(原題:倩女幽魂III 道、道、道)91年香港作品。当時の人気シリーズの第3弾だが、パート2の続編ではなく、パート1の再映画化という印象が強い。舞台はパート1から百年後、舌の長い妖怪の封印が解け、古寺に訪れた人々を次々と襲う。妖怪の手下として働くのが、成仏できない女の幽霊たちで、その一人が寺に泊まった若い僧侶を好きになってしまったところから、妖怪と人間たちの大々的バトルに発展する。
パート2で人間役だったジョイ・ウォンが幽霊役に復帰(というのもおかしいけど)。今回は三人姉妹の一人という設定だが、やっぱり彼女の人間離れした妖艶さは超現実的な役の方が似合う。ただ、パート1よりは少々下世話でひょうきんになったところがおかしい。前作までの相手役レスリー・チャンは出ていないが、トニー・レオンが純情な青年を好演している。
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さて、このシリーズの目玉である特殊効果は好調。香港映画の専売特許となった感があるワイヤー・アクションがほとんどの場面で導入され、おなじみのクンフー、さらにCGも取り入れ、賑々しい幻想世界が展開している。人間を人間とも思わず、完全にSFXの素材の一つとして酷使しまくるという香港アクション映画の俳優に対する割り切った考え方(これはホメているのだ)が実によくあらわれている一篇だ。
さらに、全篇を彩る独特の美意識がアクション一辺倒の作品群とは一線を画している。ブルーがかった夜の場面で登場人物たちがふわっふわっと飛び回る様子は本当にきれいだし、古寺に迷い込んだ男たちをプールの中に誘い込む女幽霊の薄い着衣がひらひらと風になびくシーンは美しい。濃厚なラヴ・シーン(女幽霊が主人公の口に舌を挿入してのディープ・キスのエロティックさは、裸体を見せないにもかかわらずそこらへんのAVをはるかに上回る)も用意されており、作者のサービス精神は旺盛である。
衝撃度では第一作に負けるが、これはこれで楽しめる作品だ。製作のツイ・ハーク、監督のチン・シュウタンらの才能にいつもながら感心してしまう。
パート2で人間役だったジョイ・ウォンが幽霊役に復帰(というのもおかしいけど)。今回は三人姉妹の一人という設定だが、やっぱり彼女の人間離れした妖艶さは超現実的な役の方が似合う。ただ、パート1よりは少々下世話でひょうきんになったところがおかしい。前作までの相手役レスリー・チャンは出ていないが、トニー・レオンが純情な青年を好演している。
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さらに、全篇を彩る独特の美意識がアクション一辺倒の作品群とは一線を画している。ブルーがかった夜の場面で登場人物たちがふわっふわっと飛び回る様子は本当にきれいだし、古寺に迷い込んだ男たちをプールの中に誘い込む女幽霊の薄い着衣がひらひらと風になびくシーンは美しい。濃厚なラヴ・シーン(女幽霊が主人公の口に舌を挿入してのディープ・キスのエロティックさは、裸体を見せないにもかかわらずそこらへんのAVをはるかに上回る)も用意されており、作者のサービス精神は旺盛である。
衝撃度では第一作に負けるが、これはこれで楽しめる作品だ。製作のツイ・ハーク、監督のチン・シュウタンらの才能にいつもながら感心してしまう。