて、母と伯母が選んだのは、おしるこ!!
いざメニューをみながら店員さんに確認すると
おしるこの中に見えた寒天らしきものが「氷」だとわかり
「冷たいのは嫌!」ときっぱりおっしゃるので、三人でお抹茶をいただきました。
お抹茶のあとで、お煎茶と 掌に収まる小さなグラスに「氷抜き」のおしるこを
年配の女性が、どうぞ、と運んでこられました。
ご両人がどれほど喜んで
嬉しそうにいただいたかは、ご想像のとおりです
年齢を重ねると、視力に反比例するように
形として見えないものを認識する能力が
成熟してゆけるのかもしれません。