11月23日、荒砥沢ダムに行ってきました。前回は小雨模様で展望台に登れず、ダムの中へは「立ち入り禁止」だったので、肝心の山の崩壊を、この目で見ることができませんでした。
今回は、状況も分かってきたので、事前に現地の管理事務所に「現地見学」を申し込み、別に、民有地の展望台も申し込み、私の他に、60代、20代の友人二人の計3人で向かいました。
20代のKさんは「うちは活断層の上に家があるんだ」「だから、うちの所は坂になってるでしょ、あそこが活断層なんですよ」・・・と、のっけからどっきりする話をしだして、ガゼン真剣な現地見学になりました。
とりあえず、当日撮った写真を何枚か。
日本で最大規模の直下型地震痕と、日本で2番目の地震痕、この二つとも荒砥沢ダムのすぐ上部にありました。
ダム上流の山崩れは、長さ約1300m、幅約800m、最大落差約148mの日本最大規模の大規模地滑りでした。推定崩壊土量は6700万?と言われています。
崩壊土砂の一部約422万?がダム敷地内に流入し、ダム湖面下に約150万?の土砂が流入し、ダム内の津波は高さ6mを越えたと推定されています。
ダムの総貯水容量は1413万?ですから、まともに土石の崩落を受けていれば、ダムはひとたまりもなかったでしょう。自然の猛威の凄さです。(詳しくは、宮城県栗原地方ダム総合事務所のホームページや資料を参照して下さい)
みなさんが、自分の足と眼で確かめに行き、「自分のところは大丈夫か?」と調べることを、ぜひ、お勧めします。自然の脅威を、口で伝えることはできませんから。
それにしても、荒砥沢ダムのある栗駒山は遠い。往復6時間、ちょっと疲れますね。でも、いい勉強になりました。
一番びっくりしたのは、荒砥沢ダムは寒河江ダムと同じ「ロックフィルダム」ということで、コンクリートで固めたダムではなく、土石を積み上げた「地震に強い柔構造のダム」と思っていましたが、いやいや、とんでもありませんでした。
荒砥沢ダムが、「なぜロックフィルダムなのか?」という質問に、「地盤が固い岩盤になっていない。たとえば豆腐の上にコンクリートは乗せられない、そういうことですよ」と。
だから、「コンクリートダムを造れるが、より丈夫なようにロックフィルダムにした」というのではなく、「弱い地盤だからコンクリートダムを造れず、ロックフィルダムにした」と理解しなくてはならなかったのです。
荒砥沢ダムの堤防です。本当に崩壊しなくてよかった!
これはダム周辺の土石です。粘土の塊のようで、蹴飛ばすとヒビが入ってしまいます。「なるほど、豆腐か?」と思ってしまいました。
これらは、まだまだ一部の写真ということで、「山の裏側がもっと酷い」「だけど、今は入れない」ということでした。来年の春には、ぜひとも入ってみようと決意したところです。
山の展望台に登っての写真。友人のOさんとKさん、ちょっとお疲れかも。Kさんは睡眠不足を無理して参加してくれた。
こうして、一人二人・・・と、一緒に現地に足を運ぶ仲間ができるのは嬉しい。心強いものです。