慶聞抄 ２０１８年 8 月号

慶(きょう)聞(もん)抄(しょう)
　　２０１８（平成30）年８月号
（ＮＯ、57）　了雲寺　釈幸華

数珠さんご

熱死

６月１８日、大阪北部地震。７月５日からの数日間の西日本豪雨。そして、雨が終わってからのこの異常高温。大阪３８度、４０度を超える所もあり、熱中症で死者も出たと聞いてもう、言葉もありません。これでもか！というように、自然の脅威が畳みかけてきます。被災地の皆様、どうぞ生き伸びてください！

母が今、もし生きていたらどうしたでしょう。クーラーもいや、扇風機の風も止めてという人でした。気温を聞いただけで卒倒するかもしれません。母と同じ（多分老人性なんとか）目薬を処方されていますが、思い出して真似をし始めました。目薬を冷蔵庫から取り出すのです。冷たいのがポトリ、一瞬の局所快楽！

そしてもし許されるのなら、夏だけタイやミャンマーの坊さんになりたい。片肌脱いだ衣スタイル。布袍には、クールビズはないものね。



刑死

７月６日のことでした。オウム真理教、麻原彰晃含め元その追従者７人に死刑執行。思い出せば、阪神淡路大震災と同じ１９９５年の３月に地下鉄サリン事件は起こったのでした。しかし、公判の途中から麻原は精神に異常をきたし、通常の裁判は不可能だったという情報（森達也さん＊映画監督・作家、の本など）があります。

落ち着かない思いでいたとき、知り合いから次のような添付文書の転送メールを受け取りました。

安倍総理大臣様、本願寺門主様、総長様

前略：アムネスティーインターナショナルの昨年の統計では、死刑を法律、事実上廃止している国は１４２か国で、全世界の国連加盟国である１９３か国に対し、約74％となります。犯罪者のことは、個人の自己責任もありますが、犯罪を生む、国家的政治責任も考えます。犯罪者には命を奪う死刑ではなく、どんなに時間はかかっても厚生こそが大事と考えます。ノールウェーを取材した森達也さんのことがネットにあります。ノールウェーは死刑も無期懲役もなく、懲役は最高刑で21年、再犯率はとても低いそうです。懲役を終えた囚人は、住まいと仕事が保障されることが出所の条件となります。もしもこの条件が満たされない場合には、国が住まいと仕事を保障します。



森さんはノールウェーの人から「犯罪者のほとんどは、貧しい環境や愛情の不足などが原因で犯罪を起こしている。ならば彼らに与えるべきは罰ではない。良好な環境と愛情、そして正しい教育だ」と聞かされています。　　後略　　　　　

　非戦平和を願う真宗門徒の会会員　安芸教区山県太田組報正寺　住職　城山大賢

いやあ、骨のある住職さん。私たちの阿弥陀如来さまの大慈大悲のお心にもかなう意見書です。

戦死

「死の縁　無量にして（覚如上人・執持鈔）」・・水死、病死、その他もろもろではありますが、特にこれだけはあってはならない、戦死。これこそ政治の貧困と言いたい。去年初めて取り組んだ9・18の平和の鐘（復習・１５年に及ぶ前の戦争の発端、満州事変勃発の日）。今年も打ち鳴らしますので宜しくお願いします。　　　　　　　　　合掌

＊児童福祉司２千人増、決まりました。
＊お寺カフェ、８月休み、次回９月19日