Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

ナーダム三種目を観る

2012年07月12日 | Life
モンゴル旅行、第七日目。

朝食をたべに食堂へ降りていくと、そこで二人の日本人と出会った。
この1週間ではじめて出会った日本人だ。
一人は昨夜おそくウランバートルに到着し、空港で夜を明かして、たった今このゲストハウスに着いたばかりの男性。
もう一人はモンゴルに10回も来ているという女性。
モンゴル航空は高いので、中華航空で一度中国に入り、そこから長距離バスでモンゴルにやってきたという、かなりの強者だ。
どちらもわたしより少し年上のようである。
日本にもバックパッカーのような旅をする人がまだいるのか。少しおどろく。
革命記念日に合わせてナーダムを見に来たという。

ゲストハウスを出て、とりあえずチンギス通りをどんどん南へ歩き、ザイサン・トルゴイという丘陵をめざす。
そこはウランバートルの市内を一望できる小高い丘で、モンゴルの独立を象徴する記念碑や壁画が飾られている。
でもその壁画というのは、日章旗を踏みつけるモンゴル兵の姿が描かれているものもあって、ちょっと複雑な気持ちにもなる。
つまりここは日本の侵略からモンゴルを守った記念の場所なのだ。



平和橋をわたって少し歩くと左手に中央スタジアムが見えてきた。
大勢の人が集まっているので、なにかやっているにちがいない。屋台の店もたくさん出ている。
どうやらスタジアムではナーダムの本大会がおこなわれているようだ。
入口で中に入るにはどうすればいいか聞くと、係員はあそこに立っている人からチケットを買え、とダフ屋っぽい男を指さした。
その男に値段を聞くと、チケットに書いてあるとおり2000Tg(約125円)だったので1枚買って中に入る。



中では今まさにモンゴル相撲の試合がおこなわれていた。
中央の芝生のフィールドで10組くらいの選手が同時に戦っている。
ルールは相手を倒して地面に背中をつけたら勝ちのようだ。相撲というよりはレスリングに近い感じ。
だが試合のテンポはゆっくりしていて、両者は組んだままあまり動かない。
息があがってくると、審判が二人を離して少し休ませ、ふたたび組ませるというのんびりさ。
双眼鏡でじっと見ていたけど、あまりおもしろくない。もう少しスピード感があればなあ。
ようやく勝った選手は鳥が羽ばたくように両手を大きく広げながら、フィールドを一周してスタンドの方へ帰っていく。
こんな調子でずっとやっているのだから、決勝戦がいつおこなわれるのか予想もつかない。



スタジアムを出ると、となりの会場で弓射の試合がおこなわれていた。
この競技は、75メートル離れたところにある「ソル」とよばれる円筒形の的を40本の矢で射る。
団体戦と個人戦があるらしいが、きょうは団体戦のようだ。
ソルの置いてある場所には、レーンごとに審判が2~3人立っていて、飛んでくる矢をじっと見ている。
矢が命中すると、みんな両手を高くあげて「当た~り~」って感じのかけ声を発する。
そして倒れたソルを起こして、つぎの矢が飛んでくるのを見守る。
こちらも相撲と同様、ほのぼのとした雰囲気であまり緊張感は感じられない。

 YouTubeに動画をアップしました。

さらにべつの会場では大勢の男たちが集まって、妙な節回しの歌をうたいながら奇声をあげている。
的当てゲームのような競技?で、なんかたのしそう。こんなのはじめて見た。
競馬もどこかでやっているのだろうが、残念ながらそれは見ることができなかった。
ハラホルンで地方大会を見たのでよしとしよう。

ナーダムを見たあと、ザイサン・トルゴイへ行く。

さて、いよいよ帰国の途に着く。

旅のカメラについて

2012年07月11日 | Camera
モンゴル旅行、第六日目。

きょうはハラホルンをあとにして、長距離バスでウランバートルへもどる。
朝食のあと、チェックアウト。二泊三日(朝食2、夕食2、ビール2)でたったの26ドルだった。
車でバスターミナルまで送ってもらい、そのうえバスの切符まで買ってもらった。
感謝の気持ちをこめて、少額だがチップをわたして別れる。



