独身で年配の弁護士の男が、後輩の若い弁護士の妻と自宅で浮気をしているところに、「妻が家へ帰ってこない」と取り乱している夫(夫は、妻がいつも他の男と浮気をしているのではと心配しています)から、相談の電話がかかってくる(夫は、先輩弁護士のことをいつも頼りにしています)という非常に皮肉なシチュエーションのお話です。
この電話で、夫から妻の悪口(浮気、自意識過剰、わがままなど)と恋愛時代の想い出(夫は妻に詩(タイトルの「美しき口に、緑なりわが目は」はその一節です。ただし妻の目はすみれ色に近い青です)を捧げたり、妻は夫にスーツを買ってくれたりしました)を聞かされてうんざり(夫とおそらく妻の両方にです)したものの、相談しに彼の家へ来ようとする夫に、妻はもうすぐ帰ってくるから自宅で待っていろと言いくるめます。
いったん電話が終わって何とか切り抜けたと思った(横で聞いていた妻の方はかえって盛り上がっていますが、男の方はかなりさめています)のもつかの間、夫からまた電話がかかってきます。
妻が帰ってきたとの虚言と、それをきっかけにもう一度妻とやり直す(誘惑の多いニューヨークに住んでいるのがいけないので、郊外に一軒家を買って引っ越せばうまくいくかもしれないと思っています)ことを話し合うと言っています。
これにとどめを刺されて、男は妻と浮気を続ける気が完全に削がれてしまいます。