キンポウゲ科サラシナショウマ属の「サラシナショウマ(晒菜升麻)」。北海道~九州の山野のやや日陰に分布する多年草で8~10月に長さ20~30センチの総状花序に多数の小花を咲かせる。果実は長さ1センチほどの袋果で上部の横には花柱が突起状に残っている。花期には花は四方を向いているが、果実になると皆上向きになる。
高尾山の登山道脇に生育している「クロウメモドキ(黒梅擬)」。クロウメモドキ科クロウメモドキ属の落葉低木で北海道~九州の山地に分布している。東京都レッドデータブックによれば『西多摩・南多摩では丘陵地の林縁や露岩地に稀に生育するが特に丘陵での減少が著しい 区部・北多摩では過去の生育情報があるが現状は不明』との記載がある。この株は極めて貴重な存在のようだ。雌雄異株で5月頃に葉腋に緑色の目立たない花を咲かせ果実は秋に黒く熟す。
長沼公園“栃本尾根”の竹林に生えている「スッポンタケ(鼈茸)」。スッポンタケ科スッポンタケ属のキノコで梅雨~秋に竹林などに発生する。長さ10~15センチで先端に暗紫色の網目状の隆起があり悪臭を放つ。この臭いでハエなどを誘引し胞子を運ばせる。キノコ本体は一日で消滅する。中華料理では白い柄の部分や幼菌を食用に利用するらしい。
神明谷戸では稲刈りがすっかり終わり、刈り取られた株からいくつも“ひつじ※”が伸び始めている。この状態を“ひつじ田※”と呼び俳句では秋の季語になる。その横で刈り取られずしぶとく残っていた「タウコギ(田五加木)」。キク科センダングサ属の一年草で日本全土の湿地や水田で見られる。果実は扁平な楕円形で長さは1センチほど。先端には2本の棘がある。
※ひつじの漢字はのぎへんに魯
南大沢2号緑地に生えている「カマツカ(鎌柄)」。バラ科カナメモチ属の落葉小高木で春に白い5弁花を咲かせ秋に赤い果実を稔らせる。果実は長さ1センチほどの楕円形で中には種子が2~3個入っている。カマツカは晩秋には綺麗に紅葉するが今年は猛暑のために色付く前に多くの葉が落ちていて紅葉を楽しめない。
長沼公園“野猿の尾根道”で見掛けた「キタテハ(黄立羽)」。タテハチョウ科キタテハ属に分類されるチョウで日本では北海道~九州まで広く分布している。夏型はくすんだ黄色だが秋型は鮮やかな黄色~オレンジ色になる。
野津田公園で見られる「ケンポナシ(玄圃梨)」。ウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木で、初夏に枝先に集散花序を出し直径7~8ミリの小さな花を咲かせる。果実は直径5ミリほどの球形だが、花後に果柄が茶褐色の多肉質に熟す。これを齧ると梨の食感があり甘味がある。
ヒユ科アカザ属の「アカザ(藜)」。世界中に広く分布している一年草で日本には古くに中国から渡来したとされている。今では畑の雑草とされるが昔はシロザと共に若芽や若葉などを食用として栽培され、また全草を乾燥させたものが喉痛や整腸に効く民間薬として利用されていた。その茎は軽くて硬く水戸黄門の杖になったという俗説もある。写真は果実で上から見ると直径2ミリほどの5角形に見える。
野津田公園“上の原ススキ草地”に生育している「ヒキヨモギ(引蓬)」。ハマウツボ科(←ゴマノハグサ科)ヒキヨモギ属の一年草でススキなどイネ科植物に寄生するが自身でも葉緑素を持つ"半寄生植物”。7~9月に葉腋に長さ2~3センチの黄色い唇形花を咲かせ果実は長さ2センチほどの蒴果になる。写真は既に種子を散布した後のもの。