長距離バスは10時20分に出発し、途中2回のトイレ休憩(それぞれ10分ほど)をとっただけで、なんと15時半にウランバートルに到着した。
行きは7時間もかかったのに、帰りは5時間ほどだ。
そこから27番の市内バスで市内の中心地にもどり、四日まえに泊まったゴールデンゴビ・ゲストハウスへいく。
あいにくシャワー・トイレ付きの部屋はなかったけど、きれいな一人部屋が空いていたのでそこを借りる。
久しぶりに温水のシャワーを浴び、すっきりしたあと、ノミンデパートへ買い出し。



今回のモンゴル旅行で使ったカメラは、ニコンD7000とニコン1 V1の2台。
出発直前まで迷っていたレンズは、17-55ミリF2.8とマイクロ40ミリF2.8を選択した。(ニコン1は10ミリ付けっぱなし)
40ミリはズームの焦点距離に含まれるので、結局一度も使うことはなかった。
わたしの写真でそんなに接写するような被写体はないということか。

この間アップしているモンゴルの写真で、どれがD7000でどれがニコン1で撮ったものか、わかるだろうか。
画面の画角から判断して、望遠っぽいカットはD7000だが、広角っぽいのはたぶん判別はつかないと思う。
同じニコンなので、色味や全体的なトーンは2台とも同じ味付けになっている。(これは重要なこと)
強いていえば、コントラストの高い方がニコン1で、低い方がD7000である。

撮影時にどのように使い分けているのかというと、「この写真は大きく伸ばしてプリントするとカッコいいかも」と思ったら画素数の多いD7000で、人の多い場所でのスナップ撮影などはハンドリングのよいニコン1だ。
人が多くても観光地やお祭りの会場なら、D7000を振り回してもあまり目立たない。
とにかく、いつもどちらかのカメラを手に持っていて、目についたものを片っ端から撮っていくのがわたしのスタイル。



この1週間、ニコン1を使ってみて、非常によく手になじむカメラだと実感した。
はじめて見たときは、なんだか飾り気のない無骨なデザインだなあと思ったけれど、毎日これを手にしていると、このシンプルさがかえって心地よく感じられるようになる。
とくにカメラ上面のファインダーが少しだけ盛り上がっている部分に、縦位置で撮るとき、ちょうど左手の親指のかかるのがとてもいい感じ。なめらかな触り心地もグッド!
ライカと共通するテイストを持っているといえば、褒めすぎか。それくらいよくできたカメラである。

いよいよモンゴル旅行はあと一日。

旅をとおして見えてくるもの

2012年07月10日 | Life
モンゴル旅行、五日目。

昨夜おそくまで星空をながめていたので、目が覚めたら7時20分であった。
外に出ると空は晴れわたっている。
食堂で朝食をたべながら、きょうの行動を考える。
せっかくハラホルンに来たのだから、モンゴル最古の寺として有名なエルデニ・ゾーを見にいこう。
あとは足の向くままに。

エルデニ・ゾーはいま泊まっているムンフスール・ゲストハウスのちょうど北に位置し、徒歩で15分ほどの距離である。
車の轍がつづく草原をゆっくりと歩いていると、チキチキというバッタの飛び跳ねる羽音と、風の音以外なにも聞こえない。
先週まで大阪で忙しく働いていたのがウソのようだ。
もうなにもかも放っぽりだしてここに住んでもいい、とバカげた妄想が頭をめぐる。



