
友人のKさんと六甲山へ行く。
ロックガーデンから風吹岩を経て、雨ケ峠を越え、七曲りの急斜面を登り山頂へ至る。
数ある六甲ハイキングコースの中でもっともポピュラーなコースだ。
毎年冬に登っているが、夏場に来るのははじめて。
歩きだして数分で汗が噴き出してくる。

雨ケ峠を下った川辺でオカリナを吹く初老の男性

2頭の野生イノシシと出会う. ここではめずらしくない

奇妙な生物を発見. ツチノコのこどもか(体長5~6センチ)

復路は山頂から魚屋道を通って有馬温泉へ1時間半のコース

有馬から阪急バスで梅田に出て、串カツで乾杯. 至福の時
(一口メモ)
夏山のウェアは発汗性がよく、すぐに乾く素材がいいらしい。
スポーツウェアを着た人が多かったのはそのためか。
わたしは綿製のポロシャツだったので汗が乾かず、温泉に入るまで一日中不快であった。
パンツも綿パンやジーンズよりも、伸縮性のあるジョギングウェアのようなものがベターだ。
女性はスポーツ用のレギンスをはいた人が多かった。
シューズはやはり底のしっかりとしたトレッキング用がよい。

知り合いのMさんに借りていたフォコマート1cを返しに行く。
フォコマートというのはライカ製の引伸機で、こいつにフォコターという専用レンズを付けてプリントすると、これまでつぶれて見えなかったシャドー部のディティールがきれいに浮かびあがってくる。
国産の引伸機しか使ったことのないわたしには、まるで魔法のような機械であった。
とくにライカのレンズで撮影したネガを使うと、えもいえぬ美しいモノクロ写真ができるのが感動的だった。
アナログシステムの究極といっていい。
返却のついでにこのフォコマートで焼いたプリントを見てもらう。

残念なのはこれを返してしまうと、もう暗室作業ができないということだ。
「M8→PC→インクジェットプリンター」というデジタルのシステムが一応完成しているので、いまさらアナログシステムにもどる必要もないのだが、あのゆったりとした贅沢な時間のなかから生まれてくる写真には、なにものにも代えがたい魅力がある。
究極のシステムを経験したことは今後の写真制作のプラスになるだろう。

来週末からのネパール旅行に備えて、米ドルが安いうちに買っておこうと思い、ゆうちょ銀行へ行く。
現地ではカードが使えない場所が多いらしいので、とりあえず日本円と米ドルを少しずつ持っていく。
きのうTVで1ドル85円だったのに、きょうの換金レートは88.37円だ。
「ずいぶん安くなってるね」と係の人に聞くと、ゆうちょ銀行独自でレートを決めているとか。
どこでもそうか。
金種を1ドル紙幣ばかりで頼んだら、在庫が95枚しかないという。
しかたないので5ドルと10ドルも混ぜてもらう。

JPEG撮って出しの絵
ジムへ行く道すがらM8でスナップ。
きょうはRAWとJPEGとの同時撮りで、どれくらいの違いがあるのか、比べてみようと思う。
露出は絞り優先のオートとAEロックの併用だ。
結果は見てのとおり。
JPEGの撮って出し(上の画像)は反射光式露出計の特徴をそのまま反映して、明るい空をフレームに入れると1EVほどアンダーになる。
一方、RAWデータをフォトショで開くと、自動現像されて一番上の画像のように適正な明るさになる。
同時に色かぶりも自動補正されるから、ヌケのいいすっきりとした色になっている。

RAWデータをフォトショで自動現像

JPEG撮って出し
赤い垂れ幕を見ると、色味もかなり変わっていることがわかる。
RAW現像した方が赤色が飽和しているように見えるが、情報を調べてみるとそうではない。
じつはJPEGの方がマゼンタ・イエローが飽和していて、その補色である緑色の情報がゼロになっていた。
この色の偏りについてはM8のクセなのかどうか、もっと撮ってみないとよくわからない。
いずれにしてもRAW現像した絵の方が見た目に近い色を再現できている。

RAWデータをフォトショで自動現像

JPEG撮って出し
こちらもJPEGは白色に影響されてややアンダーに写っているが、RAWでは白い衣装が飛ばない範囲でうまく質感を出して現像されている。
ためしにJPEGのデータをトーンカーブで明るく補正し、上の絵に近づけてみた。
すると白の衣装は同じ感じになるのだが、ひだり奥の影の部分が沈んだままで明るくならない。
無理やりトーンカーブでシャドー部を持ち上げても、RAWのようなディティールはでてこない。
つまりM8のRAW撮りは相当に広いダイナミックレンジのデータが記録され、フォトショでの現像によってJPEGの絵よりもかなり広い範囲が再現されるようだ。
先日のモノクロに変換した画像で、シャドー部がつぶれないでよく粘ると感じたのはこういうことだったのか。
これってM8がすごいのか、フォトショがすごいのか。

かつてコニカはフィルムだけでなく、初心者モデルから写真愛好家モデルまで、いろんなカメラをつくっていた。
それらのカメラにはすべてヘキサノンという名まえのレンズがついている。
コニカがカメラの製造から撤退し、事実上さいごのレンズとなったMヘキサノン28ミリF2.8を使っているが、外観がライカのエルマリート28ミリF2.8(第4世代)とそっくりで、調べてみるとレンズ構成もほぼ同じ。
なので、写りもきっとエルマリートとよく似ていると勝手に思いこんで使っている。
はたしてM8に付けて撮ってみると、素晴らしい絵を見せてくれた。
M8のイメージセンサはフルサイズよりも少し小さいので、焦点距離が1.33倍のレンズと同じ画角になる。
つまり28ミリだと約37ミリのレンズと同じということだ。
じっさいにはそんな焦点距離のレンズはないので、ほぼ35ミリだと思って使っている。
水平方向で約53度の画角は自然な遠近感がつくので、風景がらみのスナップに適している。
RAW撮りしたデータを現像するときに彩度を-100にし、露光量を少し絞ってやるだけでこんなに豊かな階調が得られる。
現像したそのままのデータで月光のグリーンラベルに出力してみると、とても美しいプリントができた。
こんなに簡単に高画質のモノクロプリントができていいものか。

こちらはローライのゾナー40ミリF2.8の絵。
シャープさと素直なボケ味とのバランスが絶妙で、お気に入りレンズの1本。
主題を強調したいときにF4くらいの絞りで使う。
なんでもかんでも開放で撮れば名作が生まれると思っている人がいるが、スナップはあくまでも隠し味程度に開けるのがよい。