3月15日は知る人ぞ知る確定申告日だ。私は元公務員。それで、源泉徴収票だけを事務に出して終わりだった。退職してもあまり関係がなかったのだが、今年は医療費がかさばって、その控除を受けるためにジタバタした。
いろいろ読んで、調べて、まず用紙を取りに行って来た。一晩かかって確定申告書に記入して税務署に行くと、最近はe-taxが早いとか、確かとかで、そっちに回された。せっかく書いた用紙がムダだった。
そしてやっていると、なんとここ税務署に来たこと自体もムダであった。収入が400万に不足すると申告そのものが不要なのだ。その上、医療費控除は市町村民税で対応するので、今度は市役所本庁舎に行けという。
気を取り直して感謝し、税務署から市役所本庁舎まで走ろうとするが、これは私の全く知らないルートだった。そこで自転車らしく、細い道でも山なりの最短距離を走らせていると、途中で下のような門がある、変わった公園を見つけた。(かつての玄関口。「凌雲」とは世俗の世界から抜け出して、別天地に遊ぶ願い、の意味。ここはかつては東京湾を見下ろす高台で、確かに別天地であったことだろう)
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後で分かったことだが、ここはかつて、凸版印刷の創業者が建てた別荘「凌雲荘」の跡地公園だった。小山を利用した大きめの公園なのに、周囲の道は細く、園内には車が一切置けない。かなり住宅街の奥にあるので、近隣の住民以外にはまず、知られることはない所だ。
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市役所から帰って私は、早速ドルカスを連れ出してもう一度、「凌雲荘」に行った。さっきは通りすがりであったが、中に入ってみると静かで、優雅な別荘らしく風情があって良かった。
園内をひとしきり見た後、二人で「全然大丈夫、全然OKだから」を繰り返し、何度も賛美した。外で歌うって気持ち良い。繰り返すうちに、テンポが合って声が揃い、いい賛美になった。
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神に感謝する、随分申告では引き回されたが、こんな緑地公園を教えられ、幸せな午後のひと時だったから。
ケパ
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