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日本、朝鮮、中国などの北東アジアを、戦争とテロの「第二の中東」にするな! ⑤世界の二つの潮流:軍事の力と平和の力

2017年10月16日 | 国際・政治・・・世界の平和のために

今、世界は二つの大きな潮流がせめぎあっています。軍事の力と平和の力です。

「軍事の力」派の中心は、際限のない軍事的挑発を繰り返しているアメリカと北朝鮮です。そして残念なことに被爆国日本の安倍政権はこの片割れとなっています。

「平和の力」派の中心は、今年7月7日、国連で採択された核兵器禁止条約であり、これに賛成した国連加盟国193カ国中の122カ国でありその推進力となった国際NGO核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)であり、そしてこの力の源泉は被爆地であり、被爆者のみなさんの事実にもとづく叫びだったのです。今や、この平和の運動が世界を動かすもう一つの潮流となっていることを示したのが10月6日のICANへのノーベル平和賞授与だったのではないでしょうか。

 

[1、軍事の力]

  日本では、安倍首相の「北朝鮮の挑発」「世界中で圧力を」「国難突破」などの叫び声だけが大きく聞こえてきます。明日にも北朝鮮のミサイルが飛んできそうです。声高なスピーカーに惑わされて世界の潮流を見失ってはなりません。

アメリカ・トランプ政権も北朝鮮への圧力強化に躍起です。政治的、経済的、軍事的な圧力強化。とりわけ危険なのは軍事的圧力強化であり、偶発的な核戦争さえ引き起こしかねない状況になっています。

この危機を増幅させているのが北朝鮮の核とミサイルの開発ですが、同時に、アメリカの軍事的脅迫も凄まじいものがあります。韓国聨合ニュースによれば、16日から20日までの予定で韓米両国の合同軍事演習が始まったと報道されています。

これには、米原子力空母など約40隻の軍艦が参加し、戦闘攻撃機、攻撃ヘリ・アパッチ、高機能偵察機ジョイントスターズなど、最新鋭の軍事力が投入されるという。「原子力潜水艦には有事の際に敵の首脳部を排除するいわゆる『斬首作戦』を遂行する米特殊部隊の要員らも搭乗しているとされる」(聨合ニュース)。

[2、人間の常識]

私には理解できないことがあります。

それは、北朝鮮の核開発をこれほどまでに激しく糾弾しているアメリカ・トランプ政権や日本の安倍首相が自国の膨大な核兵器や「核のカサ」を「縮小しよう」と言わないことです。

122カ国の賛成で採択された国連の核兵器禁止条約にすら賛同しないことです。

「お前は核を持つな!」「開発するな!」「いつでも斬首できるんだぞ!」と強大な軍事力で脅す、なのに自分の核兵器は増強を続けている⁉ 

率直に言って、これはヤクザの論理ではないでしょうか?

両国の軍事力の威嚇競争、この結果の偶発的な戦争、核戦争の危機すら目の前に迫っています。

その結果は、北朝鮮をアメリカが支配するのかどうかにかかわらず、2500万もの北朝鮮民衆とそれに匹敵するだろう韓国民衆の惨禍です。

私たちは絶対に、この無謀で愚かな戦争を許してはなりません。

まして、日本がこの戦争に手を貸すことがあってはならないのです。

 

[3、平和の力]

平和のための努力は世界中に広がりつつあります。

平和のために私たちができることは無数にあるのです。

「認識不能なまでに黒ずみ、膨らみ、溶けた肉体の塊となり、死が苦しみから解放してくれるまでの間、消え入る声で水を求めていた、4歳のおいの姿が脳裏によみがえる」。

これは今年3月の核禁条約交渉会議で、広島の被爆者でカナダ在住のサーロー節子さんが英語で証言したものだそうです。(朝日新聞2017年10月8日版より

こうした非人道的な核の本質をまなび、広げることは大きな力となることでしょう。

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が昨春から始めた「ヒバクシャ国際署名」の運動は、今年の9月末までに515万の署名に達したそうです。2020年までに世界で数億人まで増やすのが目標だそうです。

