写真展は11日目。きょうは夕方からパーティーだ。
昼間、早い時間に表現大学のK先生と生徒さんが来られる。
彼らは無言で作品やブックを真剣に観ている。ギャラリー内の空気が張り詰めていて、なかなか声をかけられない。
15分くらい経ったところで、K先生が口を開いた。
「きょうは授業の一環なので、作品解説をしてもらっていいですか?」
そういうことなら、パーティーのあいさつでしゃべろうと考えていたことを、練習のつもりで話しよう。
で、わたしの略歴や今回の作品が生まれた経緯、コンセプトなどを一通りお話しした。
生徒さんのなかに、わたしと同じく学校の先生を辞めて写真家をめざしている人がいた。しかも、わたしが辞めた歳と彼の歳が同じだったので、お互いにおどろいた。
30歳半ばというのは、ちょうど人生の折り返し地点だから、だれでも「こんなことやってていいのか?」「ホントにやりたいことはなに?」という自問自答をするのかもしれない。
だけど、そこで仕事を辞めて、すべてを捨て、リセットできる人間は少数かもしれない。
大半の人はさまざまな理由(しがらみ?)で辞めることができずに、疑問を感じながらも同じことをつづけていく。
どちらが幸せな人生かは、その人の考え方しだいだ。
わたしは一度しかない人生なら、たとえ貧乏でも自分のやりたいことをやって死にたい、という考えである。
そんなことまでは言わなかったけど、その生徒さんもきっと腹をくくって一歩を踏み出したのだろう。がんばってほしい。
表現大の人たちと入れ替わりに、パーティーの準備を手伝ってくれるLさんが来る。いつもありがとう。
すでに飲み物は買ってきて、ギャラリーの冷蔵庫で冷やしてあるので、あとは簡単な食べ物を用意するだけ。
彼女と二人で近くの商店街へ買い出しにいく。
お惣菜屋でおいしそうな惣菜を袋いっぱい買い、スーパーでお菓子類を買う。
さいごに精肉店で揚げたてのコロッケとトンカツをどっさりと買ったら、店のおばちゃんが「サービスしとくわ」といってウインナーの串フライを2本付けてくれた。
1本ずつ食べながらギャラリーにもどる。
買ってきたものを並べて用意をしていると、ほどなく写真茶話会のメンバーが来られる。
さらに写真学校時代の同級生たちもつぎつぎに来廊。何年も会ってなかったMさんやNちゃんも現れ、まるで同窓会のような感じになる。
定刻をすぎたので、とりあえず乾杯して、そのあと一人一人にあいさつして回る。
1時間ほど歓談して、一応、中締めのごあいさつをする。
昼間、表現大学の生徒さんたちに一度しゃべっているので、もう緊張はしない。
と思ったら、白ワインを呑みすぎたせいか、途中で話す内容を忘れてしまって、後半は頭の中がまっ白。完全にアドリブでしゃべる。
ああ、カンペを用意しておくべきだった。
あいさつのあと、同級生のOくんが意見をのべた。
「マツノさんはテクニックがあるのに、それを写真には見せないで、ストレートに情熱をぶつけてくる。そこがいい」うれしいこと、いってくれるね。ありがとう、Oくん。
そのあとを写真茶話会のSIGN氏が請けた。
「この写真展はマツノさんの崩壊していく過程を見せていて、これから再生していくという決意だと感じた」
さすがはSIGN氏、わたしの写真をよく見てくれている。まだ崩壊の過程なんだ。これから再生するのか。たのしみだな。
さいごにPさんが「次回の写真展に向けての展望を聞かせてほしい」と質問された。
わたしは「つぎもREBORNです。本当の意味での再生を撮ります」と答える。これは酔った勢いでいったのではなく、本当にそう思っている。
頭の中にはもうイメージもある。撮りたいものもあるし、その撮影に使うカメラまで決まっている。あとは撮るだけ。
今回やりたかったことは全部やったので、また新しいことをやって進んでいくのである。
こんなエラそうなことを書いて、来年できなければお笑いだけど、できるかできないかは撮ってみなければわからない。
この2週間で多数のご来廊、本当にありがとうございました。また本日のパーティーにもたくさん集まっていただき、心から感謝しています。
みなさんのご期待に応えられるように、作品制作に励んでいきたいと思います。