エルデニ・ゾーはきれいな寺だった。
堂内には何体もの仏像とマンダラ図が納められている。
どの仏像がお釈迦さまで、どれが観音菩薩なのか、わたしにはそのちがいがわからないが、みんな福々しい顔つきで、きれいな衣装をまとっている。
アジアのいくつかの国でわたしが見た仏像は、どれもみんな金ピカで極彩色なものが多い。
ネパールのある寺では電飾の施された仏像まであって、キラキラ光り輝いていたのにおどろいた。
それらとくらべると日本の仏像はじつに地味だと思う。顔つきもおだやかで、あまり福々しい顔のものはない気がする。

エルデニ・ゾーの東門を出て、亀石とオゴタイ・ハーン宮殿の跡地を見にいく。
そのあと北の方向へどんどん歩いていくと、遠方に大きなテントが見えた。歓声も聞こえる。
近づいていくと、なんとモンゴル相撲の試合がおこなわれていた。
きのうは競馬で、きょうは相撲が見られるぞ。ラッキー!
ところが係員のような人がやってきて、険しい表情でなにか言っている。
モンゴル語なのでよくわからないけど、どうもここには地元の人しか入れないようだ。
結局、写真を1枚も撮れずに追い出される。残念。



昼すぎにエルデニ・ゾーの西側にある食堂でおそい昼食をとる。
店の看板に4種類のたべものの写真があったので、そのうちの一つを指さし「これ、ください」と注文したら、ないと断られた。
どれがあるのか聞くと、店の人は厨房のなかを指さして「あれだけ」という。
あれというのは「ホーショール」という大きな餃子を揚げたものだ。さしずめモンゴルのファストフードのようなもの。
それを2個と「アイラグ」を1杯たのむ。
アイラグというのは馬の乳を発酵させた飲み物で、一応お酒だがアルコール度は低く、どちらかというとヨーグルト飲料という感じ。
なので、モンゴルでは子供から大人まで幅広く飲まれている健康飲料?である。
これがなかなか旨い。



ところで旅をする目的は人それぞれだが、わたしの場合、旅のいろいろな場面で自分がどう対応するのかを知るのがおもしろい。
はじめて訪れる土地で、ことばもよくわからない人たちと、どうコミュニケーションをとるのか、あるいはとれないのか。
思いどおりにいかないときに、つぎはどういう行動をとるのか。
いつも感じるのは、自分の力なんてたかが知れていて、まわりの人間に助けられて、ようやくなんとかなるということ。
だけど同時に、自分にできることもはっきりと見えてくるので、それが自信となってつぎの行動につながっていく。

それから旅をとおして「日本を知る」ということも大きい。
仏像一体、たべもの一食とっても日本とはまったくちがったものが見られるわけだし、そこから逆に日本の文化が見えてくる。
さらにその国、その土地の習慣や風俗というものがあって、それに直にふれるということが旅の醍醐味だと思う。
たとえばモンゴルのトイレ事情なんて、ガイドブックにはくわしく書いていないけど、遊牧民族はみんな外でするのがあたりまえ。
しかも動物の糞と同様、それは乾燥すると燃料になる。
日本ではありえないことだが、よく考えると非常にエコな生活だと思う。

そういう生活があることを知っていれば、日本での暮らしにもなにか役に立つかもしれないし、少なくとも水や電気をムダ使いすることはひかえようという気持ちになる。
まあ、そんなことは副次的なことだけど。
とにかく自分のことをよく知ろうと思ったら、ひとりで旅に出ることだ。

星空に包みこまれて

2012年07月10日 | Life
7月9日深夜。

きのうは一日中よく歩いて疲れたので、20時半くらいに寝てしまった。
23時まえに妻からのメールで目が覚め、そのあとトイレにいこうと外へ出ておどろいた。
うおお、満天の星空!
昼間は曇っていたのに、日が暮れてから雲のない空になっていた。

