闘え!文庫魂

空手を愛する熱い仲間たち
金沢文庫木元道場生におくるメッセージ

試割り その1

2020年05月25日 | 仲間たちへ
2020.5.25.MON.
皆さん、こんにちは。
今日は第45回目の投稿です。

ある地方大会に私の知り合いが出場するので、応援に行きました。その方は見事に優勝をするのですが、その大会の演武の時のお話です。
 指導員の方がブロックを下段回し蹴りで割るという演武でした。ブロックを置いたまま蹴るやり方で、誰かが支えるやり方では無かったと記憶しています。(固定されていないし、回し蹴りでのブロック割りは当てどころが難しいから難易度が高いなぁ。)
などと考えながら見ていました。演武の指導員が、気合と共に、下段回し蹴りを繰り出しますが、ブロックは割れずに鈍い音と共に試合場に転がりました。見ると演武者の方は足を怪我したようで、とてももういちど蹴るのは難しそうでした。すると、代わりに先生が出ていらっしゃいました。代わりにそのブロックを割ろうと試みるのですが、これがなかなか割れません。正拳、手刀、肘打ちと次々と技を繰り出しても割れません。既に手は血塗れでした。土台を低くして、かかと下段を試みますが割れません。先生はしばらく考えた後、もう一度土台を高くして手刀を構えます。普通に考えると足で割れなかったものを手で割るのは難しいと思うのですが、師範は集中して、気合一閃、見事にブロックを粉砕しました。
 これはホームセンター等で販売されているブロックを、本来、軽量ブロックを求めるところ間違えて重量ブロックを買ってきてしまったようです。外見は同じですが(重さはハッキリ違います。)約3倍の強度があると聞いたことがあります。それでも「絶対に割らずには済ませない。」という強い気持ちに「極真魂」を感じました。
 先生は試合場から降りてくる時に、「あのブロック、買ってきたのは誰だ!」と、少し怒ってらっしゃいました。演武経験の豊富な人はこんな間違えをする事はありませんが、建材の購入を人に頼む時はしっかり指示をしないとこんな事があります。また、ブロックは売っている時は雨ざらしになっているので、表面は乾いて見えても、割ってみたら中は湿っていたという事があります。板やバットはもちろんですがブロックも湿っていると割れにくくなります。最低でも1週間前には購入して、雨の当たらない、風通しのいい場所に置いておくと良いと思います。
続きます。
押忍。

吉岡智