江戸時代から、日本はアメリカの圧力に弱かった。
1854年3月31日に日米和親条約(日本國米利堅合衆國和親條約)を締結して鎖国を廃止した。
具体的には、日本はアメリカに対して燃料や食料を提供すること、船や乗務員を保護すること、下田・箱館(函館)の2港を開港すること、領事の駐在を認めること、最恵国待遇を認めること、であった。
1858年には、日米修好通商条約を結んだ。
この条約は以下の点で不平等な条約であった。
①関税自主権がない
②領事裁判権
③最恵国待遇
この時代に太平洋沿岸まで捕鯨にやってきていたアメリカに抗する力が日本にはなかったので、一方的に承諾せざるを得なかったのである。
鎖国のもとで独自の文化を育ててきた日本が、他国との戦争で勝ち残ってきた国と争えるはずもなかったのだ。
しかし、もしこれらの条約を締結しなかったらどうなっていたのだろうか。
もっともありうる可能性としては、列国に侵略されたのだろう。
その意味では、江戸幕府は当時における最善の決断をしたのかもしれない。
さて、ひるがえって現在をみるに、同じような状況になっている。
TPPはどうなるのだろうか。
力で押してくるアメリカに対して、果たして日本は抗することができるのだろうか。
この交渉の結果は、どちらに進むとしても、日本の歴史上重要なものとなる。
太平洋のほぼ全域を支配するアメリカと、汎チャイナを志向する中国とのはざまで、日本の立ち位置は江戸時代に重なってくる。
もっとまずい状態なのかもしれない。
身の丈に合ったしたたかな外交能力が必要とされているのだろう。
甘利さんがんばれ。
ただ彼の健康状態が心配だ。
長期交渉になったら彼は持たないだろう。
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写真は、故・白倉一路さんである。
当時県会議員だった白倉さんは、先日亡くなられた板倉さんの膳所高校の同級生だった。
私たちは一緒に「遊湖の会」を組織して、無人ソーラーボート大会を開催していた。
やんちゃな先輩が二人も早逝された。
残念でならない。
強かで、嫋やかな日本人がいなくなっていく。
遊び心をもってアメリカと交渉すればよいのだ。
現代の国際交渉は、一種のゲームだから。