これは同じく「リスクコンサル・ネット」を担っているKさんの報告です。
6月30日、山形から一緒に行きました。働きながら小学生の子どもを育てているガンバリ屋さんです。
彼女が、石巻での交流や大川小学校跡の訪問から感じたことを書いてもらいました。
普段から命の話をしよう
リスクコンサル・ネット会員:K
日々、生活に追われ、あれほどこわい思いをした地震や津波の記憶が薄れています。
特に私は、身のまわりにあの地震や津波でなくなった人もおらず、家が倒壊した、仕事を失った、など普段の生活が継続できなくなったという人もいません。
いまだ収まらない原発でさえ、最近では、アベノミクスの経済効果や参院選の話題にかき消され、毎日毎日沸きだしてくる世界の出来事に埋もれてしまっています。
今回の、被災地・石巻を訪問する機会は、わたしに、2年前、「決して忘れてはいけない」と思ったこと、それなのに忘れてしまったこと、をはっきりと思い出させてくれました。
税理士でもある庄司慈明さんの話は、午前中2時間という短い時間、自らも避難した避難場所の現地対策本部長として活動した中での、その激しく強い記憶と後悔の思い、人の本能に対する驚きと感謝、そしてこれから社会が行うべきこと、自分がその役割を市議会議員として果たしていこうという強い気持ち、をお話いただきました。
その話を聞く中で、わたしは、先にも述べた「決して忘れてはいけない」の内容を思い出したのです。
「普段から、命の話をしよう」 でした!
人間は普段から、現状より悪くなることを想定して生きていない。こんなことあるといいな、と現状より良くなることを祈って生きている。
普段はそれでもいいもしれない。しかし災害時には、普段から最悪のことを想定して備えておくこと、正しい情報から想像をし、的確に判断する力、が命をつなぐことになる。
~今回のこの地区で言えば、
大きな地震がきたら、以前あったように津波が来るかもしれない。
津波がきたとき、みな居場所が離れているかもしれない。
そのときそれぞれどこに逃げるか?逃げる場所の判断基準は?
そこは安全なのか?まちがいなく海面よりはるかに高いのか?
それぞれが判断して避難する。他の家族のことはお互いを信じて助けに行かない。
おちついたら○○で会おう。
・・・ といったことを普段から、家族で話合い、決めておくことが必要だと。
自分の命を守ること。それが家族みんなの命をつなぐことになるのだと。
午後から、大川小学校跡を見学しました。光景は実際に行って見てほしい。
わたしも1人の子どもをもつ母親として、震災直後の姿を想像するにあまりにも胸が
痛く、改めて「普段から、命の話をしよう」の言葉を心に刻みました。
(2013年6月30日 石巻を訪問して)