福島などの「3.11ヒバクシャ」の間でも、交流・支援・連帯の運動が始まりつつあると聞いています。

1946年の設立以来、戦争や内乱、テロの激増の下で、世界中の難民の子どもたちを救済し続けているユニセフ(国連児童基金)の活動も広く支持されているのではないでしょうか。

これら一つひとつの活動が、「軍事の力」に対抗する「平和の力」として世界の潮流となりつつある、これは私たちに大きな勇気をあたえてくれるものです。

まずは、被爆国日本こそが「軍事の力」から「平和の力」に目覚め、核兵器禁止条約を積極的に担うように努力していきたいものです。

(この稿 完、20171018)

 

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日本、朝鮮、中国などの北東アジアを、戦争とテロの「第二の中東」にするな! ④安倍政権は和平への扉を閉ざすな!

2017年10月12日 | 国際・政治・・・世界の平和のために

驚いたことに安倍政権は北朝鮮の「挑発行動」を非難しつつも、自らが戦争にまっしぐらとなっているようです。

それを痛感したのが最近の3つのできごとです。

安倍首相は、和平への扉を、ひとつ、また一つ・・・と閉じているのです。

[出来事その1] 「対話による問題解決の試みは、無に帰した」9月20日):

国連総会で安倍首相は「(北朝鮮との)対話による問題解決の試みは、無に帰した」と述べ、圧力を前面に打ち出した。これまでの「対話と圧力」から、事実上の転換ともとれる立場を鮮明にした。(2017年9月22日朝日新聞より)

驚きです、「対話」を放棄してどんな解決策を見いだせるというのでしょうか。武力討伐一直線になってしまうのでしょうか。

そもそも、安倍首相は、いつ北朝鮮との対話に努力をしたのでしょうか? 

「対話と圧力」というスローガンは掲げていましたが、それは「圧力強化一辺倒」を誤魔化すための大風呂敷に過ぎなかったのでは。そして今や誤魔化しの風呂敷も不要になったというのでしょうか。

[出来事その2] 韓国政府の人道支援(約9億円)に日本政府が反対

この報道にわが眼を疑い、北朝鮮民衆の苦しみを思うとき怒りに胸が震えました。

韓国政府が同じ朝鮮民族として決めた人道支援に対して、菅官房長官が「圧力を損ないかねない行動は避ける必要がある」と述べ、「韓国側に対して、慎重な対応を求めていきたい」と述べたというのです。(2017年9月22日朝日新聞より)

同じ朝日新聞によれば、韓国が決めた人道支援の内訳とは、①国連世界食料計画(WFP)の栄養強化事業と、②国連児童基金(ユニセフ)のワクチン・医療品支援事業。いずれも妊婦や児童らが対象だというのです。

このような同じ民族としての人道支援に他国が反対する、今まで聞いたこともない冷酷で無慈悲な隣国への内政干渉です。

このような圧力路線が平和をもたらすのでしょうか? 

戦争への憎悪を煽り立てるだけにすぎないと思いませんか?

[出来事その3] 河野外相が北朝鮮との断交、各国に呼びかけ

同日の朝日新聞に小さく載ったのがこの記事です。

これにもびっくりしました。

9月21日、アメリカのコロンビア大での講演で、北朝鮮と国交を結んでいる各国に「外交、経済関係を断つよう強く要求する」と呼びかけたというのです。

世界の平和と安定のために奔走するはずの外務大臣が、率先して「対立国」との断交を、世界に呼びかける・・・⁈ 

たとえ戦争中であっても、水面下で敵国とも交渉し、より有利な和平の実現に努力するのが外務大臣の仕事なはずなのに、河野外相はまったく逆の方向に突進しています。

ふっと思ってしまいました、こんなにも狭量な対応しかできない日本は「ジャイアン」のようなトランプに付き従う「スネ夫」こと安倍の図式なのかも…と。

第二次大戦に踏み込んでいった時の戦前の日本外交を連想するのは私だけでしょうか?

 

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