7月15~16日、北アルプス「笠ケ岳」に登ってきました。
(新穂高温泉への往復はM日アルペン号を利用)
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山の名には、冠だの、烏帽子だの、笠だの、頭にかぶるものの名称を取ったものが多い。
同じ笠にも、編笠山や遠笠山、衣笠山などがあるが、やはり一番多いのは単なる笠ケ岳
である。もちろんそれは笠の形をしているから名づけられたに違いないが、
名前だけでは信用できない。表から眺めると笠に見えても、横に廻ると全く形が変わるもの
もあるからである。それらの多くの筆頭に挙げられるのは北アルプスの笠ケ岳である。
(日本百名山:笠ケ岳より抜粋)
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7月15日早朝「新穂高温泉」バス停に着く、朝食を食べて左俣林道へ出る。
御覧の様な空、蒲田川の水量も半端ではない。
6:10 今日のルートは「笠新道」を直登する。
北アルプス「三大急登」の一つ、間違いなく難度はNo1だろう。
風穴前を通過、まさに天然のクーラーだ。
:(力)水は出ていなかった。
7:04 「笠新道」入口、”気合いを入れて”、登山開始。
情報では:「笠新道の往復はきついよ!雨なんか降ったら
最悪だよ!!」
まさに最悪の条件の中、ブナの森へ入っていった。
:標高(毎)に設置された標識
7:25 1450mブナ原生林と書かれた標識の場所へ。
樹林帯を抜けると、ニッコウキスゲが迎えてくれた。
:1800m地点
8:25 雨も降り、レンズも濡れてこの状況。
これ以降、カメラが心配なので、ケースにしまった。 (花の写真は明日撮ることにした)
エンレイソウ、キヌガサソウ、ミツバオウレン、ゴゼンタチバナ、シナノキンバイ、オオバキスミレ
カラマツソウ、ハクサンイチゲ、チングルマ、イワカガミ、シャクナゲ 等々・・・。
:杓子平
11:00 杓子平へ(行程の半分まできたか)
小雨は降り続いている、
周囲はガスの中、沢の流れる大きな
音が聞こえる。
:抜戸岳分岐
12:43 抜戸岳分岐へ着いた。
(右へ行けば、抜戸岳 →弓折岳 →双六小屋と伸びる”裏銀座縦走ルート”)
ここまでの登りが今日のハイライト、一番疲れた。
ガスで展望はないし、雪渓脇に出た夏道を、外さないように黙々と歩いた。
:抜戸岳分岐(2)
一つ下った分岐、ハイマツの生えた起伏の緩やかな尾根道が笠ケ岳まで続く。
:ミネズオウ :キバナシャクナゲ :ヒメイチゲ :アオノツガザクラ
ハイマツの中に咲いていた花です、キバナシャクナゲ、ミネズオウが多かった。
:抜戸岩
13:30 正面に岩が!抜戸岩だ。 数は少ないが、イワウメが咲いていた。
14:10 緩やかな起伏の尾根道を歩いて、最後は雪渓を横切り「笠ケ岳山荘」に着いた。
山頂へは天候を考慮(ガスで見えない)し、明日登ることとした。
夕食は 17:00、談話室で”山友”を増やすべく、積極外交を展開した。
明日の予報は”曇り”微妙だ、夜
雨が屋根を叩いていた。
http://kasagatake.com/ ← 高橋君はしっかり仕事をしていました
*** 7月16日(月)
5:00 朝食、外はガスが出ているが雨は降っていない。
:笠ケ岳登山口
5:30 笠ケ岳山頂へ、登り15分・下り10分、走って8分かかるらしい。
:山頂にある祠 :
播隆上人か?
