安倍首相は2017年6月15日早朝、「共謀罪法案」を強行成立させた。
それも首相の常套句である「熟議の国会」とは正反対の、委員会採決抜きの「中間報告」と呼ばれる異例づくめの強行手段によって。
安倍首相は「東京五輪を控え、テロを未然に防ぐため」と強調するが、果たしてそうか?
私は、安倍首相のこうした強権的・高圧的手法がテロ防止どころか、テロを助長するものだと思う。
今回のことから、私はあのアメリカを思い出してしまう。
「イラクに大量破壊兵器がある」と世界中に喧伝(けんでん)し、世界最強の武力によってイラクのフセイン政権を打倒し、何十万、否それ以上ものイラク国民に犠牲を強いたアメリカ。あの武力攻撃が世界からテロを減少させたのか? 「テロを未然に防止」できるようになったのか?
大量破壊兵器がなかったばかりか、まったくの逆効果であり、今やテロは世界中に拡散しつつあるではないか!
アメリカも、当時、全面協力した小泉元首相も、謝罪の一言もない。驚くばかりだ。
アメリカよ、イラクの民衆に対して、世界の人々に対して、平和を破壊し、戦争とテロを助長した責任を取れ!!
安倍首相に言いたい。
「テロ防止」の最良の対策は゛話し合いと説得”、そして゛格差是正と生活向上”だと。
安倍首相のやっていることは真逆そのもの。
「テロ防止の共謀罪法案」は゛話し合いと説得”によって成立したのか? NO!
庶民の生活は、゛格差是正と生活向上”に向かっているのか? NO!
首相が勇ましい言葉の裏側で、庶民の生活よりも身内へのバラマキに狂奔していることはあの「森友学園」や「加計(かけ)学園」の問題で明らかだ。
国民の中に、格差と生活苦と分断と憎悪を醸成しつつあるのが安倍政治ではないのか。
これがテロの温床だと思う私が間違っている?
2015年2月3日、私はこのブログに「この悲しみが憎悪の連鎖になってはならない(後藤健二さんのお母さん)」という記事を書きました。
「後藤健二さんが虐殺されたことは本当に痛ましく、悲しいことです。二度とあってはならないことです。そして、こうした人間としておこなってはならない蛮行を強行したテロリスト集団に対して、強い憤りをもって抗議するものです。
新聞報道によれば、後藤さんのお母さんの石堂順子さん(78才)は、涙ながらにこう言ったそうです。
『この悲しみが憎悪の連鎖になってはならないと、心から信じております』(2月2日付けの朝日新聞)。
なんてすばらしいお母さんでしょう。それこそ『目には目を!』とばかりに、テロ集団への憎しみをぶつけてもおかしくないのに。・・・」
このブログを、2015年当時、私は次のように結びました。
「二度とこのような不幸をひきおこさないために、そして世界の平和のために、今こそ私たちにできることは何かを考え、行動する時ではないでしょうか? そして、それは、安倍首相が煽りそそのかしているような『テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために、国際社会と連帯してまいります』(2月1日の首相声明から)という憎悪の連鎖とは異質な人間的叫びだろうと思うのです。」