上映時間が6時間39分もある「ジョルダーニ家の人々」を観た。
前編が10時半にはじまって14時に一度入れ替えがあり、14時40分からまた後編がはじまって、おわったのが18時すぎだった。
いままで観た映画のなかで最長かもしれない。
観おわった感想は、上質な小説を読了したときの気分に似ている。
久しぶりにいい映画を観た気がする。

舞台は現代のローマで、ジョルダーニ家の人たちを通して夫婦の絆、親子の絆、兄弟の絆、恋人との絆がていねいに描かれていく。
五つの話が同時に進行していくのだが、それぞれの話がとても興味深く、観ているものを飽きさせない。
また、すべての登場人物の個性がくっきりと描かれていて、お互いに愛しあい、ときには憎しみあいながら、その絆を深めていく。
そのストーリー展開に無理がなく、非常にリアルに観ているものの感情が入っていく。
とりわけ、気むずかし屋で繊細な次男ニーノの心のうごきが、わたしの気持ちと共鳴して、ラストシーンでは泣けてしようがなかった。
原題の「LE COSE CHE RESTANO」は、「そこに留まるものたち」という意味であるが、これはジョルダーニ家の棲む「家」そのものを「港」にたとえ、一時はだれも寄りつかぬ港であったが、やがていろんな人たちがやってきて、そこに留まり、あるいは旅立つ。
そういう様子を丹念に描いた物語なのだ。
ある映画解説のサイトでは「エミリー・ディキンソンの詩の一節で、苦しみ、時間、崩壊を生き延びたもの、現実が変化・変容していく中でとどまったものを表している」と原題を解釈している。なるほど、深い。
「ジョルダーニ家の人々」は梅田ガーデンシネマで今月10日(金)まで。
前編が10時半にはじまって14時に一度入れ替えがあり、14時40分からまた後編がはじまって、おわったのが18時すぎだった。
いままで観た映画のなかで最長かもしれない。
観おわった感想は、上質な小説を読了したときの気分に似ている。
久しぶりにいい映画を観た気がする。



舞台は現代のローマで、ジョルダーニ家の人たちを通して夫婦の絆、親子の絆、兄弟の絆、恋人との絆がていねいに描かれていく。
五つの話が同時に進行していくのだが、それぞれの話がとても興味深く、観ているものを飽きさせない。
また、すべての登場人物の個性がくっきりと描かれていて、お互いに愛しあい、ときには憎しみあいながら、その絆を深めていく。
そのストーリー展開に無理がなく、非常にリアルに観ているものの感情が入っていく。
とりわけ、気むずかし屋で繊細な次男ニーノの心のうごきが、わたしの気持ちと共鳴して、ラストシーンでは泣けてしようがなかった。
原題の「LE COSE CHE RESTANO」は、「そこに留まるものたち」という意味であるが、これはジョルダーニ家の棲む「家」そのものを「港」にたとえ、一時はだれも寄りつかぬ港であったが、やがていろんな人たちがやってきて、そこに留まり、あるいは旅立つ。
そういう様子を丹念に描いた物語なのだ。
ある映画解説のサイトでは「エミリー・ディキンソンの詩の一節で、苦しみ、時間、崩壊を生き延びたもの、現実が変化・変容していく中でとどまったものを表している」と原題を解釈している。なるほど、深い。
「ジョルダーニ家の人々」は梅田ガーデンシネマで今月10日(金)まで。