Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

雨のアンナプルナ

2010年08月25日 | Life


カトマンドゥを離れ、50人ほどが乗れる小さなプロペラ機でポカラへ飛ぶ。
右手の窓からヒマラヤ山脈が見える。
絶景かな、というほどはっきりは見えない。
どの山がエベレストなのかももちろんわからない。

30分ほどでポカラに着き、トレッキングガイドと合流する。
ガイドのDさんはネパール語のほかに自分の民族のことばであるネワール語、さらにヒンディー語と英語、そして日本語をとても流暢に話す。
現在、中国語も勉強中というからおどろく。
英語すらおぼつかないわたしは穴があったら入りたい気持ちになる。



きょうはDさんの案内で標高1600メートルにあるダンプスという村まで登る。
もっとも登山口のあるフェディという村は標高1100メートルだから、自分の足で登るのはわずか500メートルほど。
ダンプス村というのはヒマラヤ山脈の西側に位置するアンナプルナ山脈の足もとにあたり、ネパール側からエベレスト登頂をめざす人たちが最初に通る関所のようなところだ。
なぜ関所なのかというと、アンナプルナに登るにはネパール政府の発行する入山許可証と500万ルピー(日本円で約600万円!)が必要だから。
ただし3000メートル程度の足もとをトレッキングする分には2500ルピー(約3000円)でよいらしい。
わたしたちはその爪先あたりしか歩かないので、もちろん許可証も入山料もいらない。
そびえ立つアンナプルナの山々を一目見ようと登りはじめたものの、雨が降ったり止んだりで、残念ながら雲に覆われて見えなかった。
8月は1年間でもっとも雨の多い時期で、本格的なトレッキングのシーズンは秋から冬にかけて。



3時間足らずでダンプス村に到着。
きょうから2日間お世話になる「月の家」という山小屋は、日本のある旅行会社を通じてトレッキングツアーに申し込んだ人専用の宿泊施設だ。
つまりここに泊まる客のほとんどは日本人ということになる。
だがこんな時期に訪れる客は少なく、「2名以上で決行」というこのツアーは結局わたしたち2人だけであった。
日本人客向けにつくられたのであろう五右衛門風呂に入って、きょうの疲れを癒す。
夜はこの地方独特の粟からつくった地酒と、代表的なネパール料理ダルバートタルカリを右手でいただく。

喧噪と無秩序の町カトマンドゥ

2010年08月23日 | Life


ネパールの首都カトマンドゥの第一印象は喧噪と無秩序の町だ。
整備の不十分な狭い道を自動車とバイクとリキシャーと歩行者(ときには牛などの動物も)が、まるで土石流のように流れていく。
流れが少しでも停滞すると、必ず鳴らさなければならないかのように、クラクションの大合唱。
もともと車線なんてないので、前を走る車(あるいはバイク)を追い抜こうとして、隙あらば割り込んでくる。
また交差点でも信号機のないところが多く、これでよく事故らないもんだというくらい、直進と右左折が入り乱れている。
タクシーに乗っていて何度も悲鳴をあげたが、ドライバーは平気な顔で「これがネパールさ」という。
大阪がいかに秩序のある町だったのか思い知る。



町を走るタクシーはほとんどがスズキの軽自動車だ。
だがこれは日本製ではなく、インドで造られたものらしい。
旅行中いろんな人からスズキ(インド製の)はよく故障するので、タクシーを使うのなら日本車にした方がいいといわれた。
カトマンドゥのさまざまな寺を見にいくとき、助言にしたがいトヨタ製のタクシーを選ぶ。
ただし運転の荒っぽさは日本車でも変わらない。



ネパールは正式名をネパール連邦民主共和国というが、古代から現代にいたるまでずっと王制の国であった。
民主化運動がすすみ共和制となったのが、たった2年前である。
それを知るとこの無秩序さやインフラ整備の遅れもいたしかたないかと思う。
現在、農村部からカトマンドゥに流入する人口が爆発的に増えているそうだが、さてこの先この町はどのように変貌していくのか。

