「早寝早起き朝ごはん」全国協議会なるものがあるのをご存知でしょうか?
各地で「早寝早起き朝ごはん」を推進するための運動に取り組んでいる団体や学校も多いと思うが、私ももちろん「早寝早起き朝ごはん」は子供に限らず生活の基本となる大切なことだと思うので大賛成だ。
が、しかーしど~も納得がいかないのが、この協議会の存在だ。
これは先日の童美連理事会でも話題になったので、その時の話を織り交ぜて書くと、協議会では『子供の生活リズムを向上させるための全国的な普及啓発活動が行えるような「子供の生活リズム向上プロジェクト」として予算を確保して
国 民 運 動
として全国展開していく』という。
協議会の発起人に名を連ねるのは文部大臣経験者達だ。
…よくわからん…
予算を取ったっていうけど、何に使うんだろう…。
どんな運動を展開するのか?イベント?
趣旨は立派に見えるけど、結局は天下り先に作った協議会ではないのだろうか?
その予算でどうやらパンフレットは作ったらしい
趣意書には『子どもたちが健やかに成長していくためには、適切な運動、調和のとれた食事、十分な栄養・睡眠が大切です。(それはそうだ)<中略>毎食朝食を取る子どもほど、ペーパーテストの得点が高い傾向にあることが明らかになっています。()』
…ますますわからん…
子ども達の健やかな成長を願いながら、ペーパーテストの得点向上ですかぁ
ひとつの価値観を日本国民一丸となっての国民運動として押し付けるのがそもそも気味悪いけど、この協議会の人達は何もわかってないね。
子供達がなぜ早寝早起き朝ごはんが実行できない状況なのかという社会的背景を全然把握も理解もしてないし、いいことの上っ面だけを押し付けても意味ないというか、運動の趣旨に沿えない家庭はどうなるんでしょうねぇ。
昨日のヤフーニュースにこんなのがありました ↓
<栄養失調児>校長見かねて、こっそり牛乳飲ます
ニュースの内容は、コンビニ経営の親が仕事が忙しくて、子供はコンビニの賞味期限切れのおにぎりや菓子パンばかり食べていたため栄養失調になり、見かねた校長先生が給食の牛乳を校長室でこっそりその子に与えていたというもの。
この親の真意(子供に対する愛情不足による虐待?)はわかりませんが、私個人としての考えでは、コンビニの経営ってものすごく大変だって聞くし、きっと仕事をなんとかしようと夫婦で必死だったんじゃないか…とも思う。
結局のところ一番の被害者は子供だけど、日本だってこういう家庭はたくさんあると思うし、簡単に「早寝早起き朝ごはん」なんて能天気に唱えられない現状があるんじゃないかということだ。
一方、そこまで厳しい家庭状況じゃなくても子供達の大半は、進学のために夜遅くまで塾に行ったり勉強したりしているわけで、必然的に早寝も早起きもできず、朝ごはんもそこそこで登校しなけばならないのが実情だ。
最近では教師の評価基準を有名校への進学率や全国学力テストの得点だけではかると決めた自治体(東京都とかね)もあるけど、協議会の人達は、そういう教育制度にした責任をひとかけらも感じてないに違いない。
政府から健康のための「親子早朝マラソン」や情操教育のための「芋掘り」を強制されて、実際に実行できる家庭がどれだけあるかっての
(これ、協議会が提案してる早寝早起き朝ごはん運動の一例なんだって)
国会では教育基本法改正が争点になってるよね。(愛国心のところ以外に話し合われていることってあるの?よく知らなくてスミマセン)
そこで、愛国心や国際協調がどうこう言う前に今の教育制度をなんとかしてよと思っちゃう。
文化や教育水準が高くて(進学率が高いとかいう意味じゃないよ)、子供達が安全に、それこそ健やかに成長できる国だったら、ことさら愛国心を植えつけなくても自然に自分の国が大好きになると思うんだけどねぇ…。