空の暗い部分がないくらい星で埋め尽くされていて、その無限の数に圧倒される。
じっと見ていると距離感がなくなってきて、自分がどこにいるのかさえわからなくなる。
あわててカメラを三脚にセットして空に向ける。
12年まえ、南ゴビで星空を撮ったときはうまく写らなかったが、今回はデジカメなのでけっこう写っている。
だけどじっさいに肉眼で見てみないと、この星空のすごさはわからない。
からだ全身が星空に包みこまれる感覚で、なんか気が遠くなるというか、自分の存在もあやふやな感じになる。
これを見るためだけにモンゴルへいっても、きっと後悔しないと思う。
星空を見た興奮で、ますます目が冴えて眠れなくなり、2時ごろふたたび外に出ると、今度は東の空に明るい月が浮かんでいた。



月は太陽の反射光で光っているので、意外に明るくて撮りにくい。
表面のディテールを写そうと思うなら、ISO100で1/250秒、F9~11くらい絞らないと写らない。
これは晴れた日の昼間の露出と同じだ。
上の写真のように感度を上げると月のまわりに盛大なハレーションが発生し、表面のディテールは完全に飛ぶ。

今夜はしずかで最高の夜だ。

駿馬、草原をかける

2012年07月09日 | Life
モンゴル旅行、四日目。

昨夜21時すぎに寝たものの、夜中に大騒ぎする男たちの声で目が覚めた。
となりのゲルに泊まっている人たちが酒を呑んで騒いでいる。
はじめは歌をうたってしゃべっているだけであったが、やがてオオカミのような声で「ウオーーーン」と叫びだしたので、うるさくて眠れない。
その雄叫びは3時くらいまでつづいた。

夜中に起きたにもかかわらず、6時まえに目が覚める。
散歩の途中で羊とヤギの放牧を見る。
羊たちは家のまえの道路をわたり、広大な草原地帯へ足早やにかけてゆく。そのうしろから飼い主が追い立てる。
きっと毎日このような日常がくりかえされているのだろう。
わたしたち外国人が見るとほほえましい光景だけれど、ここの人たちにとってはこれが生活だし、羊たちは彼らの糧であり財産でもある。
早い話が、モンゴルにペットはいないということだ。



昼食は近くの食堂で「ボーズ」という、これまたモンゴルの定番料理をたべた。
これは蒸した肉餃子で、ちょうど中国の小龍包のような感じ。あつあつの肉汁をこぼさないように、ハフハフいいながら食う。
会計のあと、店の人にナーダムはどこでやっているのかを聞く。
すると食堂のわきの道をとにかくまっすぐ東へ行けばやっているというので、どんどん歩いていく。



30分くらい歩くと町並みが急に途絶えて、広い草原が開けた。その向こうに人の集まっているところが見える。
どうやらあそこが会場らしい。
車やバイクや馬に乗って、みんなぞくぞくと集まってくる。
いよいよナーダムの地方大会が見られると思うと、自然と足取りが軽くなり、ニヤついてしまう。



ロープを張ったコースの端で待っていると、モンゴルの国旗をはためかせた先導車がやってきた。
それにつづいて競走馬がつぎつぎとゴールする。
なんと馬に乗っているのは10歳くらいの子供だ。もっと小さな子までいる。(きょうは子供の部だったのか?)
だが、どの馬も相当なスピードで走っていて、子供でもその姿はじつに格好いいものだ。
なかには騎手を振り落として馬だけが走ってくることもあり、大人が数人がかりでその暴走を制していた。



夕方、ツーリストゲルにもどり、全身用のウェットタオルでからだを拭く。
水が貴重なモンゴルの田舎では、シャワーなどないからウェットタオルやウェットティッシュが重宝する。
すっきりしたあと、チェックアウトし、ムンフスール・ゲストハウスへ移動する。
「いまから30分後に行きます」と電話で予約したのに、やはり道がわからず、1時間ほどかかって到着。
ああ、とてもいい感じのツーリストゲルだ。
きょうは一日ホントによく歩いた。ハラホルンの夜は更けてゆく。