世界報道写真展など 雑感

2010年08月12日 | Photography


梅田のハービスHALLへ世界報道写真展2010を見にいく。
この展覧会ではアフガニスタンやイスラエルなどの紛争地で撮られた目を覆いたくなる惨状や、ジンバブエやソマリアの飢えに苦しむ人々の様子が大きな写真パネルで展示されている。
一方で、戦争や暴動のない国々にもさまざまな問題があって、それらが1枚(あるいは数枚)の写真で鋭く切り取られている。
キャプションを読みながら写真を見ていくと、いま世界でなにが起きているのかを垣間見ることができる。
テーマはちがうが同じ写真を撮る人間として、毎年この展覧会は欠かさず見るようにしている。

大阪ニコンサロン大阪では渡邉博史という人の写真展「ラブ・ポイント」と、長棟道雄の「よさこい天国」を見た。
報道写真展との落差に唖然とする。
日本人ってなんとお気楽で平和な人種なのか、自分も含めて。
なにか苛立ちにも似た感情が噴き出す。



夕方、旧友のSとHに会う。
彼らは東京のある会社に勤めるエリートサラリーマンだ。
盆と正月に帰省すると、いつもこうして3人で呑みにいくことが多い。
ひととおり近況報告すると、あとはiPadやゴルフなど当たりさわりのない話に終始する。

Hは世界トップシェアの自動車、Sはその部品などを製造する会社の人間なので、仕事に関することはけっして口にしない。
わたしが2年後のホノルルマラソン出場をめざして毎週ジョギングしてるということは、彼らにはあまり関心のない話だった。
職種がちがうとこうも話題がちがってくるものなのか。

風の中の六甲山牧場

2010年08月11日 | Life


若者4人と六甲山牧場へ行く。
東シナ海に勢力をもつ台風の影響か、雲の流れがものすごく速い。
きれいなロケーションでポートレイトを撮る予定だが、こんなに風が強くてはレフ板も持てない。
すでにわたしの頭髪は爆発している。

レフ板の使い方は大きく分けて2種類ある。
1つは太陽光線によってできた強い影を弱めるフィルインライトとしての働き。
モデルを挟んで太陽と反対側で光線を受けとめ、影を起こす。
もう1つはモデルを日陰に入れて、日向から太陽光線をメインライトとして当てる。
あまり奥の方に入れないで、日陰と日向の境目から少し(1~1.5メートル)日陰に入ったあたりが背景との明暗差をコントロールしやすい。
この場合はモデルの正面からよりもサイド光ぎみにして、コントラストをつけた方が立体感が出る。
文字で書いてもわかりにくいと思うけど。



今さら言わずもがなであるが、ズミクロン50ミリは上品な質感の出る素晴らしいレンズだ。
M8のシャープな画像と相まって、まるで中判カメラで撮ったような、いやそれ以上の描写だと思う。
こんなに柔らかいトーンが出てしかも解像感のあるレンズは、今までわたしが使ったレンズの中にはない。
ヘキサノンもゾナーも良いレンズだが、やはりズミクロンには敵わないな。

贅沢な時間

2010年08月09日 | Life


5時に起床。
早朝ジョギング60分。
黒豆の葉や稲穂についた朝露がキラキラと光ってきれい。

午前中にアルバムを編集。
きのう上書きで失ったページを新たにつくり直し、さらに2ページ編集する。
なんとか立ち直った。

午後から縁側で読書。
大阪では味わえない涼しい風を受け、いつしか午睡する。



甥っ子たちの遊びにつきあい、だらだらと過ごす。
それにしても、人間はいつの時点で底意地の悪い人間性を身につけるのか。
あるいはもともと子供というものは排他的で残酷な生き物なのか。
彼らの遊び方を見ていると、ふとそんなことを感じる。
だが、なにをどう教育(しつけ?)すればいいのか、わたしには皆目見当もつかない。
ただじっと見ている。
不条理な力関係のなかから何を学ぶかは彼ら自身の問題だ。