二つのいのち

　おかしいかもしれないが、命には二つある。
　一つには、血肉のいのち。これが実に不思議なものだ。植物にしても動物にしても、命は成長して大きくなり、子孫を残そうとする。一粒の種籾は水と光と地味を得て、千倍の実を結ぶ。それは命の働きでもある。どんな生産工場でも真似ができない、命の力である。しかし時が来ると、命は終わり、すべて土に還る。例外はない。

　しかし、もう一つのいのちがある。それは霊のいのちである。こう書くと、多くの人からは「The End」と、終わりにされてしまいそうだが、しかしどんな人でも葬式に行って、「死んだら何も無い。すべてが終わり」とは言えないことだろう。人は不滅の霊魂を知ってはいる。しかしこれを日常的に備えようとか、まともに考えようとはしない。しかし霊は現実に存在し、血肉の体は・・・・この永遠の霊の命をゲットするために存在しているのでもあるのだが。だが多くの人々は瞬時瞬時の目の前のものに心を奪われ、顧みようとはしない。

　多くの人が、今からでも血肉の命を、不滅の霊魂に気づき、そのために用いてほしいと、心から願う。　　ケパ