驚くような事件だ。
信じられない。
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東京都内の公立図書館で、所蔵する「アンネの日記」や関連する本のページが破られる被害が相次いでいることが分かりました。
被害は、7つの区と市の36の図書館で少なくとも280冊余りに上り、届けを受けた警視庁が器物損壊の疑いで捜査しています。
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どうも最近、我が国において全体主義的な傾向が増えてきているような気がする。
政府関係者の言動にしてもそうだが、個人の主張と公序が混雑されつつある。
かつて我が国はナショナリズムのもとに黒い利権構造がはびこり、隣国にまで踏み込んでいった。
今の社会体制の中に、同種の兆候を感じているのは私だけだろうか。
オリンピックを見ていてもわかることだが、多様な文化を認め相互の交流を図ることが、最終的に自己の国家や民族の繁栄につながることを忘れてはならない。
日本の将来が非常に心配だ。
第2次世界大戦の頃、オランダ国民はナチの迫害から懸命にユダヤの民を守ってきた。
日本人の中にも、同様にユダヤ人の亡命を助けた人々がいた。
これらは単なるヒューマニズムの問題ではなく、人類存続の根源にかかわる問題だろう。
気に入らなければ破棄する、という行為の中に異常さを感じる。
「はだしのゲン」閲覧制限に関する問題ともつながる気がする。
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漫画「はだしのゲン」について,松江市教育委員会が2012年12月に松江市内の市立小中学校に対して閉架措置及び貸出閲覧制限を求めていたことが,2013年8月に報じられた。
この件は,その後新聞,テレビ等のマスメディアも大きく取り上げ,表現の自由,知る権利の保障,表現が子どもの教育に与える影響,歴史認識,図書館の在るべき姿や役割などをめぐって,各所で様々な議論を喚起するに至った。
また作品自体を改めて読み直す動きも起こり,増刷が行われていることも報じられている。
松江市教育委員会は,8月26日に臨時会議を開き,教育委員会事務局の手続きの不備を理由に閉架措置要請の撤回を決定した。
それを受け中国新聞社が行ったアンケートでは,市内の9割の学校図書館で既に開架したか,あるいは近く開架すると回答したと報じられている。
この一連の動きの中で,図書館関係団体が,要望や申し入れ等を行う動きがあった。
(中略)
なお,日本漫画家協会も,8月26日付けで,「本当に守るべきもの(意見書)」をウェブサイトに掲載している。
表現規制につながりかねない出来事が続いていることへの憂慮を表明したものである。
意見書は,
「日本はもっと自国の文化的な多様性を前向きに評価し,その自由さを保証する表現の手段について,可能な限り寛容でおおらかでいてほしいと,強く,強く願う。
そのことこそが,本当に起こってはならない『現実』への警鐘となり得る,と我々は信じているから。」
と結んでいる。
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願わくば楽しく生きていける社会を維持したいものだ。