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(中略)それから四十年おくれて播隆上人が登頂した。
文政六年(一八二三年)六月のことで、下山してから山麓の人と語って登山道を完成した。
そして同年八月五日、播隆を先達として同行十八人が絶頂を極めると、御来迎が雲の中に
浮かび、阿弥陀仏が三度出現したので、一同随喜の涙をこぼして奉拝した。(中略)
翌文政七年八月五日、播隆は又も同勢六十六名を伴って笠ケ岳に登頂し、阿弥陀仏を納めた。
この日も御来迎の出現が数度に及んだという。彼はこの頂上から遥かに槍ヶ岳の英姿を望んで、
それへの登頂の祈願を起こし、ついに槍の初登頂者となったことは有名な話である。
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:笠ケ岳山頂
5:48 山頂へ、眺望は全くない、もちろん”阿弥陀仏”の出現も。
7:30 抜戸岳分岐を経て、抜戸岳をめざす。
:抜戸岳山頂
7:37 抜戸岳山頂、三角点と字の消えかかった柱の標識が。
:抜戸岳分岐
7:50 抜戸岳分岐へ、ここから雪渓脇を下る。
昨日最も体力を
消費した場所だ。
:雪渓
雪渓を2~3回渡り
返す
春の花、ショウジョウバカマが咲いていました。 :
+*#%・・・?
8:45 杓子平へ、雲が晴れて雄大なカールが姿を見せる。
杓子平からの下りで見た花たちです。
9:45 槍・穂高の眺望、2200m地点へ、陽もさしてきたが、雲の上昇は今一つ。
岩場で「オコジョ」が
日向ぼっこ?複数いた。
オコジョ:ネコ目(食肉目)イタチ科の属する動物。別名ヤマイタチ(山鼬)
気性が荒く、ノネズミなどを食べる他、自分の体よりも大きいノウサギやライチョウを捕食することもある。
単独で生活し、岩や樹根の隙間に営巣したり、ネズミの巣穴を乗っ取って自分のものにすることがある。
動きはきわめて敏捷で、木登りや泳ぎなども得意。
オコジョは、姿や挙動から神秘的な動物とされる。長野県や群馬県では山の神の使者と伝えられ
ヤマノカミノエンコロとかヤマノカミノコロ(山の神の犬の意味)などとも呼ばれている。
猟師は、オコジョに会うとその日は1日猟がないといっていやがる。猟犬がオコジョの鳴き声を聞くと
それを追い回し、使いものにならないからだという。とらえたり追ったりすると祟りがあるといわれる。
オコジョは人に憑いて精神異常をおこすともいう。クダ(中部地方)あるいはオサキ(関東地方)と称する
憑き物の正体も、だいたいはオコジョである。 (引用:ウィキペディア)
:ハクサンイチゲ :ミネザクラ :ミツバオウレン
:キヌガサソウ :ネバリノギラン :キクニガナ
:ツマトリソウ :ホンシャクナゲ :タニウツギ :オオバノギボシ
:ユキザサ(花) (実)
ここからの下りで出てきた花をまとめて、紹介します。
新穂高温泉も俯瞰できる。
お花畑
ブナが目にやさしい!!!
:Its fine!!
11:34 「笠新道」登山口へ文字通り”辿り着いた”
最後は、おもしろくないのに”膝が笑っていた”
穴毛谷(播隆上人が登った頃の登山道?)
:オオヤマレンゲを紹介します
:蕾が皮で覆われている → 皮が剥ける
花が咲く(まさに今が旬でした)
正面には「焼岳」のドームが姿を見せていた。
:ヤマオダマキ :ベニバナイチヤクソウ :マツムシソウ
11:48 左俣林道登山口へ無事着いた。
日帰り温泉”ニュー穂高”で汗を流し、新穂高温泉からバスに乗り、新宿へ戻った。
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行程:標高差1897m、約22.4km、登り6時間・下り6時間
15日 6:10 登山道入口 ⇒7:04 笠新道入口 ⇒8:10 標高1700m ⇒11:00 杓子平
⇒12:43 抜戸岳分岐 ⇒13:28 抜戸岩 ⇒14:10 笠ケ岳山荘
16日 5:30 笠ケ岳山頂 ⇒6:05 笠ケ岳山荘 ⇒7:37 抜戸岳 ⇒7:50 抜戸岳分岐
⇒8:45 杓子平 ⇒9:45 標高2200m ⇒10:52 標高1700m ⇒11:34 笠新道
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笠ケ岳に登ったにもかかわらず、一度もその山頂を仰ぎみないで、下山した。
”稀有な登山”だったかもしれない。
:抜戸岳から見た笠ケ岳