9月5日、静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」に通う河本千奈ちゃん(3才)が、通園バスの車内に取り残されて死亡した。
千奈ちゃんは、発見時、バスの出入口近くに服を脱いであおむけに倒れていたという。車内からは空の水筒も見つかった。
死因は熱中症のうちでも重篤な熱射病だったと。
(以上、主に朝日新聞2022/9/15号から抜粋)
あなたはどう思いますか?
まず、3才のお子さんがどんなに苦しかったか、どんなに悲しかったか、最後には「おかぁーさーん!」と叫ぶこともできずに息を引き取っていったそのもだえ、あがき・・・・・、あなたは涙なしに振り返ることができますか。
多くのマスコミ報道などは、そして警察の調べも、主に取り上げていくのは園の管理体制や職員の確認ミスのようです。
「降車時の確認を」、「複数の眼で確認し点検記録項目のチェックを」、「複数の職員の思い込みや怠慢などのミスが重なり事故を招いた」…などと。
果たしてそうでしょうか?
子どもたちが置かれた環境はもっともっと深刻なのではないですか?
例えば、当日のバスの運転手が73才の園長の代理運転だったこと、添乗員は70才台の女性派遣職員だったという。
これで朝の忙しい時間帯、安全優先だったと言えるんですか?
私たちの暮らしている日本では、大切な子供たちがこのように粗末に扱われている??
子どもたちは、しごく当然のことですが自分で食費や生活費を稼ぐことはできません。
子どもたちが「健康で文化的な生活」を送れるようにするのは社会の責任なのです。
憲法にも書いてあるでしょ。
ところが、子どもたちは、今、どんな環境に置かれているのでしょうか?
それを如実に示したのが、今回の河本千奈ちゃんの悲劇だったのではないでしょうか?
日本は世界の資本主義国の中でもアメリカに次ぐ経済大国です。
そして、それが今や軍事力(軍事費の比較)でも世界のトップ5に入っているのだそうです(憲法改悪が進んでいる!!)
なのに、政府・与党はさらに「軍事費を5年で倍増にしなければ」と言う。
国民を可処分所得の順に並べ、その真ん中の人の半分に満たない状態を「相対的貧困」と呼ぶそうです。
親子2人世帯なら月額14万円以下、
日本の子どもたちの7人に1人がこの相対的貧困に苦しんでいるという。
これでは、食事も、医療も、教育もままならないのではないでしょうか?
(「日経新聞」2020/7/17号と「日本財団」の「子どもの貧困対策」参照)
子どもたちの不幸度の証しともいえる児童虐待も凄まじい。
21年度は、全国の児童相談所が対応した子どもへの虐待相談が20万7659件(過去最多)、虐待による死亡が全国で77人だったという。
これが日本の実像なのです!!
中国やロシアとの戦争準備のために、毎年何兆円もの軍事費を使おうとするのではなく、
まずもって
子どもたちにこそ充分で楽しい食事を、
子どもたちにこそ望むだけの教育を、
子どもたちにこそ進んだ医療を!
子どもたちは「健康で文化的な生活」が保障されているんでしょうか?
子どもたちにこそ平和な生活を!
私の切なる願いです。
本当の平和とは、子どもや民草(たみくさ)のふだんの生活が平和なことではないでしょうか?
あなたはどう思いますか?