昼間、早い時間に表現大学のK先生と生徒さんが来られる。
彼らは無言で作品やブックを真剣に観ている。ギャラリー内の空気が張り詰めていて、なかなか声をかけられない。
15分くらい経ったところで、K先生が口を開いた。
「きょうは授業の一環なので、作品解説をしてもらっていいですか?」
そういうことなら、パーティーのあいさつでしゃべろうと考えていたことを、練習のつもりで話しよう。
で、わたしの略歴や今回の作品が生まれた経緯、コンセプトなどを一通りお話しした。
生徒さんのなかに、わたしと同じく学校の先生を辞めて写真家をめざしている人がいた。しかも、わたしが辞めた歳と彼の歳が同じだったので、お互いにおどろいた。
30歳半ばというのは、ちょうど人生の折り返し地点だから、だれでも「こんなことやってていいのか?」「ホントにやりたいことはなに?」という自問自答をするのかもしれない。
だけど、そこで仕事を辞めて、すべてを捨て、リセットできる人間は少数かもしれない。
大半の人はさまざまな理由(しがらみ?)で辞めることができずに、疑問を感じながらも同じことをつづけていく。
どちらが幸せな人生かは、その人の考え方しだいだ。
わたしは一度しかない人生なら、たとえ貧乏でも自分のやりたいことをやって死にたい、という考えである。
そんなことまでは言わなかったけど、その生徒さんもきっと腹をくくって一歩を踏み出したのだろう。がんばってほしい。
表現大の人たちと入れ替わりに、パーティーの準備を手伝ってくれるLさんが来る。いつもありがとう。
すでに飲み物は買ってきて、ギャラリーの冷蔵庫で冷やしてあるので、あとは簡単な食べ物を用意するだけ。
彼女と二人で近くの商店街へ買い出しにいく。
お惣菜屋でおいしそうな惣菜を袋いっぱい買い、スーパーでお菓子類を買う。
さいごに精肉店で揚げたてのコロッケとトンカツをどっさりと買ったら、店のおばちゃんが「サービスしとくわ」といってウインナーの串フライを2本付けてくれた。
1本ずつ食べながらギャラリーにもどる。
買ってきたものを並べて用意をしていると、ほどなく写真茶話会のメンバーが来られる。
さらに写真学校時代の同級生たちもつぎつぎに来廊。何年も会ってなかったMさんやNちゃんも現れ、まるで同窓会のような感じになる。
定刻をすぎたので、とりあえず乾杯して、そのあと一人一人にあいさつして回る。
1時間ほど歓談して、一応、中締めのごあいさつをする。
昼間、表現大学の生徒さんたちに一度しゃべっているので、もう緊張はしない。
と思ったら、白ワインを呑みすぎたせいか、途中で話す内容を忘れてしまって、後半は頭の中がまっ白。完全にアドリブでしゃべる。
ああ、カンペを用意しておくべきだった。
あいさつのあと、同級生のOくんが意見をのべた。
「マツノさんはテクニックがあるのに、それを写真には見せないで、ストレートに情熱をぶつけてくる。そこがいい」うれしいこと、いってくれるね。ありがとう、Oくん。
そのあとを写真茶話会のSIGN氏が請けた。
「この写真展はマツノさんの崩壊していく過程を見せていて、これから再生していくという決意だと感じた」
さすがはSIGN氏、わたしの写真をよく見てくれている。まだ崩壊の過程なんだ。これから再生するのか。たのしみだな。
さいごにPさんが「次回の写真展に向けての展望を聞かせてほしい」と質問された。
わたしは「つぎもREBORNです。本当の意味での再生を撮ります」と答える。これは酔った勢いでいったのではなく、本当にそう思っている。
頭の中にはもうイメージもある。撮りたいものもあるし、その撮影に使うカメラまで決まっている。あとは撮るだけ。
今回やりたかったことは全部やったので、また新しいことをやって進んでいくのである。
こんなエラそうなことを書いて、来年できなければお笑いだけど、できるかできないかは撮ってみなければわからない。
この2週間で多数のご来廊、本当にありがとうございました。また本日のパーティーにもたくさん集まっていただき、心から感謝しています。
みなさんのご期待に応えられるように、作品制作に励んでいきたいと思います。