Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

人間の絆をていねいに描く

2012年08月06日 | Life
上映時間が6時間39分もある「ジョルダーニ家の人々」を観た。
前編が10時半にはじまって14時に一度入れ替えがあり、14時40分からまた後編がはじまって、おわったのが18時すぎだった。
いままで観た映画のなかで最長かもしれない。
観おわった感想は、上質な小説を読了したときの気分に似ている。
久しぶりにいい映画を観た気がする。



舞台は現代のローマで、ジョルダーニ家の人たちを通して夫婦の絆、親子の絆、兄弟の絆、恋人との絆がていねいに描かれていく。
五つの話が同時に進行していくのだが、それぞれの話がとても興味深く、観ているものを飽きさせない。
また、すべての登場人物の個性がくっきりと描かれていて、お互いに愛しあい、ときには憎しみあいながら、その絆を深めていく。
そのストーリー展開に無理がなく、非常にリアルに観ているものの感情が入っていく。
とりわけ、気むずかし屋で繊細な次男ニーノの心のうごきが、わたしの気持ちと共鳴して、ラストシーンでは泣けてしようがなかった。

原題の「LE COSE CHE RESTANO」は、「そこに留まるものたち」という意味であるが、これはジョルダーニ家の棲む「家」そのものを「港」にたとえ、一時はだれも寄りつかぬ港であったが、やがていろんな人たちがやってきて、そこに留まり、あるいは旅立つ。
そういう様子を丹念に描いた物語なのだ。
ある映画解説のサイトでは「エミリー・ディキンソンの詩の一節で、苦しみ、時間、崩壊を生き延びたもの、現実が変化・変容していく中でとどまったものを表している」と原題を解釈している。なるほど、深い。

「ジョルダーニ家の人々」は梅田ガーデンシネマで今月10日(金)まで。

色かぶりでメリルに興ざめ

2012年08月05日 | Camera
先日から気になっている「シグマDP2 Merrill」について、価格.comの口コミ情報を読んでいると、どうやらこのカメラには原因不明の緑かぶりが発生するようだ。
画面全体にかぶるのならば、後処理で簡単に補正できると思うのだが、中心部はノーマルで周辺部へいくにしたがって緑色が濃くなるというからやっかいである。
口コミ情報者のなかには熱心な方もいて、自分でいろいろな条件で撮った写真をアップして、どんな場合に色かぶりが顕著で、どんなときには目立たないのかを解説している。
そういうケンケンガクガクが好きな人たちの情報を読むのはたのしいが、作例として貼付けてる写真はお世辞にも上手いとはいえない(なかには上手な人もいるけど)。

その「作例」をすべて見た結果、背景が暗かったり緑や青の場合は緑かぶりはほとんど目立たないが、雲の多い空や白っぽい壁を撮った場合はたしかに周辺部分に緑色がかぶっている。
RAW現像のときにその緑色を補正すると、こんどは中心部分がマゼンタがかって見える。そんな写真もたくさんあった。
そういう目でシグマのウェブページにある実写ギャラリーを見てみると、やはり周辺にうっすら緑がかぶっていたり、中心部がマゼンタ寄りの色調に感じられる写真もある。ほとんどわからないレベルだけど。

この色かぶりをどこまで許容できるか、できないか。
つまり、このカメラは色再現にこういうクセがある、とわかったうえで使えばいいのである。
コンパクト機でこれほどのポテンシャルを秘めたカメラを使いこなせるかどうかは、撮影者の腕にかかっている。
だけど、わたしはたぶん買わないだろうな…D400のために貯金するわ。

こんなに暑くては走れない

2012年08月04日 | Life
先月、NHKの「ミラクルボディ」という番組で、マラソン男子世界記録をもつパトリック・マカウ選手など、ケニアのマラソンランナーがなぜ速く走れるか、という秘密を解き明かしていた。
それによると、彼らは子供のころから裸足で山のなかを走りまわってあそんでいるうちに、フォアフット(つまさき)から着地して飛ぶように走る術を身につけているらしい。
フォアフット走法は通常のかかとから着地する走法よりも、太ももや腰への衝撃・負担が少なく、筋肉に乳酸がたまりにくい省エネ走法だとその番組でいっていた。

つぎの日、さっそくわたしもフォアフットから着地して走ってみた。
が、6キロほど走ってふくらはぎに激痛がはしる。
ふだん使っていない筋肉を急に使ったせいだが、その後1週間くらいは、歩くのもままならない状態だった。
ネットでいろいろ調べたら、フォアフット走法は着地するときのフォームと補助的な筋肉トレーニングが大切だとわかる。
トップランナーが子供のころから身につけた走り方を、素人ランナーがいきなりマネするなんて無謀であった。



結局、2週間まともに走れなくて、7月はほとんど練習ができなかった。
8月に入ってからは走る距離を短くして毎日ゆっくり走っている(もちろん、かかと着地で)。
それにしても暑い!

ファインアート・バライタは生産中止?

2012年08月03日 | Photography
午前10時に部屋の温度計を見たら31℃だったので、愛犬アルタのためにエアコンを稼働させる。
外を見ると猛烈な日射し。これでは外出もままならない。
なので朝からずっとプリントをしている。

きょうはまず、先日奈良で撮ったカットを何枚か選び、A4サイズのプリントから。
ペーパーはピクトランの局紙。
この紙はやや黄色みがかっているので、温黒調でプリントするとノスタルジックな感じになる。
遠い昔の記憶を再現したような、あるいは夢のなかの光景を表現したような。


(上の画像は局紙っぽく見せるために紙白の部分に薄いイエローを乗せていますが、じっさいのプリントでは彩度を0にして完全にモノクロデータで作業します)

調子よくプリントしていたら局紙のストックが底をついたので、ハーネミューレのフォトラグ・バライタに替える。
今まで同社のファインアート・バライタを使っていたのだが、なぜかヨドバシカメラの棚から消えていて、フォトラグ・バライタやパールしかない。
ヨドバシ.comで調べたら、なんと「販売を終了しました」となっているではないか。
ファインアート・バライタはもう生産中止ということか。

ファインアートとフォトラグの紙質は非常によく似ていて、色はヌケのよい純白で、黒がよく締まってメリハリの出るペーパーだ。
ちがいといえば、フォトラグの方がキメが細かく、少しだけ紙が薄い。
キメの荒いファインアートの方が、昔のオリエンタル・ニューシーガルGに近い面質で好みだったけど、もうそんなことを望む時代ではなくなった。



そのあと、モンゴルの写真をフォトラグ・バライタにプリントする。
これが非常にきれいに上がるので合点がいく。
つまり、このペーパーはモノクロプリントもいいけど、カラープリント用なのだな。
高画素化して性能のよくなったデジカメから生成されるデータを、余すところなく再現するための紙がこのフォトラグ・バライタなのだろう。
でも、モノクロのやわらかい階調なら局紙の方がいいと思う。