現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ウルズラ・ヴェルフェル「お茶の時間」灰色の畑と緑の畑所収

2017-02-02 09:25:51 | 作品論
 戦争中の、どこかの国の小さな村のことです。
 いつものようにお茶の時間をむかえていました。
 そこへ敵の飛行機がやってきました。
 飛行機が去った時、兄は死に、主人公は二度と歩くことができなくなっていました。
 お茶の時間という日常と、死という非日常が、紙一重に存在するのが戦争中の生活です。
 これは遠い過去の事でしょうか?
 それとも、遠い外国の事でしょうか?
 いえ、日本でもそういう状態がこれから起こらないという保証は、まったくありません。
 我々が日常だと思っている平和な生活は、長い歴史の中ではむしろ特殊なことなのかもしれません。
 この生活がいつか非日常な世界にならないように、細心の注意を払わなくてはなりません。

灰色の畑と緑の畑 (岩波少年文庫 (565))
クリエーター情報なし
岩波書店

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 白河桃子「専業主婦になりた... | トップ | 椋鳩十「動物ども」 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

作品論」カテゴリの最新記事