ようやく18巻までたどりついた。
これは面白い。
なかなか時間が空かないので、無理やり時間をつくってる感じだ。今夜も今から(夜中の2時過ぎ)読む予定。明日も身体がだるいに違いない。でも、こうでもしなければ本はなかなか進まない。
否、本を読み進むために読むというよりも、読まずには眠れないから読む。
19巻の大作だから、あと1巻で終わりになってしまう。梁山泊の仲間たちが、きっと次々に倒れていくに違いない。そう考えるだけで切ない。
でも、最後まで読みたい。
中国の宋という国の腐敗に対して、それぞれの具体的な体験にもとづく怒り、憎しみから、「替天行道」の旗を掲げて反乱に立ち上がった梁山泊の仲間たち、読めば読むほどに限りない共感と愛着を深めていってしまう。
だからこそ、この仲間たちの死に衝撃を受けつつも、先はどうなるどうなると引きつけられ、どんなに忙しくても、毎日読まずには一日を終われない。
間もなく、壮絶な敗北に追い詰められるに違いない。
仲間たちのことが心配でしょうがない。だから、この小説が終わらないでほしい。
しかし、あと1巻で終わる・・・!
先日、子どもたちと雪遊びに来た息子にも、この本を薦めてしまった。
「この本を読まずに本を読んだと言うな」とばかりに。
作者は1947年生まれの団塊の世代。きっとそれなりの怒りと反逆の体験があるに違いない。そして、それなりの世界観と哲学がある。
(? この後で、本人の対談集を読んだら、ちょっと持ち上げ過ぎだったような…。キューバ革命にヒントを得ているという話はまだしも、「当時の全共闘世代は『資本論』なんか読んでない」という決めつけにはがっかり。作者と同じ中大生の一人として、一生の課題として『資本論』の勉強を続けた中大生が何人もいるんだぞ、と言いたい。「世界観と哲学」とまでは持ち上げ過ぎだったかなあ…?)
だから、本に深みと生の面白さがあるのではないか。(言い過ぎ?)
これほどに社会を生々しく、鋭く、分析し続けた歴史小説を知らない。
人間の否定すべきものと愛すべきものを、ない混ぜながら描き切った小説。きっと、氏も、そのような人間なのかもしれない。