昨年末、久しぶりに尾上の大村さんと会った。
急な用船で船を出してもらったが、相変わらず頼りがいのある人だ。
何も言わないで来てくれた。
こんな職人のような人が、びわ湖では少なくなってきた。
みんな年を取り、引退していく。
大村さんの船も動かなくなったらしい。
古い友人たちも現役を退き、舞台から去っていく。
何となくさびしさを感じるこの頃だ。
一かは自分も本当の意味で引退するのだろうが、それまでにやりたいことがある。
次第に厳しさを増す地球環境の変化から、少しでも生き残れる手立てを次世代に残したいと思う。
相手は巨大であるから、できることは限られているが、何もしないよりは良いだろう。
知恵であったり、技術であったり、宗教であったり、いろいろなことを挑戦しながら人類は生き残ってきた。
しかし永遠ではないのだろう。
体に病気を抱えながら、電話一本で駆けつけてくれる大村さんに、心から感謝している。
自分は彼に何がをしてきたか。
何か貢献できたのか。
安心とは、信頼であり、そこには余計なおしゃべりはいらない気がする。